心のしこり

なぜだろう、書けないでいた。固いしこりのようなものができて、のどがつまる。どうやってほぐしたらいいのか途方にくれている。

少し前から右の下腹部に痛みを感じて気になっていた。そういえば、コロナのせいで病院から遠ざかっていたけれど、婦人科の定期検診をしなければならなかったのだ。一年前のちょうど今頃、下腹部に痛みがあった。はじめは膀胱炎を疑って泌尿器科に行ったが、違うと言われ、結局、その後行った婦人科で卵巣嚢腫だとわかった。今すぐどうということではないけれど、3ヶ月に一度の検診で経過を診ることになっていた。

それなのに、最後の検診からもう10ヶ月がたっている。もしかしてずいぶん悪くしてしまったのだろうかと、心配になった。恐る恐る診察室に入った。「前回より少し大きくなってますね。」「あまり気になって来るようなら、MRIをとって手術ということも考えなければなりませんね。」そう言ってドクターはお腹に手をあてた。

「お腹がずいぶん固いですね。ストレスはね、お腹にでるんですよ。ぐっすり眠れてますか?食欲はありますか?」私は卵巣の辺りの痛みは気になっていたけれど眠れないとか食欲がないとか、他の体調不良は感じていなかったので、首をふった。

「ちょっと問診してあげて」ドクターが看護師さんに声をかけて、私は別室で問診を受けた。質問紙に記入していくうちに、体調がいいわけでもないことに気がついた。慢性的に頭も痛いし、疲れやすい。すぐに涙が浮かぶ。診察をしてもらって親切な声をかけてもらっているうちになんだか泣きそうになってきた。そうなんだなぁ、我慢してるんだ。そう気がついたら、あれこれ言葉にならないしこりが少し溶けて涙になった。

「あなたは元気に見えるけれど、体は正直だからね。お腹にでるんですよ。気鬱と血行を良くする漢方です。なくなったらまた来なさいね。」そういうものなのかな。自分では気がつかないけれど、いろんなところが凝り固まってる。自分をいたわることも大切だ。


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