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3ヶ月後のマルシェの結果はいかに|2022壱岐商業高校×とびゼミコラボ授業⑳

2022年度の高大連携アントレプレナーシップ教育プログラムに関連した出店イベントの最後は壱岐商業高校の「壱岐イヴェールマルシェ 壱岐商出張文化祭 in 勝本」。本日(12/11)無事に開催できました!

夏のエテマルシェから3ヶ月。その間も大学生による遠隔授業が継続して行われていました。ふりかえりから始まり、次の展開はどうするか。次やるとしたらどんなコンセプトでどこでやるのか。たくさんの議論を重ねてこの日を迎えることになりました。

マルシェのポスターも掲示してくださいました!

特にコンセプトを決めるのは難儀しました。高校生も文化祭に進路決定と多忙な中、じっくり考える時間を持つことができなかったでしょう。そうした中で、私が視察してきた天草での取り組みを紹介したり、文化祭が非公開で地域の皆さんにお越し頂けなかったこと、今度やるならさまざまな世代の皆様にお越し頂けるよな取り組みにしたいと「文化祭」そして「親子連れ」向けの企画を練ることに。

また議論をしていく中で、壱岐みらい創りサイトのMさん、壱岐市役所のMさん、勝本浦まちづくり協議会のSさんはじめ多くの方にご縁を頂くとともに、壱岐島内でカフェなどを営まれている店主さんや勝本浦商店街の店舗にもご協力頂くことができました。

とにかく今回は勝本の皆さんにも楽しんで頂ける機会にしたい。その想いひとつでマルシェ当日を迎えることになりました。

これまでの壱岐商業高校でのプログラムの取り組みはこちらのマガジンをご参照ください。

壱岐イヴェールマルシェいよいよスタート

今朝始発の高速船で壱岐へ。郷ノ浦港に到着後、今日販売の商品であるパンプラスさんのパン受け取りまで時間があったので爆速で猿岩へ。

驚くほど猿。

10時にパンを受け取ってマルシェ会場の勝本へ。昨日と打って変わり、今日は北風が吹き付ける。冬の壱岐の天気そのもの。外でのイベントが多いだけに、果たして来場者はどれだけ来るのだろうか。

10時半ごろ到着。そそくさと準備を始める。高校生と前日入りしたゼミ3年生が飾り付けをして街を彩る。やがて今回出店に賛同してくださった店舗の皆さんもお越しになり、お客様をお迎えできる態勢になった。

受付担当は高校生。スタンプラリーも好評でした。

午前11時。今回の司会役2名の大学生の発声でマルシェスタート。イベント最初は商高和太鼓部による演奏。大迫力で多くのお客様が観覧に。絶好のスタート。

勝本朝市をお借りしての販売

今回のマルシェでは前回課題になった商店街全体を見て頂く取り組みをということで、5つのチェックポイントを設けたスタンプラリーを行った。後に紹介する写真展の観覧、商品の購入、街を見渡せる神社の訪問、まち歩きツアーの参加などを行うと抽選で商店街ゆかりの品物がプレゼントされるという仕掛け。

それもあってオープンと同時にかなりの親子連れにご来場頂くことに。

前回に続きパンプラスさんもご出店

店舗は勝本の名物朝市の中にも設けられ、飛ぶようにパンやカレー、スープが売れる。また、ゼミ3年生が創業体験プログラムで販売した「イカカレーあんかけ焼きそば」も好評。予想外の売上となって、追加仕入をしなければならないほどに。

これまで苦労してきた3年生にとっても喜ばしい結果になったと言えよう。何より物心両面で支えてくださった勝本浦の皆さんに企画した商品を召し上がって頂くことができたことが喜ばしい。

商高情報メディア部とコラボしたキッチンカー

また、今回一番の行列ができていたのは商高情報メディア部とコラボで出店してくださった「SHIMA CAFE」のキッチンカー。寒い中でもたくさんの方が行列して温かい飲み物やドーナツ、チュロスといった甘いものが売れていく。

「愛情循環」でSPINNSさんにもご協力頂きました。

そんな調子で営業開始から2時間ほどで売り切れるお店がチラホラ。元々営業力の強いお店に出店をお願いした一方で、先方は「今回初めてだからどれだけお客さん来るかもわからないし、ちょっと弱めに見積もっちゃった。もう少し作ってきても良かったね」なんてことを仰ってた。

いずれにせよ、お客様にも出店頂いた皆様にも喜んで頂けたのではないかとホッとしている。

文化祭らしく高校生にも出演して頂きました

さて、今回のコンセプトは「文化祭」。そこで高校生にも登場してもらう機会として、午前のオープニングで和太鼓部、午後に吹奏楽部の演奏をお願いした。

商高和太鼓部の皆さんの演奏。

すでに部活を引退した3年生も見守る中、1-2年生による演奏は大迫力そのもの。街に響く太鼓の音を聞きつけて、多くの方が公民館駐車場に。

商高吹奏楽部による演奏

午後の吹奏楽部も少人数の編成ながらも、街中に軽やかに音楽が流れる。

ゲストハウスLAMPのルーフトップサウナへ

こんな書き方をすると「遊んでるのか!」と怒られそうだが、この時間は今回サウナ体験をご提供頂いたゲストハウスLAMPで整っていた。ルーフトップでお湯に浸かりながら、風の音と一緒に彼・彼女たちの演奏が届いてくる。

