【夏】青木ヶ原樹海を散策する夏休み【音】
前回は富岳風穴で束の間の冷気と養蚕知識を得た。
では今回は青木ヶ原樹海の中を歩いて、鳴沢氷穴へと向かおう。
車で行ったらあっという間なのだろうが、こういう散策もいいものだ。
なお富岳風穴から鳴沢氷穴へ向かう樹海ルートの入口は、チケット売り場の横にある。
まあ青木ヶ原樹海の中と言っても、道はちゃんと整備されているので迷うことはない。
とはいえ山の中ではあるので、まともな靴で来るに越したことはないだろう。
相変わらずの苔と樹木が織りなす風景を楽しみつつ歩いて行く。
……キノコとかも見つつ。
ああ、日頃の生活で足りていなかった自然の空気やら微生物やらが心地よい。
(やっぱり人間はたまには森に行かなきゃ駄目なんじゃなかろうか?)
そういえばと気温をチェックすると、樹海内は24.5℃のようだ。
なんだか数値的には涼しそうではあるが、体感としては普通に暑い。
もちろん動いているからというのもあるし、湿度が高めな感じも正直あるのでそのせいかもしれない。
真夏の太陽に照らされた中の登山と比べたら、ずっとマシではあるが。
しかし確かにこれは、整備された道がなかったら一瞬で迷いそうではある。樹海はどこもかしこも細い木ばかりで目印が少ない。
(たまに変な木はあるけど)
そういえば1ヶ月ほど前に、「旅行先で音を撮るのってイイよね…!」という記事を書いたのを思い出した。
その時しか聴けない音をしっかりと残すのって大事だよという提案である。
それを自分がやらないんでどうすんねんということで、『樹海の音』をしっかり残すべく、録音を開始。
……まあスマホレベルのマイク性能なので音はそれなりになってしまうだろうが、それもまた味である。
周囲の音だけを撮りたいので、スマホを地面に置いたら、
自分は静かに佇むことに徹する感じで……
……するとどうだろう。
いままで自分の足音と混じり合ってしまっていた環境音がしっかりと聞こえてくるようになった。
鳥、セミ、木々の音、遠くで騒ぐ子供の楽しそうな声……
ちゃんと”聞こう”という態勢にならなければ、本当の意味での環境音は実感できないのかもしれない。
これは今しか撮れない貴重な音が撮れた気がする。
初めての樹海での、思い出の音――
さて、そんな樹海の環境音を是非皆さんにもお聞かせしたいところなのだが……
この記事を書いている9月5日の早朝、スマホが壊れました!!
つまり、思い出の音は消えました!!
奇跡的に数日前に写真データだけは移していたため、この樹海記事は書けているものの、ショックすぎてなんかもう腹の調子が悪い。
・・・
それはともかく、続きを書こうか…… (´;ω;`)
歩き始めてから40分は経っただろうか。
なんだか道が小綺麗になってきた。これは出口が近いのかもしれない。
あ、出口だ。
そんなわけで、樹海を越えて鳴沢氷穴に到着。
あぁ、この火照った体を早く洞窟で冷やしたい……!
……そういえば、樹海というと必ず付きまとう例の看板があった。
皆さんご存知だろうが、青木ヶ原樹海は自殺者が訪れる場所として有名なのだ。
富岳風穴の方にこの看板があったかどうかはよく覚えていないが、世間ではそういう扱いの場所なんだよなというのを再認識する。
なお、青木ヶ原樹海がそういう場所として認識されるようになったのは、松本清張の推理小説である『波の塔』(1960年)にて、樹海に消えるラストが描かれたのがきっかけだと言われている。
小説がきっかけになっているなんて、まさにウェルテル効果の実例だ。
ともあれ小説発表後に樹海での自殺の模倣が始まってからは、山梨県は対策予算を数千万規模で確保して、自殺者を少しでも減らそうと日々対応が続いている。
自分も含めて松本清張の小説のことは知らない人が多いだろうが、今ではYoutuber等が樹海を動画ネタとして面白おかしく扱ったりしているので、樹海の負のイメージは次の世代にも変わらず受け継がれている。
正直自分が樹海を実際に歩いてみた感想は、その辺の森とは違う独特な植生がなんとも良い感じの森であり、負のイメージで覆ってほしくないのだが……。
……まあでも、自分も以前、命を断とうと思った事がある人間だ。
これについて論じたり、思い詰めた人たちに何か言葉をかけてあげるような立場でもないのかもしれない。
だが自分は、かつて死なずに生きる選択をして良かったとは思っている。
(多くの人の歩んでいるであろう真っ当な人生のレールから自分は明らかに外れてしまったし、今後どんなことになるやら想像もつかないけど)
個人的には誰であろうととりあえず生きといてほしいものだが、きっと難しいあれこれがあるんだろうな……
まあそんな話は置いといて、超暑いのでさっさと鳴沢氷穴へ向かおう!!
しかしなんだか先ほどの富岳風穴とは様子が違う気が……?
平たく言うとめちゃくちゃ混んでいる。
まあ共通券を買った以上、中に入らない選択肢はないわけだが……
この先、どうなっちゃうの!?
次回へ続く……!
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