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[仕事より、仕事道具の話をしよう]キーボードへのラブレター

キーボード、それは仕事の相棒であり、長時間向き合う人生の友であり、そして世にしれた「沼」の一つである。

考えても見ていただきたい、キーボードなしでの生活が想像できるだろうか?全てがフリック入力の世界など、責め苦がどこまでも押し寄せる無限地獄に等しい。逆に、卓越した至高のキーボードがあれば、それだけでも天国に住まうようなものである。

そう、あなたが書家であれば、当然に筆にはこだわるだろう。一流の宮大工が、安物のかんなを使うだろうか?プロ野球選手は、ルーキーの頃から金をかけ、最高の道具を選び抜くのだという。

何が最高の道具なのか

これは、至高とは何か?という神学の命題に等しい。何千年ものあいだ、神学者たちが挑んできた深遠なテーマであり、既に何かしらの結論が出ているのかもしれないが、わたしの頭ではそれを理解する前に寿命が先につきるであろう。つまり、数をためし、比較分析し、次のボードを探し求める。そのような科学的態度こそが、至高の存在へと近づく確実な一歩と考えられる。

キーボード=人生の本質、というテーマについて

このテーマで以前分析したとおり、キーボードとは本質であり、中身であり、そして生きる糧である。そこでの結論IBM Model Mは確かに至高のキーボードであったが、いくつか問題が見られた。

  • 大きい

  • スクロールボタンが無い

  • 大きい

  • うるさい(子供が起きる)

これらの問題点を解消するべく、新たなるエクスカリバーを求める旅は始まった。

安物キーボードが、それなりに動くという事実について

はじめに、こちらのキーボードをあえて挙げておきたい。至急、日本語配列のキーボードが必要になったため、とりあえず買った安物キーボードだ。

お値段2000円程度、しかもマウス付きのお買い得キーボードである。メンブレンキーの見るからに安そうな材質であるが、一通りの機能を揃え、特に今まで問題なく稼働している。普通に仕事をこなす、その上ではこのキーボードは必要十分である。だがしかし、あなたは「必要十分」な仕事ぶりで、満足に生きたと言えるだろうか?この記事をご覧になられている、とてもとても向上心と探究心に満ち溢れたみなさまは、そうでは無いだろう。

ミニマリストを目指して、40%キーボード、Vortex CORE

ミニマリスト、それは必要十分ではなく、必要最小限によって人生の豊かさを手に入れる生き方である。そのような生き方には、テンキーはおろか、ファンクションキー、いや、矢印キーなども不必要といえる。ついでに数字キーも取り払おう。そんなあなたへ、完全にミニマルなキーボードがここにある。

仕事でのメールの長さが半分程度にコンパクトになるキーボードは、これを置いて存在しない。
必要最小限ゆえに「」等を押す気力を排除し、本質的な文章のみが出力される

こちらが、Vortex CORE、いわゆる40%キーボードである。卓越したキーボードであるが、1ヶ月経ってもわたしは完全なる打鍵スピードを手にすることがなかった。こちらを使いこなす境地は、もう少し我が人生において先であると確信した。

ThinkPadトラックポイントキーボードと、その後継機

手前が旧型ThinkPadキーボード(有線)、右奥が新型のThinkPadキーボード(無線)共に英語配列

前回記事でもトラックポイントの素晴らしさ、かけがえのなさは語り尽くしたところであるが、わたしが大学を卒業し暫くして、こちらのキーボードが販売されるにいたった。なんと無線対応であるという。マウスのスクロールボタンがあることも決め手となり、購入したのがこちらのシリーズだ。

が、しかし、無線対応のこちらのキーボード、再接続に時間がかかる上、なかなか認識しないという致命的な障害が発生した。最後は酔い潰れたわたしの背中で大破したため、有線接続に買い換えたのがこちら(手前の方)である。

だがしかし、やはりクリック感はメカニカルには遠く及ばない。「気合」を入れない時用のキーボードに成り下がってしまったのは、その為である。

ちなみに、右奥がその進化系キーボードである、Bluetoothでも、USB端子でも接続がスムーズな無線キーボードで、そして打鍵感が圧倒的に向上している。ノートPCのような雑な打鍵感は、もはや過去のものである。メカニカルキーでなくとも、この打鍵感を作り出せる、その事実はわたしから偏見を打ち払い、さらにキーボードの世界を深める決意を固めさせたのだ。

TEX Shinobiという亜種にして完成形

TEX製キーボード
Webサイトで質問を投げかけると即社長から連絡があった

トラックポイントのライセンスを購入したのは、以前紹介したComp-M社だけではなかったようだ。

こちらのマシンは台湾のメーカー、TEX社が満を侍して発表した、トラックポイントの至高のキーボードだ。以前は自作キットなども売っていたようだが、こちらは完成品である、ついでに Bluetooth追加モジュールを購入し、無線化している。茶軸であり、クリッキーではないが、重厚な反発感あるキーは、あらゆるタイピングが創造性を発揮していることを実感させるのに十分だ。

が、残念なことに会社支給のPCは英語キーボードを正しく認識しない。さらに大変残念なことに、プライベートのPC用にこちらのキーボードを配置してしまうと、会社キーボードを置く机の上のスペースが無くなってしまうのだ。

日本語配列キーボード、Logicool KX800

打って変わって、会社のパソコンに使うのであれば、日本語配列が望ましいという「諦めの境地」に達したわたしが、まず手にしたのがこちらだ。

キータッチは高級なノートパソコンのようで、そしていてフルサイズのキーボードである。ついに日本語配列の至高のキーボードを手にしたかに覚えた私だが、いつしか大変な不満を覚えるに至った。アプリケーション切り替えの、TAB+ALTを押す際に、そのALTキーの位置が標準と体感的に異なるのだ。そして何よりも、会社で仕事をしている感に欠けている。(後に私はこのキーボードを会社に持参し、利用することとなった)

RealForce、日本語入力における真実の力

真実の力

遂に、選び出された最強のフルサイズ、それが「 RealForce真実の力」である。RealForceキーボードの強みは静電容量無接点方式と呼ばれるスイッチによる耐久性、そしてその打鍵感だ。ATMのキーボードで使われているので、あの打鍵感を想像いただきたい。そして何よりも、在宅でありながらオフィスにいるかのような感覚を与えてくれるキーボードだ。

ミニマリストのコンセプトを採用し、不要なものを減らして良い人生を生きることが、そもそもの主題だったのではないか、などという大変記憶力の良い方へ。人生の本質にして、未来を切り開くエクスカリバーは、常に最善の答えを見つめ続ける先に存在する。故に、「最後のキーボード」は、n+1本目という経過地点に過ぎないといえる。

そして、本質を巡る旅は続く。
続編: ファイナルキーボードn本目、LIFEBOOK UH keyboard

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