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自分の中に湧き上がってきたもの。

私がインターンをしている塾には、「MF(メインファシリテーター)道場」という研修がある。

子どもたちの前で、華やかに、圧倒的な授業をしてみせるMF。そしてそのMFに近づくための一歩が、この研修だ。

ずっと「参加したい」と思っていたそれに、私はついに先週、ジョインした。

準備不足のまま臨んだ先週の出来は正直ボロボロだった。けど、周りの人たちからはポテンシャルを非常に褒めてもらった。

そしてそんなことがあった週の日曜日。塾長に、

「社会人になってからもMF道場に来い。」

「それで、土日の授業でデビューしよう。」

と、言葉をかけてもらった。「平日の朝は無理です。」と答えたら、「そうだ。じゃあ、MF道場の時間を変えよう。」とまで言ってくれた。自分にそんな声をかけてもらえることが嬉しかったし、そんなにも期待してもらってるということが、心の底から嬉しいと思った。

褒められるとすぐに調子に乗る私。当然やる気は爆上がり。塾長に、「来週のMF道場でギャフンと言わせます!!」と大口を叩いた。大口を叩いた手前、完璧な授業をして見せようと、塾長の授業を完コピしようと頑張った。解説シートを読み込み、何度も何度も、塾長の動画を見て勉強する。隙間時間があれば、セリフを完璧に暗唱しようと口を動かす。

そして2回目のMF道場を迎える今日。日付が変わったにも関わらず熱心に練習する仲間たちと一緒にいた時、先輩スタッフが練習につきあってくれることになった。そして私が授業をする番。完成度は、いまいちだった。

うまく言えないけど、なんか違う。私が理想とするMFとは全く違う…。

そんな私に先輩は、「完コピするんじゃなくて、意図を大事にする」というフィードバックをしてくれた。納得する一方で、混乱する私。「いやだって、この研修は完コピするって話だし。いやでも、言ってることは納得できる。でもそれって、型を身につけた上での話じゃない?ていうかそれより、もうあと数時間しかない。私はどうすれば…?」

「自分は、どうしてMF道場に参加しようと思ったの?」

先輩が言った。

「それは…自分も子どももワクワクしながら授業をするMFが、カッコイイと思ったからです。」

私は答えた。

「自分は、明日のMF道場でどういう授業ができたらいいと思ってるの?」

先輩が言った。

「うーん、できるかわからないんですけど、授業の出来がどうであっても、『なんかよくわからないけど楽しかったな』って気持ちになれたらいいと思います。」

私は答えた。

そして、私は気づいたのだ。

2回目のMF道場で、みんなに完璧な授業をして見せたかった。それで、みんなから「こいつすげえやつだ」って思ってもらいたかった。期待してもらいたいと思ってた。

でも、私が大事にしたいことって、なんなんだったっけ。

完コピするというのは大変だと思ってたけど、実は、楽な方に逃げていたんじゃないか?

私は今これを書きながら、先輩に無茶振りされて、短い時間だったけど、授業の導入を任された日のことを思い出している。

あの時は十分な準備時間があったわけじゃなかったけど、ただただ勢いで乗り切った。楽しかった。ワクワクした。

30%でいい。

本質を見失わない。

あと2時間半で研修がはじまる。

どうなったっていい。準備するのもやめて、帰って1時間だけでも寝よう。

今日は、楽しむんだ。

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