33)新年ファーストエンジンルーティン〜幼少期帰郷編〜

幼い頃お正月は祖父母の家で過ごした。
元日の早朝、車で1時間半かけて祖父母の家へ向かう。
運転は父、助手席は母、後部座席に私と弟。 
車内は母の好きなKinKi Kidsの曲がエンドレスリピートされる。


折り返し地点に小さなお茶屋さんがある。
我が家は毎回この店でお餅を購入する。
祖父はここのお餅が好きだった。
ニッキの香りがする変わったお餅だったが、これがとても美味しい。


だんだんと道のりがシンプルになってくる。
信号もほとんどなくなり
ひたすら真っすぐ海沿いを走る。
光が海面を照らしユラユラと揺れている。


途中でウトウトしても
起きてもさほど風景が変わらない。
まだか、とまた目を瞑る。


カエルのマスコットが立っている小さな薬局が見えた。この道を右に曲がるといよいよ祖父母の家に到着する。
祖父が少々こわかったので少し身なりを整え、気を引き締める。


海岸近くの空き地に車を止める。
車を出た瞬間、冷たい海風が身体を包む。
荷物を4人で分担し、急ぎ足で歩く。


祖父母の家は坂の上に位置している。
坂道の中心に下水路があり、その上に不安定な石のブロックがひかれている。
その上を歩くと、いつもコトコトと音が鳴る。私と弟は、あえてその石ブロックの上を歩く。

コトコト コトコト
コトコト コトコト


立派な門構えを潜り、玄関の扉を開く。
石ブロックの音を聞いた祖父と祖母が
玄関で待ち構えていた。
あけましておめでとうございます!!!!!今年も宜しくお願いします!!!!!!
と弟と声を揃え大きな声で挨拶をする。
これが毎年我が家の新年のファーストエンジンとなるのだ。


🌕
今年初のnoteにございます。
暫らくnoteを離れていましたが、また改めて自分のペースで綴っていきたいと思います。久々にフォローしている人のnoteもみました。共感したり、ほっこりしたり、新しい気づきを頂いたり。最近はyoutubeばかりみていましたが、やっぱり活字いいですね。
いいねなんて押して、ちょっとあざといなんて思われたらどうしようかな。。と思いつつ好きな作品には🤍送りたいものです。

今年もコロナ禍の為、故郷に帰れず正月らしい過ごし方は出来ませんでした。
しかし、今年の元日も朝一番祖母に「あけましておめでとうございます!今年もよろしくおねがいします!!」と電話越しに言い合いました。私の新年ファーストエンジンは形は違えど続いております。

今年もnoteの皆様、宜しくおねがいします。

               つきの🌕


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?