10年越しの吉野家


今日は仕事帰り大雨。

今日は彼女が飲み会なので、
帰っても今日はごはんがない。

作ろうかと思ったが、久しぶりに
外で何かを食べようと思った。

けど一人で食べるのも何か
心もとない。
最近仲良くしてる中学校の同級生の
Kくんに連絡をした。

どうやらKくん飲んでるらしい。
迎えに行き、そのままいっしょに
食べに行くことにした。

我々が向かった先は「吉野家」
店は僕が選んだ。
なぜ吉野家にしたか。
これには理由がある。

遡ること約10年。
僕とKくんはそれぞれ違う高校に
通っていた。
高3の受験シーズンの終わりかけ。

Kくんから連絡がきた。
「受験も終わったから
 いっしょにバイトでもしないか?
 引っ越しのバイトが募集してるから
 いこうよ」と
それを聞いた僕はいっしょに
面接に行くことにした。

無事二人とも受かり、
忙しい毎日が始まった。

Kくんと僕は割と同じチームに
配属されることが多かった。
毎日二人とも必死に働いた。

そんなある日、給料が出たので
いっしょに帰る時にごはんでも食べにいこうと
いう話になった。

そこで我々が選んだのは「吉野家」
帰り道にあったからだ。
Kくんも僕も初めてのバイト。
そして初めての給料。

二人とも無難に牛丼を頼んだ。

その一口目、至高の如し
しばらく言葉にならなかった。

「自分が働いた給料で食べる牛丼は
こんなにうまいんだ。。」
Kくんも恐らく同じ思いだった。

未だに二人ともいう。
「あの時の牛丼はうまかった」

それから10年後、
今こうして二人が吉野家でいっしょに
牛丼を食べている。

今では二人とも話は仕事や
お金のことばかり。
10年前とは変わってしまった。

けど、人間の絆、友情というものは
10年経った今も全く変わらない。

10年越しの牛丼もやはり
美味かった。




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