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お母さんといっしょ

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お母さんを亡くした「僕」が猫のミミに連れられて小さな冒険の旅に出る
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2020年9月の記事一覧

【中編小説】お母さんといっしょ 1

 お母さんがいなくなったのはぼくの身長が庭の朝顔を追い越した夏だった。

お母さんはずっと病院に入院していて、でも僕の顔を見るといつもにっこり笑ってくれた。

僕はお母さんに「いつ家に帰ってくるの?」って毎日聞いていたけど、お母さんは「もうすぐね」って言ってまたにっこり笑った。

お母さんはぼくが行くと毎日笑った。毎日笑ってるから、ぼくも一緒になって笑った。妹のアミはお母さんが家に帰ってこなくて泣

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