書斎はＰＣのパタパタと言う音しか聞こえない。



階段を下りてくる音がする。

玄関のドアを開け、外の様子を伺っているのが手に取るように分かる。
積雪の具合を見ているのだ。分かる～。
今の季節、私も起きたらすぐに外の積雪状態を確認するのが習慣になっている。



「おはようございます！」
ダイニングのドアをスライドさせて三女が入ってきた。


「おはよう！早いね。」
「うん、ゴミある？」
「うーん、無い。」
「じゃぁ、出してくるね！」


そうか。と言うことは、三女は深夜の内にお風呂や洗面台・キッチンの排水溝の掃除を終えていたということか。

ありがとう。



三女はガサガサと音を立ててゴミ袋を縛り玄関を出ていった。
そしてすぐに戻ってきた。

「ゴミ、どうだった？」
「うん、めっちゃ出てた。」
「へー！まだ早い時間なのにもうそんなに？」




昨夜のおかずを温めている電子レンジの音が何度か鳴る。

そして三女はキッチンの椅子に座り食べ始める。

隣の書斎でＰＣを打ち続ける私。
間のドアはいつも開け放しているから三女がキャベツを咀嚼する音が聞こえる。




のろりのろりと長女が階段を下りてきた。
この時間に起きてきたと言うことは今日は早番だ。


「おはよー！」
「おはようございます。」


いつも寝ぐせ全開の長女。
そこが可愛い。
そしてお化粧後はキリリとした社会人の顔になるからそのギャップが面白い。




洗面台で歯磨きをする音が聞こえる。
きっと床に座っている。
やがてシャーっという音がしてきた。
洗顔をする時にウサギの耳のヘアバンドをしている長女の可愛い姿が思い浮かぶ。


三女が食べ終わり食器をシンクのところへ持って行き歯磨きを始める。



あぁ、しあわせ。



家族の普段のそれぞれの音で今日も始まった。







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家族のいつもの朝