
ファミマソックスに見る新たなファッションの萌芽
こんにちは、tunageruインターン生のR.Nです。
すっかり秋になり、夜はグッと冷え込む日が増えてきましたね。
これからのシーズンは身にまとう服が増え、おしゃれを楽しめる季節になります。
そこで今回はある商品から新たなファッションの在り方の興りを紐解いていこうと思います。
2022年8月16日、大手コンビニ・ファミリーマートは「ソックスどれでも3足で1,000円セール」を開催しました。
これは「じぶんを愛そう。いい素材、いい技術、いいデザイン。」をコンセプトに日常に最適なシルエットや素材を訴求する、ファミリーマートのプライベートブランド「コンビニエンスウェア」の主力商品である靴下の累計販売数が700万足を突破したことに起因するものです。
「コンビニエンスウェア」は2021年3月からラインソックスを始めたとした衣料品を全国で展開しました。つまり、1年半にも満たない期間で700万足を販売したのですからこれは驚くべき数字と言えるでしょう。
また、SNSでは「#ファミマソックス」や「#ファミマの靴下」といったタグで購入報告やコーデの写真が相次いで掲載されており、俳優の木村拓哉氏などといったインフルエンサーがラインソックスを着用した写真をSNSに掲載したこともその話題に火を付けました。
ある種「革命」とも呼べるこのムーブメントの裏には、大手総合商社・伊藤忠商事の動きが関係しています。
伊藤忠商事は江戸時代末期に繊維を祖業として創業され、「繊維と言えば伊藤忠」と言われるほど、伝統的に繊維・アパレルには非常に強い企業です。
そして2020年11月、ファミリーマートは伊藤忠商事の完全子会社となり、2021年3月1日付で伊藤忠商事の細見研介執行役員(58)が社長に就きました。
細見氏は1986年、神戸大学経営学部を卒業し伊藤忠に入社。
岡藤正広・伊藤忠商事会長最高経営責任者(CEO)と同じ繊維出身でマーケティングにも精通しています。
そしてファミマのプライベートブランドが全国展開されたのも、細見氏の社長就任と同時期の2021年3月。ITmediaビジネスonlineには以下のように記述されています。
(ファミマは)伊藤忠の傘下となった強みも生かし、使用する素材も独自で開発した。
例えば、女性用の「スキンタンクトップ」には、伊藤忠の再生ポリエステル糸「Renu(レニュー)」と旭化成の機能糸「Paircool(ペアクール)」を配合。蒸れにくく速乾性に優れた仕様とした。機能性に優れながらも価格は1089円と、アパレル専門店で販売している商品とそん色のない設定とした。
ファミマソックスの秘密はこれだけではありません。
共同開発者として世界的ブランドである「FACETASM」のデザイナー落合宏理氏を迎えたことで、かのファミマロゴを彷彿とさせる靴下が完成したのです。
落合氏はコンビニエンスウェアに関するインタビューで特に気に入っているアイテムを聞かれた際、以下のように答えています。
ラインソックスですね。
デザイナーとしてコンビニという場所が面白い場所に感じたので、アイコンとして提案しました。
プロジェクトが始まってすぐにデザインしたのがこれで、僕はポップアートのようなイメージで見慣れたアイコンを使ったアイテムがアーカイブされていくことに魅力を感じて。
ファミリーマートを象徴する緑、青、白のラインという唯一無二のデザインに我々が新しい価値を付与することができたと思っています。
これらの要因に加えて、ファミマ本来のマーケティング力の高さ・独自かつ非常に大規模な店舗網がファミマソックスの飛躍を後押ししたことは間違いないのでしょう。
以上のようにあらゆる要因が重なって爆発的なヒットを果たしたファミマソックスは、街ゆく人々の足元だけではなく消費者への服の流通ルートも今後大きく変化させ得る可能性を孕んでいることに言及し本記事の締めくくりとさせていただきます。
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