【roots】少年期
《序章》光るランプと伸びる影
家具の無い暗い部屋。
アンティークの赤い壁紙。
壁にタペストリーか何か布が掛かっているみたい。
真ん中に小さなスタンドランプの灯りが着いていた。
あまり中まで入る気になれずにドアのすぐ横の壁に背中をつけて足を抱いて小さく座った。
大きくため息をつくと、ランプから影が伸びて来て少年の頭上で喋り出した。
黒いマスクとベルベッドのマントだけがうっすら光って見えた。
「やっと会えたな。…オイ!聞いてるのか?」
縮こまる少年に向かって偉そうに口をきき、
少年は、ただただ怖く頭を下げて