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【戦隊】戦隊とジェンダー

小さな私が大好きな戦隊をわざと避けていたお話です。

戦隊は男の子のモノでしょ

幼少期の私は

皆を引っ張り、
誰よりも1番に敵に立ち向かうレッド、

敵を倒し平和な地球を取り戻すという
途方もない大きなゴールに向け
お互い切磋琢磨しながら
人としても成長を遂げていくカラフルな
チームメンバーが繰り広げる物語、

スーパー戦隊が大好きだった。

でも、
どの戦隊だったか思い出せない。

鮮明に覚えている記憶は
「○○ちゃん(私の名前)、○○ジャーが好きなの?男の子みたいー」
と言われたこと。

転勤族で
幼稚園2回、小学校3回、中学校1回の
プロ転校生だった私は

周りの色に合わせることが
友達をつくる手段であると考えており、
人と何か違うことをしているという状態は
万死に値するものだと思い込んでいた。

そのため、
私たちは女の子なのに
男の子向けのモノを見ている変な子

言われた気がして
(おそらく、
その子はそんな悪意は込めていない。
無邪気に指摘しただけ。)

子どもながらに
戦隊を好きな気持ちは捨てなければと
自分を諭した。

その後は
セーラームーンやジャニーズなど
いわゆる女の子が通る好きなの王道を
進み、
結婚、出産を経験。

転機は
長男が保育園でリュウソウジャーを
お友達に教えてもらってきたあの瞬間。

この文脈だと
無理矢理、セーラームーンとジャニーズを好きになった感があるが、
全く違う。

セーラームーンは私の人格形成の8割以上を担ってくれ、
ジャニーズは今でも私の目と心を支えてくれる
。長くなるので、別記事を作成しようと思う。)

男の子ママだからしょうがなく見てるのよ

リュウソウジャー2

「ママー、リュウソウケンが欲しい~!!」

これまでアンパンマンやトーマスを愛でていた長男が
ついに戦隊という存在を知った。

長男に戦隊を見せたいと思いつつも、
男の子だから手放しで戦隊を楽しめる長男への
嫉妬心からか(大人気なさすぎる…)
見せてこなかった。

そこからは、元々、ヲタ気質の私は
どんどん沼にはまり、
急速にリュウソウジャーにのめり込んだ。

でも、あくまで
息子が大好きだから、しょうがなく
毎週録画をし、
おもちゃを集めたりしているという男の子ママを演じた。

会場の「頑張れ」が幼少期の私の想いを解放してくれた

戦隊は
最終回が近づいてくると、
Gロッソでのショーに
素顔の戦士として
演じている俳優さん達が出演する特別回がある。
息子のためという理由を作り、
Gロッソへ会いに行った。

想像していたのは
昔のデパートの屋上などでやっている
子ども向けのゆるい感じのショーだったので
料金を取られることにうーんと思っていたが、
そんな考えをしていた過去の自分をぶん殴りたいほど、
エンターテインメントなショーだった。

リュウソウジャーたちが倒したドルイ兵たちが
天井から床に命綱なしで飛び降りたり、
素顔の俳優さんから、一瞬の変身でリュウソウジャーが出てきたり。

そして、
リュウソウジャーが窮地に立たされた時、
会場のどこからか「頑張れー!!」という
小さな女の子の声が聞こえてきた。
そこから、連鎖するように、
会場の子供たちや大人たちもが「頑張れー!!」とリュウソウジャーを応援していた。
普段引っ込み思案な長男も
自分の最大の声量で応援していた。

私も
その波に紛れて
しょうがなく息子に付き合っているママとしてではなく、
無意識に、イチ個人として
陣痛に耐えて出した声量と同じくらいの最大のボリュームで
リュウソウジャーを応援していた。

ショーの終盤、
私は涙目になっていた。

私自身がリュウソウジャーにエールを送れたことで
自分の”好き”という気持ちを
捨ててしまった幼少期の自分を
抱きしめてあげられた気がした。

このショーをきっかけに
自分自身が戦隊モノが大好きということを
周りにも公言するようになり、
無事に東映特撮ファンクラブにも入会したりと
戦隊ライフを楽しんでいる。

色んな種類の”好き”が溢れるこの時代が大好き

今や
長男も「ママの好きな戦隊みていいよ~」と
チャンネル権(うちはchromecastで動画をみる)譲ってくれる。

寂しいことに
最近息子はポケモンの沼にいて
戦隊沼タイムが減少傾向にあるが…。

メンズがメイクやネイルを楽しんだり、
女性が一人で力仕事などもこなすキャンプを楽しんだり、
ひと昔前の固定概念に問わられず、
自分自身の”好き”を大切にして良い時代だったなと
戦隊はまたひとつ私に学びをくれた。

息子たちにも
あのショーの会場にいた小さな女の子のように
自分の”好き”には正直に、
また、人の”好き”を応援できるような人に
なっていってほしい
と思う。

つい熱くなり長文になってしまいましたが、
最後まで読んで下さりありがとうございました!!

追記
そのショーで息子は
ドルイ兵に抱っこされそうになったのがトラウマで
もうあそこ(Gロッソ)には行きたくないと
切ないことを言います…。

#戦隊 #主婦 #育休 #育児 #ママ #ジェンダー #Gロッソ

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