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日記194:「あっちこっち」

そっちどっち。

最近色々な場所に出かけている。出かけているというか、出かけさせてもらっている。
平日の日中は大抵母の車に乗せてもらって外出練習に臨んでいるのだが、今年はとりわけバラエティ豊かなそれを楽しませてもらっている気がするのだ。

我が家は関東の田舎の方にあるのだけれど、まあまあ店の種類は豊富である。豊富だと思っている。田舎らしい野菜直売所もあれば最近減少しているらしい本屋もいくらかあり、小規模なイオンもある。行けないが、ファミレスやラーメン屋の類も多くある。
そんな地元を抜けて30分ほど車に揺られていると、地元よりさらに田舎にあるモールなんかがあり、去年かそこらか足を伸ばすようになったそこでフラフラ歩いたり、発作を起こして早々退散したり、買い物をしたりもする。そういうことも多かった。

もう少し最近になって増えたのは、モールとはまた違う方向に田舎に行くことである。
あるときはトウモロコシやタケノコを探しに行き(日記187:「トウモロコシ探し」(https://note.com/tukidekka/n/nc95cfbfed12c))、あるときはチョコレートの直売所へ行き、また今日出向いた場所を挙げてみると、隣市辺りのキッチンカーなんかに行ったりする。
面白いことに、この1ヶ月くらいで母がインスタを活用し始めたのである。Twitterもfacebookもインスタもアカウントを作っただけで特に運用せず、フォロワー?フォローってなんだ…?と事ある毎に訊ねてきた母が、週末に近所の催し物に出かけるようになったことによって近所のキッチンカーのアカウントをフォローしてモグモグしに行くようになった様は、なるほど子どもがいたらこんな気分で成長を見守るのかもな…という気分にさせられた。

「あたしさあ、なるべく家から出たくない人間だからさ。お前がいなかったら、こんなにあちこち行くこともなかった思うよ」
あるとき、母がこんなことを言った。
私は未だに病気が重く、ひとりだと本当にどこにも行けず、買い物もできず、まったくもって自立もクソもできていない人間なので、こうも母を振り回しているのをいつも申し訳なく思っていた。
申し訳ないどころではないそれを思っていた。
母がこんな発言をしてくれたのは、恐らく気遣いでもなんでもなく率直な感想なのだろうと思う。私はそうも思えないのだが、しつこく問い質しても、いやこんなとこで嘘つかないし…と言われるので根負けし、信じることにした。

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