嗣人

兼業小説家。『夜行堂奇譚』『夜行堂奇譚 弐』[夜行堂奇譚参』『夜行堂奇譚肆』好評発売中…

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兼業小説家。『夜行堂奇譚』『夜行堂奇譚 弐』[夜行堂奇譚参』『夜行堂奇譚肆』好評発売中です。メンバーシップは裏話的なのや色々読めます。 前半は無料作品ばかりなんで、そちらからどうぞ。※朗読をしたい方は必ず事前に許可を取ってください。

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梅雨の紫陽花から名前を取りました。 夜行堂を含めた作品群を更新していきたいと思います。 毎月更新:夜行堂亜譚or実話怪談or小噺 不定期更新:夜行堂奇譚シリーズ・万年猫シリーズ・化物曼荼羅・夜行堂小噺 毎月抽選で限定グッズプレゼント(栞など)あり。希望者のみ・指定の郵便局留で送付します。

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    神様シリーズをまとめてます。 勿論、無料です。

  • 和紗と鯤

    カノさんhttps://twitter.com/qanopus?s=21のイラストから着想を得て、名前を吹き込んで貰い、シリーズ化しました。 カノさんフォローお願いします🤲

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今月は夜行堂奇譚の無料新作を上げます! 必ず!きっと!おそらく!たぶん!

    • プロフィールというほどもないもの。

       改めまして。  嗣人と申します。  プロフィールのようなものを作っておこうかと思いまして、作り始めた次第であります。  生まれも育ちも熊本県は荒尾市。玉名の工業高校を卒業して温泉県の大学に通いまして、西洋史専攻の癖に民俗学研究室に入り浸っておりました。  就職の為に福岡に出てきて、以降、現在に至るまで福岡県民として生きておりますが、熊本県民の誇りは忘れたことはありません。故郷の荒尾市に行くのは年に一度程度ですが、懐かしの書店さんやパン屋さんへ顔を出しております。  小説家

      • 小噺《好々餃子》

         私の生まれ育った家庭では餃子は家で食べるものではなく、中華料理店で家族と食す一品に過ぎなかった。数ある中華料理の内の一皿に過ぎず、空芯菜などの皿と同様にメインの料理に彩りを加える惣菜といった立ち位置だった。  しかし、それは我が家の常識であり、他家の非常識であったらしい。 「餃子はメイン料理だろ? 餃子を食う時には餃子が主役! 米と餃子だけでいいの。今夜は家で餃子にしようぜ」 休日の昼間に二人でなんとなしにテレビを眺めていると、地方のB級グルメ特集が始まり、宇都宮地方

        • 2024年1月 メンバーシップサイン本抽選結果

           新年あけましておめでとうございます。  そう安易にお祝いの言葉を口にするのも難しい出来事が本日起こってしまいました。  石川県の能登半島を震源地とした地震が元日の夕方に発生、多くの被災者の方が今もなお大変な困難の中にあります。  そんな最中に不謹慎という声もあるかも知れませんが、私は私のすべきことを成そうと思います。

        今月は夜行堂奇譚の無料新作を上げます! 必ず!きっと!おそらく!たぶん!

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        • 夜行堂奇譚肆、脱稿しました。

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          小噺《好々餃子》

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           私の生まれ育った家庭では餃子は家で食べるものではなく、中華料理店で家族と食す一品に過ぎなかった。数ある中華料理の内の一皿に過ぎず、空芯菜などの皿と同様にメインの料理に彩りを加える惣菜といった立ち位置だった。  しかし、それは我が家の常識であり、他家の非常識であったらしい。 「餃子はメイン料理だろ? 餃子を食う時には餃子が主役! 米と餃子だけでいいの。今夜は家で餃子にしようぜ」 休日の昼間に二人でなんとなしにテレビを眺めていると、地方のB級グルメ特集が始まり、宇都宮地方

          小噺《好々餃子》

          2024年1月 メンバーシップサイン本抽選結果

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           新年あけましておめでとうございます。  そう安易にお祝いの言葉を口にするのも難しい出来事が本日起こってしまいました。  石川県の能登半島を震源地とした地震が元日の夕方に発生、多くの被災者の方が今もなお大変な困難の中にあります。  そんな最中に不謹慎という声もあるかも知れませんが、私は私のすべきことを成そうと思います。

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          「子声手家」

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           早朝一番にやってきた依頼人は県営マンションに暮らす二十代の若い夫婦で、須川さんと言った。 「最初は、物置にして使っていない部屋から物音がしたんです」  酷く怯えた様子で話す奥様はお腹が大きく、聞けば妊娠七か月だという。家を建てるまでは引っ越したくないので、物音をどうにかして欲しいということだった。 「妻の妊娠が判明する、少し前から起こり始めたんです。いつの間にか家のあちこちから気配を感じるようになって。子どもの笑い声が聞こえたりするんです。まるで小さな子どもが家の中に棲みつ

