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昼夜逆転

を、治したいと思ってかれこれ十年は経った気がする。初めは些細な、いや、私にとってはとてもショッキングな出来事からだった。それによりまずお腹が空くことが無くなりみるみる体重は落ち、まだ精神科の扉を開いたことの無かった私は、家にある祖母が処方されていたデパスを勝手に飲んでは少しの眠りについた。あの頃のデパス一錠は私にとっての神様であり救済であった。見当たらないとなれば血眼で探した。今となれば、なぜそんな一錠ぽっちで眠れていたのか不思議で仕方ない。それから私は眠剤ジプシーと化し試しては効かない、また別のものを試しては効かないを繰り返してきた。ただ入院していた時は22時消灯6時起床をそれなりに守れていたので(夜中何度も目は覚めたが)、やはり昼に寝るのがまずいのだろう。ただそう思って徹夜してみても困ったことにまた眠れないのだ。コントミン、ピレチア、ベルソムラ、そこにニトラゼパム、デパス、レキソタンやレボトミンを足す。それでも眠れない。参ったな。私はただ安心して眠りにつきたいだけなんだ。皆が普通にしているように。薬なんて飲まずに寝付きたいだけなんだ。皆が普通にしているように。夜になれば自然と眠って夢を見て朝に目覚めたいだけなんだ。皆が普通にしているように。
ねえ、普通って難しいね。

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