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映画祭について考える。

この三連休は、なら国際映画祭にて、映画を見るために、2日間奈良に入り浸りでした。

私はレッドカーペット系にはあまり興味がなくて(日本の俳優さん達も多く来られたようですが)、とにかくそこでしか見られない映画を観たいという気持ちが強く、場所や時間の都合で、見たのが以下の6本。

HURRY SLOWLY」ノルウェー
17才の知的障害を持つ弟を一人で世話する姉フィオナの日常と、弟を施設に預ける決意をする彼女の物語。

MY SKINNY SISTER」スウェーデン
美人のフィギュアスケーターの姉が実は拒食症だという事を誰よりも早く気づいてしまい、葛藤する妹が主人公の物語。

FORTUNA」スイス
コンゴ難民の少女フォルトゥーナはスイスの寺院で難民生活を送る。彼女には好きな人がいて、誰にも言えない秘密があり…。

FACING THE WIND」アルゼンチン
コンテンポラリーダンサーのモニカ。父の死をきっかけにアルゼンチンから遠く離れた故郷スペインのブルゴスに20年以上ぶりに戻り、母や妹たちと過ごす日々。

THE SNATCH THIEF」アルゼンチン
バイクでのひったくりを生業にしているミゲルはある日、老女に大怪我をさせてしまう。記憶喪失となったエレナに、罪の意識から献身的な世話をするが…。

THE HAUNTING HITCHHIKE」韓国
行方のわからない母を捜すジョンエと父の顔を知らないヒョジョン。ソウルの貧民街に父と二人暮らしのジョンエにフォーカスして物語は進み、はたして互いの父母は見つかるのか。

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どの映画も素晴らしく、映画自体は、ものすごく満足したんです。

ただ、気になったのは、観客数の少なさ。私が見た会場は、ならまちセンター、東大寺金鐘ホール、奈良国立博物館の3ヶ所でしたが、どの施設も「きちんと」していて(他の会場はパイプ椅子の所もあったようですが)、設備自体は言うことなし。なのに、ガラガラ。

これが、奈良ではなく、東京や大阪だったらどうだっただろうと。多分東京なら絶対人数埋まる内容なので、それが悔しくて。奈良のアクセスの悪さからなのか。奈良に「映画館」らしきものがないという地域性なのか。(シネコンは除く)

それとお気づきかと思いますが、上記タイトルが、6本とも英題のまま、アルファベット表記なんですよね。その他も、未公開作品は全てそうでした。

仮題でもいいから、邦題に訳すことの重要性がわかった気がします。とにかく覚えづらいのと、見難い。日本人だから余計にそう感じてしまうのかも。「国際性」を目指してるのかもしれないけど…。

あとは、目に付いたのがグッズの種類の豊富さです。Tシャツにバッグ、巾着にチケットフォルダー、クリアファイルなど。それって必要?って思うくらい。よほど映画祭自体に愛着のあるコアなファンじゃないと手にしないんじゃないかなぁと。東京国際映画祭ですらそんなに種類ない。

それを作るなら、Q&Aの際にボランティア通訳ではなく、プロの通訳の方を雇った方がいいのでは、と感じました。私が見たのが、そうだっただけかもしれないけれど、ボランティアの方がほとんど通訳できなくて、観客が助け舟を出してる状態だったので…。

しかし、映画祭の公式アカウントでは、突如前日に決まった「あん」の上映に、多くの観客が押し寄せたということがレポートされていたりしたので、ある方向性では一定の反響があったんだと思います。

けど、ちょっと「自己満足」入ってない?と思ったのもたしか。今回で5回目だけど、この知名度。樹木希林さんが亡くなられていなかったら? 取り上げられてもいなかったかもと。

期間中、デイリーニュースとして、前日の様子などのペーパーが配布されていたのは良かったと思います。他の映画祭では目にしたことがない。ただ、私はその存在を知らず、後から他の人のツイートで知ったのですが。

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映画祭って、今まで大なり小なり、参加してきて思うのですが、何をテーマとして、どう仕上げるか。何を重視し、目玉にして、成り立たせるか。

そういうイベントを企画開催される方には敬意しかなく、そうやって映画を観れることの意義深さは毎回噛みしめています。

それでも違和感を感じてしまうのは、もっとこうだったらいいのにと、自分事として捉えすぎてしまって、観客自体がワガママになりすぎている部分もあるんじゃないかなと思ったりもします。

運営の方が慣れていないことに、むやみに腹を立てる方も見受けられて、それは映画ファンとして、いただけないなと思うことも。

事後のアンケートには、観客目線で、意見は回答したつもり…。せっかくのこんな素晴らしい機会をもっと観客として盛り上げられないかと強く思った次第です。

だって、"Festival" だし。

写真は、急遽決まったレスリー・キー氏の樹木希林さん写真展にて。

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