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SBO(スタートアップバックオフィス)の構築について

お久しぶりのnoteです!前回は4年間お世話になった会社に関する振り返りの記事を書きました。

あれからあっという間に4ヶ月が経過しましたが、現在はSecureNavi株式会社のバックオフィス部門立ち上げ・構築をミッションとして取り組んでいます。今回は「SBO(スタートアップバックオフィス)の構築について」というテーマで、入社後にどのような取り組みを行なってきたのか備忘録的に書いていきたいと思います!

🌟この記事をオススメしたい方🌟
・これからSBOとして働く予定がある方、SBOに興味がある方
・経営者としてバックオフィスを兼務している方
・1人目SBO採用を検討している方

はじめに

はじめてに転職先であるSecureNaviについても簡単に触れておきたいと思います。(半分広告でごめんなさい。。。。)
「SecureNaviは情報セキュリティ領域のクラウドサービス(SaaS)を開発している会社です」と説明すると、ウイルス対策やログ分析などの技術よりのサービスをイメージされることが多いですが、企業における情報セキュリティを向上するための、組織的な部分に関するセキュリティを支援しています。文系のセキュリティを取り扱うユニークなスタートアップなんです。現在は文系のセキュリティの中でも「ISMS認証」と「Pマーク」の二つに特化して、これを効率的に取得・運用するための支援をしています。(はい、広告終わります)

組織としては2020年1月に会社設立→2022年1月時点では代表と社員1名。という体制から2023年4月時点で22名まで組織が急拡大しています。おかげさまで事業もユーザー様に支えられて急成長する中で、代表がバックオフィス業務も担当してきましたが、「経理業務が内製で対応できておらずリアルタイムでキャッシュ・試算表が分からない」といった課題をはじめ、バックオフィス周りの課題がたくさんで始めた頃にカジュアル面談にてお会いする機会があり入社に至りました。

なぜSBO構築に挑戦するのか?

なぜ転職してSBO構築に挑戦するのか?という部分について書き出そうとすると長くなりそうなので、「なぜアーリーフェーズのSBO(スタートアップバックオフィス)」として働こうと思ったのか?という部分に絞って簡単に書いてみたいと思います。ぜひこれから採用を検討される経営者の方などのご参考になればと思います。理由を一言で言えば「よりカオスな環境で自分を鍛えたい」という表現になります。これまでは優秀な上司・同僚に甘えている、長年働いてきた職場環境に甘えている、といった部分が少なからずあり、自走・自律・修羅場経験といった観点では我ながら自信ない。という状態にありました。環境を変えることで自らが変わるのか?というと、イコールではないことは重々承知しながらも、20代最後の2年間が本当に勝負だと考え、アーリーフェーズのSBOとして挑戦することを決めました。

また、SecureNaviのようにアーリーフェーズにおけるバックオフィスに課題感を抱えている企業は多く、創業者が苦手なバックオフィスを四苦八苦しながらこなしている姿を間近でみていると、お互いが得意な領域でビジョンの達成に向けて取り組める状態の方が会社の成長角度も高まるのではないかと思います。自分はやっぱり起業家・事業家をバックオフィスから支えることが生きがいなんだなとも再認識しています。

最初のミッションは「月次決算を締める」

入社後真っ先に取り組んだのは経理業務の内製化でした。当時はバックオフィスの専門知識を有している業務委託の方へ丸ごと依頼していましたが、将来を見据えて内製化させていくことや資金繰り・試算表がリアルタイムで反映されている状態をつくること、そして月次決算を締めることがミッションとなりました。

前提として私が恵まれていたのは、バックオフィス未経験ながらとっても頼りになるメンバーと2名チームで取り組むことができる点でした。まずは社内には「月次決算を月初5営業日で締めてレポートを共有する」を目標に掲げて、仕訳から債権債務の管理まで内製対応できるように業務委託の方から引き継ぎながら仕組み化を進めていきました。

具体的に実施した内容

①月初5営業日から逆算したタスク・チェックリストを作成する
②勤怠締めや経費精算期限を前倒しする
③業務委託の方や取引先関係者の請求書提出期限を前倒しする
④1営業日時点で入金確認を完了させる
⑤法人カードをUPSIDERへ切替する

実施するにあたってはnoteを中心に情報収集をしました!当時参考にさせてもらった記事はこちらです!(ありがとうございます!!)

これらの記事を読みながら、まずはゴールから逆算して月次決算を締めるためのタスク期限を決めていくこと、そして関係者を巻き込んで社内の業務プロセスを地道に改善していくことが重要であることが分かりました!

ここから具体的に取り組んだ5つのポイントについて簡単に説明していきます。

①月初5営業日から逆算したタスク・チェックリストを作成する

ぜひ上記の記事を参考にしてもらいたいのですが、まず月次決算が締められていない企業の多くは、「いつまでに・何をすべきか」が決まっていないことが原因ではないでしょうか。SecureNaviについても目安となる締めの時期はあったものの、締めの時期を超えてから請求書を受領することが日常茶飯事でした。まずは月初5営業日から逆算して、各タスクがいつまでに終わっている必要があるのか決めていきましょう。下記は自社の代表的なタスクと期限になります。一つひとつのタスクに理想的な期限を設定して、現状との差分を確認していきます。

月末まで・・・仕訳未処理0件
1営業日・・・経費・勤怠の締日、月末入金の消し込み(未入金チェック)
3営業日・・・前月分請求書の締日(未到着請求書への督促)
5営業日・・・給与計算完了、原価計算、社内レポート作成

②勤怠締めや経費精算期限を前倒しする

③業務委託の方や取引先関係者の請求書提出期限を前倒しする

①で取り組んだ際にかならずネックになるタスクが発生すると思いますが、自社の場合は②・③でした。このタスクは経理側だけでは解決せずに社内協力・社外協力が必要になるため、少しハードルが高いです。しかし、LayerXさんの記事を見て「全員野球」に勇気を得た元野球少年の私は、入社早々という立場ではありながらも関係者の皆様へお願いしました。

私が恵まれていたのは社内外の皆様からのご協力を得られたことができ、5営業日で締めるための最大の課題が解決されました。勿論、ただ単に早く提出を依頼するのではなく、「なぜやるのか?」という目的・背景の説明は行いましたが、それでも企業カルチャーによって苦労する部分だと思います。そういった時にLayerXさんの記事をSlackで事前共有して、ジャブを打っておくのも良いですね!(野球で例えて伝わる時代は普遍だと信じております!)

