【つながる旅行記#106】岩木山登山part.3 ~許して~
前回はどうにか恐怖の雪渓を越え、山頂までたどり着くことに成功した。
しかし帰り道はどうするのか。
あの雪渓を下るなんて今の自分には到底不可能だ。
雲に視界も遮られ、もはや絶体絶命。
帰れるのかこんな状況で……!?
わぁ綺麗。
「速攻で雲晴れたじゃねぇか」とツッコミが入ったことだろう。
しかし山頂の雲のスピードたるやすごいものがあるのだ。
晴れたと思いきやまた雲が覆い、そしてまた晴れるの繰り返し。
なんだか良い感じに弘前の風景が見える。
あぁ、この達成感を携えて、早く下に降りたい。
しかし本当にどうしたものか……。
実は自分が登ってきたもの以外にも、あれこれ登山道は存在する。
しかしそれらの現在の状況だってわかったものではない。
うん……やっぱり安全第一だ。
下手な新ルートは危険だろう。
自分の命が大事なのもそうだが、もし怪我でもして他人に迷惑をかけたら、ソロ登山者が叩かれる要因にもなってしまうかもしれないのだから。
じゃあやはり来た道を慎重に……?
そんなことを考えていると、
なんだか軽装の人が多いことに気づく。
自分は死の恐怖すら感じたこの山に、そんな装備で大丈夫か……?
いや、まてよ……?
繋がった。
下で見た岩にあった、「リフトへ」の文字。
この山には、スーパー簡単ルートが存在する……?
!!?!?
めっちゃ道路繋がってるーー!!!
そして道路を登りきっての駐車場から、リフトも繋がっている!!
山頂付近にやけに軽装な人がいたのはこのためだ。
車とリフトを使えば、山頂にはちょっと歩けば行けるのである。
……い、いや、別にいいと思うよ?
自分は難関を越えるのが目的だったわけだし?
リフトは体力ない人でも岩木山を楽しめる良い仕組みだと思うし?
さて……。
決まったな。
リフト最高!!
下には駐車場も見えた。
なるほど。車でこんなところまで来られるとは。
ふぅ……。
人類の英知、最高だなって。
……ま、まあこういう登山もあるよね!
安全第一。死にたくないし。
……さて、バスが来るまでは30分ほどある。
歩いて降りようかなとも思ったのだが、
実はあのくねくねした道路は徒歩厳禁なのだ。
というわけでぶらぶら辺りを歩いていると……
登山道があった。
へぇ、ちゃんと徒歩で降りる手段もあるのか。
……こっから行っちゃう?
カロリーメイトを手に、「頑張るぞ!!」と写真を撮る自分がいた。
危機を回避する選択をしたと思いきや、また未知の場所へ飛び込む。
どうやら頭が悪いようだ。
下山編へ続く……
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