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70歳のプレイボーイ💕前編

古い古い友人のお話し

その友人と出会ったのは、私が25歳の時、その頃私はまだ独身で、その友人の講演会に誘ってくれたのが旦那様。それがお付き合いのきっかけでした。
その頃、友人は70歳くらいだったでしょうか。

彼は、顔、声、話し方、雰囲気が、俳優の三國連太郎さんにそっくり💕なので、以下連太郎さんと呼びます。
因みに、旦那様は五代目中村勘九郎さん(現在は六代目)にそっくりです。

連太郎さんと勘九郎さんはとても仲良しで、結婚前は二人でサンフランシスコからロサンゼルスまで車で2週間ほどかけて旅もしています。
男同士のこういう関係って素敵ですね!

その後、連太郎さんの息子さんがアメリカで会社を創るというので、旦那様と友人知人が出資して、ロサンゼルスとサンフランシスコに「倉庫に書類を預かり、必要な時には届ける会社」を一緒に設立したこともあって、連太郎さんが亡くなるまで、私達の友人関係は長く続きました。
私の人生にも大きな影響を与えてくれた連太郎さんとの思い出を、胸に焼き付けるために、文章にして残しておきます。


連太郎さんは、大正15年に日本の、とある世界の名門の家に生まれました。
幼少の頃に養子に出されたので全く違う道に進み、後にアメリカに移住しましたが、家を継いだご兄弟とはずっと交流があり、私も一度お会いしました。

連太郎さんから聞いた、子供の頃の印象的なエピソードがあります。
大金持ちのお友達がいて、家に遊びに行った時に、その友達は体が弱かったので家の中からは出られませんでしたが、使用人たちが広い畳の座敷いっぱいに雪を敷き詰め、室内で雪遊びをしたことがあったそうです。
嘘みたいですが、本当の話です!
一般庶民の私はそれを聞いて、テレビドラマの時代劇に出てくる、江戸城の上様を想像しました。そして上様が志村けんのバカ殿に。。

そういう時代、そういう環境で育った連太郎さんは年頃になると、当時の慣習で、年上の芸妓さんのところへ連れて行かれ、男女のあれこれの手ほどきを受けました。
さすがに芸妓さんに仕込まれただけあって、柔らかで優しい物腰と、女性への気遣いは素晴らしく、若いころからモテモテだったようです。

有名な女優さんと、銀座の街をキャデラックのオープンカーに乗ってデートしたこともあるとか!
何だか映画の中の話みたい♡

連太郎さんは、大阪に住む資産家のお嬢さんと恋をしましたが、その恋は実ることなく二人は別々の人生を歩みました。
多分親の決めた人とご結婚したのでしょうね。

長い年月を経て、それぞれまた一人になり、再婚はしませんでしたが、昔のように仲の良い関係を取り戻していました。
その女性は、連太郎さんにこいさんと呼ばれていたので、私達もこいさんと呼んでいました。

こいさんというのは、昔の船場言葉で商家のお嬢さんのことです。長女がいとさんで末っ子がこいさん。それでこいさんだったのです。
姿も、佇まいも、心も、とても美しい人です。

連太郎さんとこいさんはいつも品よく、仲良く、楽しそうに一緒にいて、そんな二人を素敵だなと思っていましたし、こいさんは私にとって、理想の女性でもありました。

連太郎さんが帰国して、神戸に療養していた時に、私達夫婦はこいさんと一緒にお見舞いに行きました。
ロビーのテーブルで雑談をしていた時に、職員の方がお茶を煎れてくださったのですが、こいさんは、両手を膝に置いてお辞儀をしながら「お忙しいところ、本当にありがとうございます。」と丁寧にお礼を述べたのです。
その思いやりと謙虚さが美しく、こういう女性になりたいと心ひそかに思いました。未だに足元にもおよびませんが、、

また、連太郎さんを囲んで話している時に、連太郎さんがこいさんのことを「いい女でしょう!」と言い、こいさんが、「あなた昔はそんな下品なことは言わなかったわ」とたしなめたんです。

《女性の鏡だわ》とまた思いました。
いい女と言われて浮かれているようじゃダメなのね。

連太郎さんは、とにかく女性を褒めるのがとても上手。さすがは芸妓仕込みです。
しかも、たくさんの恋人たちの誰からも恨まれず、ずっと愛されているのがすごい!本当のプレイボーイと言うのはこういう人のことなのでしょうね。

でも賢い女性であるこいさんは見抜いていました。
「この人が優しくしてくれるのは、私にお金があるからなのよ」 
事業にはお金が必要です。
分かってはいても、仕事に情熱をかける連太郎さんを心から愛しているのだなと感じました。

でもね。こいさん。連太郎さんはいつも私達にこいさんの話をしていたんですよ!
こいさんがどんなに素敵な人かって。

20代の小娘だった私は、鼻もひっかけられませんでしたが、一度だけ「Oさんの手はとても綺麗ですね」と褒められたことがあります。

普通そんなことを言われたら「キモっ!何か下心があるんじゃない?」と思いますけれど、連太郎さんに言われると、何故か素直に喜べました。今でも覚えているくらいなので、余程嬉しかったのでしょうね。

連太郎さんと一緒に、今ではとてもできないような、楽しくて素晴らしい経験をたくさんしたので、そのあたりのことも懐かしく思い出しながら綴っていこうかな^^

少し長くなりましたので、この続きはまた次回に!


最後まで読んでくださってありがとうございました✨

心から感謝を込めて.。❍〇💖


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