          「子声手家」

          実話怪談「ブルーシート」

          「猪鹿蝶プラン」に参加すると最後まで読めます

           Kさんから聞いた話をしようと思う。    大学時代からの友人である彼は、大学進学の際に鹿児島から大分へと移り住み、アパートで一人暮らしを始めた。卒業し、勤め人となってからも引っ越すことはなく、十年近く同じ部屋に住んでいた。特に理由もなかったから、という彼は一事が万事こんな調子で、あまり変化を好むタイプの人間ではない。  そんな彼が、つい最近とうとう引っ越した。聞けば家に幽霊がやってくるからだ、という。

          実話怪談「ブルーシート」

          夜行堂亜譚 残香

          「猪鹿蝶プラン」に参加すると最後まで読めます

           私がまだ小学生だった頃の話だ。  当時、私の家は学校から徒歩で30分ほどの場所にアパートを借りて暮らしていた。  そこには歳の近い子供がたくさんいて、みんなでよく近くの空き地で鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたりして遊んだ。夏の季節なら、それこそ陽が暮れるまで遊んでいたのをよく覚えている。  男の子も女の子もいたけれど、女の子同士で遊ぶのはやはり楽しかった。それぞれが自分の大切な人形を家から持ってきて、空き地に広げた敷物の上でお人形遊びをするのが、何よりも一番好きだっ

          夜行堂亜譚 残香

          満月拉麺

          「猪鹿蝶プラン」に参加すると最後まで読めます

           「そういえば、満月ラーメンのことを知っているかい?」  夜行堂の依頼を終わらせて戻った私たちに、店主は煙管の煙を吐きながらそう言った。  疲労困憊、既に時刻は日を跨いでしまっている。千早君などはもう白目を剥きかけていたのだが、ラーメンという言葉に急に目を輝かせた。 「知らねぇ。なに、それ。曰くつきのラーメン屋とか?」  曰くつきのラーメン屋になど行きたくはないが、活力を取り戻したことは良いことだ。おかげで車まで背負って行かずに済む。 「屋敷町に夜な夜な出没するとい

          満月拉麺

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          「実話怪談」踏みつけるもの

           大分県某所。  時代は昭和三十年頃。  仮に、佐山さんとしておく。         ◆  彼がまだ地元で学生をしていた頃、今は使われなくなった県道に面した想念寺という寺院の裏手に、とかく評判の悪い家があった。  石見家という。  老いた両親と中年の息子が暮らしていたが、とにかく素行が酷かった。父親の方は金に困ると隣近所へ借金を頼みにやってきて、小銭でもなんでも幾らか渡すまで帰ろうとしない。母親の方もやれ醤油が足りない、味噌が切れた、と言ってはにこやかに家にやって

          「実話怪談」踏みつけるもの

          「子声手家」

           早朝一番にやってきた依頼人は県営マンションに暮らす二十代の若い夫婦で、須川さんと言った。 「最初は、物置にして使っていない部屋から物音がしたんです」  酷く怯えた様子で話す奥様はお腹が大きく、聞けば妊娠七か月だという。家を建てるまでは引っ越したくないので、物音をどうにかして欲しいということだった。 「妻の妊娠が判明する、少し前から起こり始めたんです。いつの間にか家のあちこちから気配を感じるようになって。子どもの笑い声が聞こえたりするんです。まるで小さな子どもが家の中に棲みつ

          「子声手家」

          実話怪談「ブルーシート」

           Kさんから聞いた話をしようと思う。    大学時代からの友人である彼は、大学進学の際に鹿児島から大分へと移り住み、アパートで一人暮らしを始めた。卒業し、勤め人となってからも引っ越すことはなく、十年近く同じ部屋に住んでいた。特に理由もなかったから、という彼は一事が万事こんな調子で、あまり変化を好むタイプの人間ではない。  そんな彼が、つい最近とうとう引っ越した。聞けば家に幽霊がやってくるからだ、という。

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          夜行堂亜譚 残香

           私がまだ小学生だった頃の話だ。  当時、私の家は学校から徒歩で30分ほどの場所にアパートを借りて暮らしていた。  そこには歳の近い子供がたくさんいて、みんなでよく近くの空き地で鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたりして遊んだ。夏の季節なら、それこそ陽が暮れるまで遊んでいたのをよく覚えている。  男の子も女の子もいたけれど、女の子同士で遊ぶのはやはり楽しかった。それぞれが自分の大切な人形を家から持ってきて、空き地に広げた敷物の上でお人形遊びをするのが、何よりも一番好きだっ

          夜行堂亜譚 残香

          満月拉麺

           「そういえば、満月ラーメンのことを知っているかい?」  夜行堂の依頼を終わらせて戻った私たちに、店主は煙管の煙を吐きながらそう言った。  疲労困憊、既に時刻は日を跨いでしまっている。千早君などはもう白目を剥きかけていたのだが、ラーメンという言葉に急に目を輝かせた。 「知らねぇ。なに、それ。曰くつきのラーメン屋とか?」  曰くつきのラーメン屋になど行きたくはないが、活力を取り戻したことは良いことだ。おかげで車まで背負って行かずに済む。 「屋敷町に夜な夜な出没するとい

