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【cinema】葛城事件

7/6鑑賞。
三浦友和の演技がすごいという評判だけで観に行きました。これで今年に入って3本目の邦画なんですが、私が年に3回も邦画を見るなんて奇跡に近いと思います。(結局今年は通算4本でした)

テーマ的にも興味がありました。この映画は、近年起こった数々の無差別殺人事件の犯人をモチーフとしていて、けれど犯人の心象というよりは、なぜ彼らがその犯罪に至ったのかということを家族を起点にして描いています。ある一つの事件を基にしての実話ではないですが、様々な事件をベースに組み立てたんだろうなというのはわかります。

他人を支配し、常に威圧的な父親を三浦友和が、それに抗うことができず精神が破綻していく妻を南果歩が、いい子ちゃんの長男を新井浩文が演じています。この映画のキモとなる次男役の俳優さんの名前は知らないけれど、何もできない、しようとしないのに自尊心の塊のような若者役をなかなか巧く演じていたなぁと思います。

一番わからなかったのが、この無差別殺傷事件を引き起こした次男が獄中結婚する相手の女性(田中麗奈が演じている)です。アンタ、正気かよ、と言いたくなること間違いナシ。というか始終彼女にイライラさせられるんです。どうやったら、そんな思考回路になるんだよと。多分このくだりは、池田小児童連続殺傷事件の宅間守のことをモチーフにしているんだろうけど、胸クソ悪くことこの上ない。

で、三浦友和がどうだったか。オヤジ、悲しいね。どこで道を踏み外したんだろう。そんな瞬間って誰しもあると思います。でも彼自身は息子の罪に一切自分に非があると思ってなくて、そういう点で全く彼には共感できない。よくドラマで見受けられるのは、「私の育て方が悪かったんです!」と声を震わせる親の姿だったりするけど、実際はそうとも言えないんじゃないか。綺麗ごとでは済ませられない現実が、世の中にはもっともっと存在すると、この映画を見て思いました。
それにしても三浦友和も、南果歩も、新井浩文も、田中麗奈も、みーんなイタイ。でもね、見てよかったよ。普段映画をあまり見ない人にも薦めたくなりました。何となく、何かを感じてほしくて。

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