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esoraの自画自賛作品集

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高校生の僕が、今まで投稿してきた100以上の小説の中から、書いてて「天才かもしれない」と天狗になったり、個人的に好きなものを集めました。随時更新します。
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#創作大賞2023

【短編小説】完全犯罪

【短編小説】完全犯罪

「おら!おら!いっつもいっつも俺を苔にしやがって!里田め!おら!殺してやる!」

気付くと俺は、同期の里田を殴り殺していた。

この部屋は、かつて里田とルームシェアしていた

ときと同じだ。

同じ会社に入社した俺と里田は、同期として、友

として、互いに競い合い、高め合っていた。

本当に、良いバディのような感じだったと思う。

しかし、里田と俺との間に軋轢が入ったのは、

つい1ヶ月前くらいか

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【短編小説】夢の材料

【短編小説】夢の材料

昨日、妙な夢を見た。まぁ、夢は全般的に妙なのだが。

夢の中で、皿洗いをしていると、ついお気に入りの皿を落としてしまった。すると、皿の破片は宙に浮き、窓の方へと向かっていった。何故だか、破片は窓の外に行きたいと言っているような気がして、無意識に開けてやると、一目散に飛び出して行った。

長年使っていた皿の旅立ちを見守っていると、冬なのにどうにも蒸し暑い。ふと上を見上げてみると、無数のストーブが、煙

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【短編小説】アジフライ

【短編小説】アジフライ

人混みで見え隠れする定食屋の暖簾をくぐった。
風情ある歪な形の板にお品書きが記され、壁に掛かっている。

「じゃあ、アジフライ定食を一つ。」

「はい、まいど。」

しばらくして、注文を取ってもらった三角巾のおばちゃんの手に、トレーが見えた。角席の僕の方へと向かい、そっとテーブルに置いた。

しかし、トレーに乗っているのは、湯気が煙る大盛りの白飯、たくあんの漬物、なめこのお吸い物、そして、一枚の皿

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