月次決算の高速化
ベンチャー企業のコーポレート部門で働いてきた1年間の棚卸しとして、現職の面白い取り組みや大切にしてきた取り組みをまとめています。
前回は経営理念を体現する取り組みを記事にしました。
今回は月次決算の高速化にチャレンジした時のことをまとめていきます。
前提:メンバー構成
ベンチャー企業の管理部門は言わずもがな、いかに少人数で生産性を上げていけるかが勝負ですね。
特に創業期〜成長期にかけては、セールスやエンジニアの採用に比べて圧倒的に比率が低いです。
私が入社した時が従業員数40名弱で、コーポレートメンバーは部長・マネージャー・私の3名でした。
実際に経理実務を担っていたのがマネージャー1人の状況で、そこに私が加わって2名体制になりました。
月次決算の高速化とは?
・月次決算の速報値を出すために5営業日かかっていたところ、マネージャーが2営業日までに短縮しました
・私が加わったタイミングで更に2営業日→1営業日まで早めることに成功しました
なぜ月次決算を高速化するのか?
・決算を出すことがゴールではなく、経営陣にフィードバックするスピードと付加価値(分析等)が重要になるため、速報を早くあげて分析に時間をかけれるようにします
・月初に決算業務にかかりきりになると、他の業務に割く時間が無くなるため、結果としてルーチンをこなすだけのコーポレートになってしまいます
高速化を実現するための取り組み
①勤怠システムの入れ替え
②毎月発生する費用の一覧表と概算把握
③月初の役割分担の明確化
①勤怠システムの入れ替え
決算速報を出すためには給与計算も月初1営業日で完了させる必要があります。
その給与計算の鍵になるのは勤怠データではないでしょうか?
以前使用していた勤怠システムは手軽さが魅力ではありましたが、従業員数が増えると新たな課題が上がってきます。
例えば下記のような点です。
・打刻エラーした時の本人通知機能がなく、コーポレートからの指摘で本人が修正している
・コーポレートは上記のエラーを個別の出勤簿で確認したうえで指摘している
上記の課題に対して、
・勤怠エラー日を色付きで本人画面に表示し
・メールでもエラーをお知らせする機能があり
・管理画面からエラーを一覧で確認できる
これらの機能をもつシステムに入れ替えました。(おまけにアカウント単価はそのまま)
これによって、月内の勤怠修正がスムーズになり、1営業日の昼過ぎには勤怠を締めることができるようになりました。
②毎月発生する費用の一覧表と概算把握
決算を出すうえで非常に悩ましい存在なのが、月末締めで翌1〜5営業日に費用が確定するものですね。
サブスクのサービスなどは月末のアカウント数を基に費用計算されます。
それらを待ってから月次決算をしていては、到底速報値を1営業日に出すことは出来ません。
そのため、毎月発生する費用を一覧表にし、その月にかかる費用を概算で会計に取り込むことをしています。
月次で大きく数字が変わらないものは前月の金額をベースにしています。
広告のように使用分によって変動が大きいものは、マーケティング部門から月末までに実績を報告してもらいます。
現場の情報をいかに共有してもらえるのかが決算では重要であり、私の働いている会社の強みでもあります。
概算で取り込んだ費用は確定した段階で正しく修正していきますが、速報と確定値の誤差は1%未満の精度まで上がってきました。
③月初の役割分担の明確化
これは基礎中の基礎かもしれませんが、月初を迎える前に都度、業務タスクと担当を明確にしています。
月初には入社対応など別のタスクを抱えることもありますが、それを共有したうえでゴールまでの道のりを明確にします。
都度確認するのがポイントで、他の業務があるから月次決算が遅れてしまいましたというのを防ぎます。
加えて重要なのは2名体制のメリットを最大限にすることです。
一番恐るべきは1名から2名体制になったときに、単に双方の業務が楽になったね。だけで終わってしまうことです。
1名でも2営業日で出来るのだから、2名体制では1営業日という更なる高みを目指すことが重要です。
終わりに
マネージャーも私も経理経験がないところからスタートしています。
それでも知識のキャッチアップと日々の実践により、チャレンジングな取り組みをすることができるのが、ベンチャー企業の良さだと思います。
1日でも1時間でも早くルーチン業務を完了し、新たなことに取り組む時間を増やすこと。
もしくは今の2倍の付加価値(分析や提案など)をつけるためにスピードを上げること。
強いコーポレートを作るための秘訣は高い目標を掲げて絶えず努力していくのみですね。その目標を達成するために必要なのがスピード。スピードにこだわって今も挑戦中です。
コーポレート部門で働く方の参考になりましたら幸いです!!
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