見出し画像

日記187:「トウモロコシ探し」

あちこち行ってきた。

県内を回って母とトウモロコシを探しに行ってきた。
私はちょっとこういうのに疎いのでよく知らないのだが、なんでもこの時期のトウモロコシが格別に旨いらしい。確かにこれくらい暑くなってくると毎年近所の直売所に車を停め、両手にいっぱいのそれを抱えて暑そうに、しかし幸せそうにしている母を見る。私はあの手の空間が少し苦手なので、いつも車内からそれをぼーっと見たり、本を読んだりしている。
先日は面白いものが食卓に並んだ。ヤングコーンなのだけれど、丸ごとバーナーで炙ってヒゲも皮も食べるのである。家族はひたすらその繊維質な食感に顔を顰めていたが(母も)、私はわりと歯が強い方なので旨い旨いとモソモソ食っていた。ヒゲ、甘いのである。

そんなこんなで今日はお昼前から車に乗り込み、16時くらいまで出だしていたのであった。
祖父母の実家の方に行くついでにモールをぐるっと歩いてきたり、道の駅で弁当を食ったりした。弁当には巾着のおかずが入っていて、それが甘酢というにはあんまりにも酸味の利いた味付けだったのが少々怖い。あんまり気にしないでおきたい。
それからまた別の道の駅へ行き、住まいの方よりも田舎らしい味わいのある市内にはものすごく立派な市民ホールがあり、いいなあ、と思ったりした。活気があった。トモクンだかサトルクンだか、そんな名前のケーキ屋があったりした。意外と評判がいいそうだ。

最終的に寄った直売所に着いたときにはすでに30℃近い気温だと付近の電光掲示板にあり、私は阿呆なのでそれを見た瞬間から日照りの強さを一層強く感じたりした。日焼け防止のサマーカーディガンに手の甲をせっせとしまったりした。
そこにはトウモロコシがあり、そして立派なタケノコがあった。母はそっちを見てウワー!と言い、足早に駆け寄った。空調の利いた涼しい店だった。
母は去年目当てのタケノコを買い逃したせいで、今年はそれに対する執念をものすごく募らせていた。ものすごく。
近所の業務スーパーでいいのを見つけてから、さすがにこれで最後か、いや、まだあるか…と呟く母に、いやさすがにもうないと思うよ、諦めようよと言い続けていたので、なんとなく悔しかった。

結局今日はトウモロコシを買わずにタケノコを買って帰った。こんなに大きくて食べる部分があるのかと訊いたが、この種類は意外とあるらしい。すごい話である。
私は母の作るタケノコ入りカオマンガイが大好物なのだが、それは二度と作れないらしい。なにも悲しい話ではなく、単純に、周辺にあるそれらしい材料をあれこれぶち込んで作ったからだそうだ。食べたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?