見出し画像

【cinema】ラスト・タンゴ

8/20鑑賞。
マリア・ニエベス・レゴとフアン・カルロス・コペスという二人の伝説的アルゼンチンタンゴダンサーの半生を回顧録調に仕立てたドキュメンタリー。

それぞれ14歳と17歳の時に出会い、その後50年近くにわたってペアを組んだマリアとフアン。何度も別れを繰り返しながらも必ずまた手を取り合ってきたふたりだったが、やがてフアンはマリアの元を本当に去ってしまう。現在80代になったふたりが若きダンサーや振付師を聞き手に、ふたりの愛と葛藤の軌跡や互いへの思いを明かしていく。そしてその中でも特にドラマチックな場面を、若きダンサーたちが美しいタンゴの振付で再現する。(映画.comより転記)

この映画にはひたすら二人のプロダンサーとしての心意気と愛の業みたいなものが渦巻いていて、互いに愛するが故の憎しみやギラつきで溢れている。それを緩和させるのが、幾度となく映し出されるブエノスアイレスの俯瞰図で、その夜の街並み、ネオンや多くの車で溢れかえるシーンは、忙しなく、眠らない大都市という印象を残しつつ、タンゴとは無関係でありながら、マリアとフアンの世界観を表していたように思います。

昔、高校時代にスペイン語の授業を受けていて、少し前に流行ったマカレナを踊るという機会がありました。クラスにメキシコ人留学生の子がいて、振付を教えてもらったんですが、到底ついていけないんです。羞恥心をかなぐり捨てたとしても彼のノリに私たち日本人はついていくことが出来ない。ラテン魂というのか持って生まれた才能というのか、全ての動きが自然でサマになっているのは彼だけで。そんなレベルとはまた違うけれども、ふとそんなことを思い出し、マリアとフアンがダンサーたる所以、彼らがレジェンドなのは、もう生まれた時からDNAに染み込んでいるものなんだろうなと思った次第です。

それにしても二人の姿勢の良さったらない。マリアの80才を超えてのあの脚線美。年老いた二人に、むせかえるような色気を感じてしまって、映画を見ながらのぼせ上がりました。

生まれ変わっても、きっとまた一緒。どんなに憎くても、いつかは別れても、彼らは永遠に一緒なんだなぁと思いました。そりゃ、フアンの二人目の奥さんは気が気じゃないよ。もうマリアと踊らないで、ペアを解消して、そうフアンに頼み込む時点でマリアには敵いっこないんだと、彼女が一番わかってるんだろうなぁ。

#映画 #感想 #シネマ #cinema #レビュー #アルゼンチン #タンゴ #ラストタンゴ #note映画部

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?