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チェコの葬式・宗教事情【日経テレ東大学】

家の葬式で色々あって坊さんへの信頼がゼロになったので、自分の家の宗教を自分の代で消滅させたい願望が高まった。

結果、仏教の由来をあらためて学んでいる。
いや、学んでいるって言っても本読んでるだけだけど。
しかも消滅させる理由を確定させるために。(どんなモチベだ)

ちなみに、ポッドキャストの「ついてるブッククラブ」でよさげな仏教学習の本を紹介してくれていたのがやる気の出た要因の9割だ。

相変わらず自分は単純な人間だなと思う。

今のところ5分の3くらい読んだが、わかりやすく仏教の流れを教えてくれる素晴らしい本だ。そのうち記事にしたい。


そんな日本仏教への批判葬式のあり方に揺れていた今の自分だが、暇つぶしにと見ていた以下の動画でチェコの宗教事情と死生観について触れられていた。

チェコの場所すらよく知らない自分ではあるが、なかなか興味深い話だったので、なんとなく内容を以下に抜粋してみた。


【動画より郷堀ヨゼフ氏の部分を抜粋】

・チェコは現在、宗教離れが進んでいる。

現世で全てを完結する価値観を持つ人々が非常に多くなっている。

・(そういう人は)葬式はしなくていいし、墓だっていらないと考える。

・郷堀ヨゼフ氏(発言者)が病院で勤めていた頃、「もう容態が危ないので病室に来てください」と家族に連絡しても誰も来ない。一人ぼっちで死んでいく患者は山ほど見てきた。

元気な頃楽しかったのだからそれで良かったじゃないかと割り切っている感覚がある。

・容態が悪化して死にそうな時点で、もう死の世界側に行っているのだと考える。

・というかもう死後の世界なんて発想は要らないし、死後の世界関連を重く考えていない。

・当然墓参りだってしないし、火葬した遺骨は墓地の一角に散骨して終わり。

・チェコには仏壇やらもないので、お墓もなくした場合は死者との接点は完全に消える。

・チェコの全員がそうというわけではもちろんないが、墓を持たない、葬式をしない家族の割合はどんどん増えている

・チェコがそうなったのは、戦後の独裁政権のときに宗教が社会から排除された期間が40年続いたのが原因としては大きいだろう。

・「死後の世界なんてない」と教えられてきた人たちが今まさに死に直面しているのでこんな状態になっているようだ。(他にも要因はあるだろうけど)

・死をどうでもいいと思うことは、現実での生き方にも関わってくるので、問題が出てくればこれからまた変わっていく可能性はある。

・小説「すばらしい新世界」では、死による苦しみをソーマという薬で克服した世界の話を書いているが、「死をなくした」ことで「人間の生きる意味がなくなる」ことについて、一つの答えがあるような気がする。


・・・

なるほど。

チェコがこんな事になっていたとは思わなかった。

日本人のなんちゃって無宗教とはわけが違うようだ。
まさかガチで葬式をやめているとは。

前にミイラの本を読んだとき、村の入口に先祖のミイラを見張り役として置いてあるというなんかすごい文化が載っていたが、そういう物理的に残していく文化の真逆を行くのが今のチェコだといえる。

モノすら残さないとなると、確かに思い出す機会は相当減りそうだ。


今まさに仏教の本を読んでいる自分としては、完全に宗教から離れた人たちがどうなっちゃうのかは怖いような見てみたいようなではある。

仏陀(ゴータマ)の作った原始仏教から変容した中国仏教、そしてそれが伝わり更に変化を加えた日本仏教は、現世統治のツールとして使っている部分は実際ある。

日本人だって子供の頃から「悪いことをすると地獄に行く」的なことは教えられて育つので、多かれ少なかれ宗教の影響はあるのだ。

それすらない人たちはどんな現実の生き方をするのか。

なんでもありになるのか、それとも意外と善良に生きるのか。


葬式に関してははっきり言って日本人だって簡略化の流れに向かっているのは間違いない。
例のウィルスという環境要因はあれど、最近小規模な葬儀をした多くの人は「もう家族葬でも良いかも…?」と思ったんじゃないだろうか?

自分は家族葬の方が故人と向き合える時間が多かったように思ったし、親戚だのなんだのを迎え入れるためにヘトヘトになっていたかつての葬儀と比べて、ずっと良かったと思っている。

そこからさらに進めば、
信仰してもいないのに、お経に意味があるのか?
そもそも葬式なんているのか?

なんてことになるのはあり得る未来だと思う。

実際自分は仏教の流れを学んでいる途中ではあるが、葬式仏教からの離脱を真面目に検討しているわけで。

チェコのこの状況は、日本の未来の姿かもしれない。



……まあ、まだ上で挙げた仏教の本すら読み終わってない自分があれこれ言うことでもないのかもだけど。

まだまだ知らないことが多すぎる。


郷堀ヨゼフ氏の話をもっと聞きたいなと思った。チェコ要素多めで。

本もKindle版とか出してくれたら嬉しいなって……。


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