④1営業日時点で入金確認を完了させる

余談ですが、前職ではマネーフォワード会計を利用→現職ではfreee会計を初めて操作することになり悪戦苦闘していましたが、操作感に慣れてくると入金消し込みなどではかなり効率的に進めていけるメリットも見えてきました。これまで会社課題として債権・債務の管理がうまく出来ておらず、取引先やユーザー様にご迷惑をおかけする機会もありました。そこで当たり前の取り組みではありますが、必ず1営業日時点で入金確認・消し込みを完了させることを徹底しました。これにより通帳の残高と帳簿残高の一致も早くなり、関係者へのキャッシュ状況の共有を早期化することや、入金が確認できない場合の初期対応についても改善されて債権の圧縮に繋がりました。

アーリーフェーズではトップラインには注視しているが、キャッシュフローやCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)まで確認できていない場合があるので、バーンレートやランウェイの把握だけで満足せずに精緻な資金繰りを目指していきたいところです。

⑤法人カードをUPSIDERへ切替する

実は入社初日に商談をお願いして即決で導入を決めたのがUPSIDERさんでした!

入社前に個人の経費精算をクレジットカード貸与で対応している点を聞いてはいたものの、会計システムへの連携やカード発行手数料などの高さなど、工数とコスト面で現行の運用はいつか破綻しそうだなと思い、ご縁があってUPSIDERさんへご相談しました。もちろんサービスの良さや今後の拡張性(下記の記事にもワクワクさせられました!)、信頼できる方がオススメしているのも決め手になりましたが、商談を担当していただいた方がスピード感とハートフルさを兼ね備えており、導入支援を徹底サポートしてくださる点がとても印象的でした!

弊社はフルリモートの働き方で3ヶ月に1回出社日を設けており、その出社日に合わせてカードを配布したいというスケジュールで動いていましたが、手元にカードが届かずに焦っていた時にも親身にできる範囲での対応方法を提示してくださり、無事に社員にも配布することができました!

切り替え後のメリットを改めて挙げておきますと、下記の点になります。
カード上限額を高めに設定してもらえる
⇨会社差はあると思いますが、少なくとも切替にあたり上限額がネックになるケースは少ないと思います
決済後の明細反映がリアルタイム
⇨翌月しれっと反映される明細がなくなるのは最高です(広告費など…)
アプリもリリースされました
⇨クレジットカードで決済した際の領収書をスマホからスムーズにアップロードできます(Slackによるアップロードも可能!)
カード紛失時に管理者が即座に停止処置が取れる。カード毎に上限設定・利用サービスの限定も可能。
⇨セキュリティ対策・誤決済リスク防止にも対応しています

などなど、基本メリットしかない状況なので、ほとんどのスタートアップは法人カードの導入または切り替えを進められていると思いますが、なかなか踏ん切りがつかない方はぜひお話だけでも聞いてみることをオススメします!(会計のアップデートが進みます!)

月次決算を月初5営業日で締めれたらどうなるの?

入社してから1.5ヶ月は業務フローの整備・改善を行い、入社翌々月の月初より月次決算5営業日での締めを実現することができました。(レベル感はまだまだですが、、、)

当初は月次決算をとにかく締めるぞ!!という目標先行型での取り組みを行っていましたが、実際に月次決算を締めた後に経営・本部長とのコスト精査・キャッシュ見込みをレビューすることにより、Burn multipleの改善にも繋がりました!

まだまだ優しくはない資金調達環境の中でキャッシュを意識した経営が重要になると思いますが、しっかりとキャッシュアウトの中身を把握して、利用ツールで使われていないものはないか等を見直すことは1ユーザーの獲得ぐらい貢献できるアクションです。また社内でお願いする時にも「これ見直したらアップセル分の貢献だよね」といった削減マインドより獲得マインドの方がビジネスサイドのメンバーからの理解も得られやすです!!(物事の伝え方にはこだわりたい所存!)

どの業務にも共通しているのは地道な作業の積み重ねでインパクトのある業務が生まれるのであり、インパクトのある業務を生み出すには多くの関係者に協力してもらう必要があるということです。SecureNaviもメンバーをはじめ、採用・労務・法務・税務をサポートしたり助言してくださる顧問・パートナーの方にたくさん助けてもらっており、最高のバックオフィスチームで取り組めていることがSBOの構築を加速させる一番の要因になっています。

ここでは書ききれなかった施策もありますので、これから経理以外のSBO構築についても書いていきたいと思います!また、SBOの構築ではTomoko.Yさんにリアルでも記事にもたくさんお世話になりました!バックオフィスで悩み事があれば参考になる記事がきっと見つかるはず。

ここまで長文を読んでくださった方には感謝です。何かのお役に立てたら嬉しいです!日夜頑張っているSBOの方がいましたら、一緒に頑張っていきましょうね!



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