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一足早いお祭りごと(ショートショート)【音声と文章】

山田ゆり
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※note毎日連続投稿1515日をコミット中1428日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、短い時間で楽しめます。





おはようございます。
山田ゆりです。


今回は
一足早いお祭りごと(ショートショート)
をお伝えいたします。




その日は朝から家中が大忙しだった。

娘の結婚が決まり明日はお相手とご両親が我が家にお見えになる日。

それぞれの部屋を片付けましょうということになり
家中が台風のように騒々しかった。



「お母さん、これ、どうしよう。もういらないかなぁ」
長女が保育園の時の図画を持ってきた。

丸い輪に目と口と耳があり、
なぜか、髪の毛は一本だけ。

おじいちゃん、おばあちゃん、
お父さん、お母さん、
本人、二人の妹。
7人の丸い顔が画面いっぱいに描かれている。

「う~ん。まだ持っててもいいような気がする」
私は答える。

「そうだよね。もう少し持っていようかな」
娘が部屋に戻った。




「ねぇねぇ、こんなのが出てきた」
二女が手に持ってきたのは版画の原本。

彫刻刀で力強く彫られたその板には
二女が太鼓をたたいている姿が刻まれている。
あの日のお祭りの様子が一瞬にして思い出された。

「あぁ、懐かしー」
二女は見せるだけ見せてまた部屋に持って行った。



「お母さん、これどうする?」
三女がおジャ魔女ドレミのハナちゃんのお人形を持ってきた。
保育園児の頃、一番のお気に入りだったもの。

歌好きの娘たちは、よく三人で主題歌を歌っていた。


「う~ん。もう少し持っておいてもいいんじゃない」



結局私は、捨てない方を選んでいた。
これだから私は片付けられないんだよなと思う。




父と母が畑から帰ってきた。
母はほうれん草の束を2つと
ビニールハウスの端っこに植えてある苺を
スーパーの袋いっぱいに持ってきた。


母は苺にザラメ・氷・水を入れて
ジューサーで一気にイチゴジュースにした。
おばあちゃんの作るいちごジュースは娘たちの大好物だ。




6人で夕飯を食べている途中で夫が帰宅した。
ネクタイを緩めながら台所の椅子にドカッと座る夫。
今日は残業なしで上がってきたようだ。





明日の準備はまだ終わらない。
まだ片づけが終わらないというちょっぴりの不安はあるが
明日への期待の方がそれをはるかに上回っている。







そんな夢を見た。


今はまだ、誰の結婚も決まっていないのに
夢の中では一足先にお祝い事が進んでいた。




一週間の始まりにふさわしいめでたい夢。

夢でもいいから会いたかった、父、母、夫。
元気な三人の姿に会えて嬉しい。




一週間の始まりとしては幸先が良い予感。
私は運がいい。

さぁ、今日も頑張るぞ。






今回は
一足早いお祭りごと(ショートショート)
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。



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