演奏時間は短かったが、ほっこりする時間が流れていた。

公民館にはプロジェクトに参加した生徒10人による写真展が

そして、さらなる今回の見どころがプログラム参加高校生による写真展。

あと数ヶ月でほとんどが壱岐を離れることになっている彼・彼女たちに思い思いの壱岐を表現してもらおうとしたのがこの企画。写真の下には小さくその写真に込めた想いが表現されている。小学校からの通学路、飼い猫のドアップ、大好きな海。ほんと最近の高校生はすごい表現できるなと感心させられる。素晴らしい。

こうして本来16時まで予定していたマルシェは、雲が出て風も強くなってきたことから少し早めに店じまい。多くの来場者を迎えたイヴェールマルシェは終わりを迎えた。

ふりかえり

片付けと決算を終えてふりかえり。今回ボランティアとして参加してくれた商高1年生、福岡から先輩のサポートとして手伝いに来てくれたゼミ2年生とともに、イヴェールマルシェの締めくくりを行った。

最後のふりかえりではリーダー役の生徒が立派に挨拶していました。

まずは高校生を代表して、今回の企画を立ち上げるに至ってアイデア出しをしてくれたTくんが挨拶。彼は卒業後、大分の大学へ進学。島内でも1-2を争う健脚の持ち主。これまでの授業でも積極的に発言して、プログラムを盛り上げてくれた。ここでもしっかり感謝の意を述べていた。

対面で大学生と高校生が会うのは今日が最後

そして学生代表からの挨拶。課題研究「起業体験プロジェクト」としての授業は年内2回で終了する。年明けに研究報告の機会があるが、大学生は定期試験中のために参加できない。そのため、対面で会うのは今日が最後になる。帰り際まで名残惜しそうに話をしていた。残りの授業もふりかえりと授業のまとめがある。あと少し頑張ろう。

最後に私から。大した話をしていないが、皆さんへの感謝の意と、願わくはこの取り組みを続けることに意味があるのではないかという話をさせてもらった。一番それを伝えたかった方は帰宅されてしまい残念な思いをしたが、まずはここまで頑張ってくれた高校生、準備に走り回った学生、そしてたくさんの無茶を受け入れてくださった先生に感謝を申し上げた。

実はサウナに入りながら、これまでのふりかえりをしていた。この1年間、壱岐で何を残すことができたのか。学生を巻き込み、きっと心身を減らしながら取り組んでいた活動は、果たして現地の皆さんにどう映っていたのだろうかと不安に苛まれていた。

ここに来て急に「自分は所詮ソトモノなんだ」という気持ちになった。

高校生の様子を見るに、4月に比べれば彼・彼女たちとのコミュケーションは円滑になり、言葉も出てくるようになって自分の意見をやり取りできるようになっていった。販売体験も単なる体験に終わらせるのではなく、それまで授業で学んだ内容をもとに振り返りを行うことで、確実に高校生の学びに繋がっている実感を持てた。

その証拠に、今日高校生と喋っていて大学の推薦入試でこのプログラムの話をしたら、面接官の先生に根掘り葉掘り聞かれて話すことに困らなかったと。どこかで拾ってきたようなありきたりのメッセージではなく、ジブンゴトとして体験したことを自分の言葉で話すことができるようになっている。そういう手応えを得ている。

また、店主の皆さんからも「続けていきましょう」と温かい言葉を頂いた。地元の高校生とのコラボを熱望してようやく実現した取り組み。夏に比べて遥かに多い数量をご提供頂き、ほぼ売り切ったことに手応えを感じてくださっているそうだ。

が、モノゴトが決まるのは別のロジックだったりする。成果が出ているから続くわけではない。だから難しい。所詮われわれは福岡から来たヨソモノなんだなと。

それでも2022年に蒔いたこの種はきっと10年、15年後に花開くに違いない。

学生と続けてきた水をやり、肥料をやってきた「教育」という取り組みは今日明日に結果が出るものでもない。だから使命感を持って取り組むのだ。だから繋げていくことが大事なんだ。

もしかしたら理解できない学生もいるかもしれないが、学生が高校生のロールモデルとし、高校生を自らの鏡として学ぶ機会を創出することにはまだまだ大きな可能性がある。高校生の日々の変化を見ていたらよくわかるはずなんだけどな…。

志高く。
一隅を照らす。
自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ。

改めてなんでこんなことをやっているのかを壱岐でふりかえれた1日でした。

本当に関わってくださった皆様に感謝申し上げます。また会う日まで。

(追記)
と書いてたら、今朝になってこんなTweetを見かけた。

そっか。俺らショッカーか。なら雑魚キャラだと思われても仕方ないや。気楽にやろう。うん。

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