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【つながる旅行記#174】氷川丸のスイートルームやらなんやらを巡る
では前回から引き続き、氷川丸の中を見ていこう。
こちらは一等客室。
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なんだか船の中なのに普通のホテルみたいな感じだ。
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おっ、あれは青森の八甲田丸でも見た飾り毛布!(#14参照)
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飾り毛布の起源は不明らしいが、1900年頃に始まったサービスとされる。
そのソースとなる最古の記録が、日本郵船の発行した『郵船図会』で紹介したものだそうだ。(Wikipedia調べ)
飾り毛布は折るのが大変なのだが、今でもまだ一部では続けられている文化らしい。
……そして、この一等客室を越える部屋が氷川丸には存在する。
それが一等特別室だ。
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見るからに普通ではない部屋の装飾!
この部屋は、皇族やチャップリンなどの著名人が利用したという。
客船にもスイートルームがあったのか……!
※参考:にっぽん丸のスイートルーム↓
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選ばれし者だけにしか使えない部屋を見れて何だかお得な気分になりつつ、外へ出る。
風が気持ちいい……っていうか強いな。
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陸側を見ると、強風のせいかユリカモメが同じ位置でホバリングしていた。
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風が吹いているとこんなことになるのか。
なんだか網を伸ばせば捕まえられそうだ。
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遠くには薄っすらとスカイツリーが見える。
(ここからスカイツリーまでの距離は32.6kmらしい)
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それでは操舵室の中へ。
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氷川丸の「氷川」は、埼玉県大宮市の氷川神社から来ているそうだ。
船と神社はなかなか切っても切れない関係なのである。
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年越しの際には、氷川丸を始めとして横浜港のいくつもの船が新年のお祝いに汽笛を鳴らすらしい。
これが日本の音風景100選に選ばれているとか。
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ちなみに日本の音風景100選には、「ねぶた・ねぷた祭り」や、「奥入瀬の渓流」、「チャグチャグ馬コの鈴の音」など、この旅行記で関わりのあるものもたくさんある。
この100の音を制覇する旅をしている人も世の中には居るのかもしれない。
……さて、舞台は機関室へ。
これほどの巨大な船を動かすエンジンは一体どんなものなのだろうか?
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ちょっと見えているこのエンジンは、デンマークのB&W社によるもの。
1930年当時の最新ディーゼルエンジンなのだが、幅も高さも尋常ではない。
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なんとエンジンの全体をチェックするためには、階段を上り下りしなきゃいけない程の大きさなのだ。
これほどの船を動かすには、エンジンもこれだけの大きさが必要ということなのだろう。
そう考えると、戦艦とかはもっと凄かったんだろうか。
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きっとエンジンが動いていたら凄まじい轟音なんだろうな……。
耳とか大丈夫だったんだろうか。
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……さて、こちらのドミトリーな感じのお部屋は三等客室。
ベッドが1部屋に8つも入っている。
ひと目見て一等客室とはかなり様相が違うのがわかるが、三等客室のエリアは他とは完全に隔離されており、自由な行き来はできなかった。(見学申込みが必要らしい)
そして食事内容ももちろん違って、一等のなんかすごい料理とは打って変わって、焼き魚などの日本の家庭料理だったらしい。
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自分が今読んでいる高橋是清の自伝では、サンフランシスコへ行ったときの外輪船の話が載っているが、そこでも上等と下等という区別があったようだ。
上等と下等は雲泥の差があり、下等では食事もブリキの桶に出され、是清はそれを「下等の食物」と文句を言っていた。
もちろん氷川丸の時代にはもうそんな酷い環境ではなかったんだろうけど、どうにも昔の話を聞く度に今の環境は素晴らしいなと思わされる。
ちなみに下等の部屋だった是清は、上等の部屋を選択した知り合いの部屋で果物やお菓子を食べたり(知り合いに許可は取っている)、上等の客が食事でいない間に上等のトイレに潜入して用を足していた。(下等のトイレがヤバすぎて使いたくなかったらしい)
福沢諭吉も自伝の中で色々と問題行為をしていたが、やはり偉人というものはルールになど縛られないようだ。
自伝のこの後の展開も楽しみだな……!
なんだか話が逸れてきたところで、次回へ続く…
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