【つながる旅行記#105】岩木山登山part.2 ~そして山頂へ~
初の雪渓。
そしてもはや降りるのも危険なこの場所。
ああ……なんという試練だ。
この靴ではとてもじゃないが滑って登れない。危険過ぎる。
いやまてよ……?
アレがある。
アイゼン。
そう、これは雪の上を歩く際に必要な道具だ。
石鎚山での敗走の後、真っ先に手に入れたアイテム。
あのときもしアイゼンがあれば、自分は雪を前に諦めることはなかった。
今回はそれを持ってきていたのだ……!!
……な、なんで持ってきたんだろう?
正直、山がこんな事になってるとは思ってなかった気がするのだが……。
い、いやー!
ホントによく持ってきたもんだなと過去の自分を褒めたい!
使わなかったらアイゼンなんて無駄に重いだけなのに!
世の中不思議なこともあるものだなぁ……。
(みんなはちゃんと山の情報を調べよう!!)
アイゼンを両足に装着し、雪渓を登り始める。
これさえあれば余裕ってね!!!
・・・
いや結構滑るぞ……?
アイゼンには色々なバリエーションがある。
自分のアイゼンは6本爪。
他にも4本爪、10本爪、12本爪などがある。
さらには軽アイゼンと本格アイゼンという分け方もあるのだが、まあそれはともかく、「夏は6本爪で良い」とネット情報にあったのだが……。
なんだかちょっと足元が頼りない気がするが、アイゼンが無かったらこれ以上に滑るということなのだろう。
このアイゼンだって3cmくらいは雪に突き刺さっているわけだし。
余裕ぶらずに着実に一歩一歩進もう。
……しかし疲れるなぁ雪渓歩き。
少し登ったので、試しに後ろを振り返る。
こっわ……!!
写真だとわかりにくいかもだが、普通に坂である。
これツルっと滑ったらさっきの沢まで落ちるやつでは……?
いやもう写真なんて撮ってる場合じゃない。
さっさと登りきってしまおう。
土だ!!
土最高!!!
いまだかつてこんなに土の地面に感謝したことがあっただろうか。
アイゼンを外す。
いやはや……
普通に死ぬかと思った。
(冬山に登ってる人たちはどうかしてるんじゃないか?)
安心感に溢れた母なる大地を踏みしめて、また登り始める。
湖があった。
山頂にアタックする人への天からの恵みに思える。
(リフト……?)
風鳴ヒュッテに到着。
ここは秋田の高校の山岳部に起きた悲劇がきっかけとなって作られた。
昔と違い、今は情報も道具も優れているのだ。
自分もしっかりしなくては。
岩だらけな道を登る。
全然栄養補給してなかったのでグミを食べつつ。
ここを登ればいよいよ山頂だ……!
岩木山山頂、到着。
石鎚山の敗北からどれだけ経ったかわからないが、やり遂げた。
時刻は12時ジャスト。
4時間で山頂というのは間違っていなかったようだ。
さて……山頂からの景色は……!?
いやまあわかってたけども。
おや、これが下からズームしたときに見えていた祠(ほこら)だろうか。
というわけで目的は達成した。
さあ、帰るとしよう。
山登りは下山のときこそ注意しなければならない。
滑りやすいしバランスも崩しやすいから。
今まで以上に気を引き締めて行こう。
・・・
いや……帰る……?
どうやって帰るんだ……?
自分はそもそもあんな雪渓があるとは思っていなかった。
(アイゼンはなぜか持ってきてたけど)
当然帰り道は行きと同じ登山道を使用するつもりだったのだが……。
あの雪渓を”下る”だと……?
いやいや、死ぬ死ぬ。
今の疲れた自分なら3倍の確率で死ねる自信がある。
……そして辺りは雲に包まれていく……。
一体、どうなってしまうのか!!
次回へ続く……
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