見出し画像

【cinema】ELLE エル

2017年68本目。

ゲーム会社のCEOを務める女性ミシェルは、ある日突然、自宅に侵入してきた覆面男に襲われてしまう。何事もなかったかのように今まで通りの生活を送ろうとするミシェルだったが、襲われた時の記憶がフラッシュバックするようになっていく。犯人が身近にいることに気づいたミシェルはその正体を突き止めようとするが、自分自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされて思わぬ行動に出る。(映画.comより転記)

冒頭から衝撃のシーンで始まるこの映画。女性からしたら、目を背けたくなるかも。それでもミシェルは強い。どこかのレビューでも見たけれど、この映画の場合、「女は強い」というのではなく、「ミシェルがとにかく強い」のだ。そんな彼女を演じるのは、我らが(?)イザベル・ユペール!この方、60才過ぎてるんですよ。なに、この色気。今年、「未来よ、こんにちは」というこちらも彼女が主演の映画を見ました。ミシェルとナタリーでは全然違うし、ストーリー自体比較対象ではないけれど、敢えてここで比較してみたい。

ミシェルは、性に奔放で、親友の旦那とも寝てるし、その親友アンナともある種同性愛的な関係にある。とにかく何にでも貪欲で、全てを手に入れようとする。敵も作りやすいけれど、老若男女問わず「虜」にしてしまう。かたやナタリーは、哲学の教師であり、経済的にも自立しているのに、でもどこかで一歩引いていて、孤独を感じて今の自分を嘆いている。共通しているのは、境遇は違えど、夫と離婚していて、もう未成年ではない子供がいること、それと奔放な母親がいて、途中で亡くなること。あ、あと猫がね、わりと重要な役どころだったりするのよね。だから、全然話は違うのに、なぜかナタリーとミシェルがダブるところがあって。

あんまり大した比較ではないけれど、女の私からしたら、この年代の女性の感じるところ、というのがすごく気になっていて、いずれ自分も通る道。こんな女性たちのようにはなれないけれど、色んな生き方を知りたいというのがあるんです。だから、男性との関わり方、女としてどう生きるか、親や子供、家族との関係、50〜60代の女性の生き様って、今、30代後半にさしかかった今だからこそグッとくるものがあるんだなと。

単にこのELLEがエロティックサスペンスとしてジャンルづけされるのではなく、違う目線で味わうことができるのも今だからなんだなと。大学生くらいに見てたら、衝撃性はもっと強かったかもしれないけれど、母親より上の世代の目線がどうとか考えるに及ばなかったと思う。

にしてもです。このミシェルという女性は、レイプ犯を突き止めてからの行動も凄いんです。全て計算していたのか?と思うほど。ある意味スカッとする(私はそう感じたけども、全ての人がそうとは思わない)。且つ私はそのレイプ犯の妻がなんだかんだで、一番強かだったんじゃないかなと感じたんです。ミシェルよりもね。

男は肉体関係を通じて、相手を所有するイメージが強いけれど、この映画のミシェルは全くそうではなくて。全然執着心というものを感じさせない。そんな彼女が求めたのは、ある種のスリルだったんだと思うし、全てを手に収めることができる彼女だからこそできる業だったんだと思う。そんな彼女にもどうにもならないものがあって、それが彼女の過去。父親は無差別大量殺人で服役していて、彼女は「殺人鬼の娘」というレッテルを貼られて生きてきた。

ありえない話なんだけども、人はどこかで、こんなありえない話を現実として覗きたい気持ちがあると思う。

まぁとにかく見てほしい。レイプ被害者からしたら憤慨するような内容かもしれないし、やっぱりこの映画は男目線の映画だと片付けられるかもしれない。それでも私はミシェルの生き方はアリだと思ったし、この映画を今見れてよかったと思います。

それとイザベル・ユペール以外にも私の好きなフランスの女優さんがたくさん出てるとこもオススメポイント!

一人はミシェルの親友アンナ役のアンヌ・コンシニ。

一人は隣人パトリックの妻役のヴィルジニー・エフィラ。

そして夫の若い恋人役のヴィマラ・ポンス。

でも何と言ってもユペールの色気には誰も追いつけない。胸はないけど、色気ってそんなんじゃないんやと。

あー、感想追いつかない。

#映画 #感想 #cinema #シネマ #レビュー #ELLE #エル #ポールヴァーホーベン #note映画部 #コンテンツ会議

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?