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21)好きな花を選んでいいよ。


幼い頃から緑や花が身近にあった。
父が造園業に携わっていることや、母の趣味がガーデニングなこともあり家の庭には沢山の木花が植わっていた。

庭は母と父の共同庭という感じだ。
玄関通路にアーチ状に絡まるピンク色のバラ
玄関の手前には真っ白なハナミズキ
春先はベコニア、マリーゴールド、日日草、撫子、ゼラニウム
冬場はビオラやパンジー
少し離れた庭にはツツジや紅葉や桜が植わっていた。


生まれた時から草花に触れていた私だか
最初から花が好きだったわけではない。
大人になり、ようやく花の良さが分かった。


昔から休みの日になるとよくホームセンターに連れていかれた。
父と母は二人で花をゆっくり選んでいた。
小学生の私にとってホームセンターほど退屈な場所はなかった。ペット売り場が備わっているお店もあるが、父母の行きつけのホームセンターにはそんな派手なものは備わっていなかった。


そんなある日のホームセンター日和に
初めて母から
私の好きな花を選んでいいよと言われた。


私 の 好 き な 花 ?




私に好きな花はないし、興味も特にない。
唯一心惹かれたのはツツジだろうか。

小学校までの通学路にピンク色のツツジが植わっていた。
ある日、友達からツツジを吸ったらおいしいで!と教えてもらい、その日から通学路を通るたびに花をむしってはチューチューと蜜を吸っていた。

これについては、どうか時効とゆうことで許してほしい・・・。それに今調べるとツツジには毒があるようだ。
最悪食中毒症状を起こすと書かれている。
少なからず公共の花をむしって吸ったことへの代償をあったようだ。


好きな花を選びや_____
母の言葉を聞いて初めて花を選ぶ権利を得たとおもった。花は咲いているもので選べるものとは思っていなかった。 
初めて花を選べるチケットをもらった。
いつもは駄々をこねていた花売り場を見る目がいっきに変わった。
時間をかけて花をゆっくり選別する。
そこで一つの花に目がとまる


芝桜(シバザクラ)

ピンク色の小さい花だった。 
花の可愛さはもちろん、名前にも惹かれた。
すぐにお母さんに声をかけて一株だけ買ってもらった。
それから家にかえって花壇に植えた。
自分で選ぶと不思議に愛着がつくもんだ。
わたしが選んだ花だ。
庭を通るたびに指で撫でた。



あれから25年過ぎ、結婚をして家を建て、大きめの庭をお願いして作ってもらった。
秋になり本格的に庭造りをしようと思っている。先週は庭の土壌改良をするために培養土や肥料など購入した。
今週からしっかり庭を耕して花を迎える準備をしたいと思う。 

どんな花を植えようか
春になるとシバザクラをまた植えようか。


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