          満月拉麺

          明太子パスタ 嗣人レシピ

           私は九州は火の国、熊本県に生まれ、炭鉱の町荒尾市で育ち、いずれは故郷に錦を飾ろうと決意して大学進学を機に地元を離れたが、大分県は別府市のお湯に浸かる内に、固い決意はお湯に溶けきり、ひと目惚れした彼女(現在の妻)と一緒になりたいが為に福岡県で就職し、そのまま福岡県民として生きていくことになった男だ。  地元の友人たちはライバルである福岡県へ越していった私を「裏切り者」「非県民」と飲み会の度に罵るが、これについては釈明のしようがない。しようがないので開き直って福岡の良いところ

          明太子パスタ 嗣人レシピ

          花鏡游月

           この世の憂さを晴らそうと呑む酒ほど、虚しいものはない。  酔いが覚めてしまえば、現実に打ちのめされるだけ。  茹だるような夏の夜に、ひとり虚しく酒に溺れている自分が酷く情けなかった。恋人を作り、家族を設けている友人たちが立派な大人に見え、そうではない自分は子供のままのような気がしてならない。  電信柱の影に蹲りながら、悪態を吐く自分の有り様が嫌になる。頭は痛むし、指先は痺れる。このまま死んでしまいたい、と何度思っただろう。  不意に、どこからか笛の音が聞こえてきた。

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          花鏡游月

          万年猫 第二話

           栄誉ある干支の座を猫と争い破れ、地上へ追放されて数千年。  今日も今日とて、天帝からの便りはない。  これは、私が秦という国に住んでいた頃の話だ。    陽という街に李甚という老人が住んでいた。かつては一軍の将として名を馳せたが、王に諫言して不興を買い、役目を解かれたという。 「武人たる者、常に備えを怠ってはならん」  中庭に面した縁側で日向ぼっこをしている私に話しかけているのか。それとも独り言か。この老人は暇があれば身体を鍛え、武器の手入れをしている。戦斧を構

          万年猫 第二話

          「夜行堂亜譚 坩堝」

           特に、これといった目的があった訳じゃない。  誰が言い出したのか、今となってはもう思い出すことさえできないが、肝試しに行かないか、という話になったのだ。    ツーリングの帰り。休憩の為に立ち寄ったSAで缶コーヒーを飲みながら、暇を持て余した大学生が七人、何か面白いことはないものかと考えた結果がこれだった。真夏の夜のイベントとして、これ以上のアイディアはない。蒸し暑さも吹き飛ぶというものだ。  私を含めた全員が賛同し、では何処へ行こうかと話し合う。  せっかく隣県の端まで来

          「夜行堂亜譚 坩堝」

          夜行亜譚 《声》

           私は普段、看護師として病院で働いている。  山間部にある小さな町の総合病院。待合室にはお年寄りの患者さんが世間話をしに殆ど毎日のようにやってくる。過疎が進んでいることもあり、およそ若い患者さんがやってくることはない。産科に訪れる妊婦さんの数も、駅前に小さな小児クリニックと産婦人科のクリニックが開業してからは、目に見えて減ったように思う。  それだけを聞くとさぞ勤務も暇になっただろうという人もいるが、病院であっても、需要が減れば供給も減少する例に漏れることはない。  病

          夜行亜譚 《声》

          飢餓満漢

           高速道路のサービスエリアについた私たちは、震える足を叱咤してなんとか車外へと出ると、疲労と眠気に襲われる身体を起こすべく、大きく背伸びをした。現場からここまで大した距離ではないのだが、今回の案件は本当に心身共に疲れ果てた。今、目の前に完璧にベッドメイクされたベットがあれば、たとえ人前であってもすぐさま潜り込む自信がある。  千早君などは背伸びの勢いに負け、尻餅をついてしまっている。呆然と半分ほど意識が飛んでいる顔をしているので、その肩をつかんでグイグイと前後に揺らして覚醒

          飢餓満漢

          琥眼落命《横須賀朗読会書き下ろし作品》

           遠く山の稜線にかかる、鉛色の雨雲を眺める。  腹の底に響く音に耳をすませると、春雷という言葉が脳裏を過ぎった。意味はたしか、春の訪れを報せる雷だったか。雷鳴に驚いて冬眠していた虫たちが驚いて目覚めるというので、別名を『虫出しの雷』というのだと彼女が話していたのを思い出す。      ◇  彼女は私の三つ年上の油画専攻で、いつもキツい煙草の煙を燻らせているような女性だった。中性的で整った顔立ち、体のラインが顕になるような細身のシャツを好み、黒いスキニージーンズを穿きこな

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          琥眼落命《横須賀朗読会書き下ろし作品》