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【roots】青年期 《17章》ここから

日は昇り、外を眺めて僕は途方にくれた。
ドアをノックする音。
「はい」力なく答えた
「デイブ!俺だけど」オーウェン!
ホッとしてドアを開けた。
持って来てくれたサンドイッチとコーヒーを一緒に食べた。少し生きていると思えた。
「ルビーは?」「ミアだったよ」
「ミアは?」「出て…行ったよ」「そうか…」
2人ともわかり切っている事を確認する様に話した。
「僕が勝手にルビーだと思ったんだよ」
「ミアがルビーだって言ったからだろ」
「あの時、なぜミアだと言わなかったのかな…
ミアでも僕にはわからなかったのに…」
「俺にバレるからだろ。デイブは騙せても必ず俺に咎められる。」
「そうなのかな。ルビーになってみたかったのかな…って」僕は自分の間違いを淡い夢に変えたかった。
「嘘は嘘にしかならない。いつかバレることを察してもう限界だったんだ」オーウェンの言葉を僕はうまく飲み込めずミアに申し訳なかった。
「ミアとは…その。この何ヶ月さ」オーウェンが聞きづらそうに言った。
「何も無いよ。最初からずっと。言葉ではうまく言えないんだけど…違和感があって。深く近づけなかった」と僕が答えると。オーウェンはホッとしたような声で「やっぱり運命の相手はわかるんだな。顔は似ていてもルビーじゃない。魂がそう感じたんだろ」と言った。
「でも、僕にはルビーがわからない。会ったこともない。声を聞いたことも…」落ち込むしか出来ない僕にオーウェンは
「心配するな。また魂がおしえてくれるさ。探さなくても会えるくらいに」と励ましてくれた。
「ここは引越す。ここではルビーに会えない気がするんだ」と僕が言うとすぐさま
「キツネに会いに行こう!ルビーを知ってるって言ってただろ?」と明るく言って僕の肩をバンバン叩いた。
「ありがとう。とにかく引越してからにするよ」

そう答えたものの。
なぜこんなにルビーに出会わなければいけないと感じるのか。
きっと僕を待っていると思うのか。
心のなかに湧いて出てくる感情に胸が詰まった。
昨日までルビーだと思って、疑いもせず一緒にいたミアを思い出すと居た堪れない気持ちに飲み込まれ。
僕は明らかに心の中の整理がつかず
ため息しか口から出なくなった。
オーウェンは晩ご飯までいてくれて励ましてくれた。
今夜はもの凄く静かで寂しく月がやたらと明るくてシンシンと孤独を感じた。

次の日、早速家を決めて。
翌週引越しをした。
今度は一階がカフェのアパート。
荷物もまだ開けきっていないので
モーニングに行ってみた。
ビジネス街。
仕事前の人が沢山テイクアウトに並ぶ。
人気店らしい。そんな中、席に座って朝食を取る自分が少し恥ずかしく感じた。
クロワッサンのサンドイッチとカフェ・オ・レ。
少ししてお客さんが引いて来た。
「おかわりはいかがですか?」
若い女の子の店員さんがポットを持って僕の前に立った。
「あ、お願いします」
笑顔の優しい店員さんだ。感じの良い雰囲気に常連さんが多いのもうなづけた。
2杯目のカフェ・オ・レを飲み終え立ち上がった時に店のカウンターにエプロンを着けながらやって来た女性を見て驚いた。
「ルビー!」
確かにミアによく似た顔。目が少し丸くて優しい感じ。オーウェンが言う通り長い髪をポニーテールにしていた。
ここで働いているのか…。
僕は何て声をかけて良いのかわからず。
接客中のルビーを横目に急いで会計を済ますと店を出た。
心臓がドキドキと高鳴って息が苦しくなった。
ルビーは美しかった。光が放たれているように見えた。不思議だけど本当にそう見えたんだ。
真っ直ぐにルビーだと思えた。
明日。名前を聞こう。
オーウェンにすぐ電話をかけた。
「一階のカフェでルビーが働いてる!!」
「もう会ったのか⁉︎何て言ってた?」
「声なんてかけられないよ…ルビーだ!って思っただけで」と僕が焦った様子で言うとワッハッハ!!とオーウェンは大笑いして
「らしいな」と優しく言った。
「明日、頑張ってみる」と決意表明すると
「ゆっくりで良いよ。見つけられて良かったな」と電話を切った。
*****
次の日、ブランチに行った。
そーっと外から店をのぞいていると昨日の店員さんが「どうぞ」とドアを開けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
席に案内されてメニューを開いた。

to be continue…

今日もワクワクとドキドキと喜びと幸せを🍀


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