【3年連続、娘の入院】
「また、6月がやってきた。」
私たち家族にとって、少し背筋が伸びる季節がやってきた。
喘息持ちの娘たちが、こぞって体調を崩す時期だ。
季節の変わり目だったり、寒暖の差が激しかったり、すっきりしないお天気が続く6月。
特に、次女は通称「ハルク」とよばれる程、本当に健康を通りすぎてレスラー並の体力の人物(3歳)。
しかし、この時期になると劇的に体調を崩し、毎年入院を免れない。
3年目は入院させてたまるか、と頻繁に喘息のフォローアップをしていた。
しかし、激動の日々が私たちを待っていた。
1. ヒトメタニュームウィルス感染
保育園で大流行中のヒトメタニュームウィルスというものに感染。
聞きなれないかもしれないけど、いわば小さい子によく感染がみられる、RSウィルスの親戚のようなもの。
高熱を引き起こし、気管支を大打撃。
眠れないほどの咳を起こさせる。
(そんなやつは親戚つくるな!)
そのウィルスから、肺炎になり、喘息も併発してしまった。
入院が決まった日の朝は、いつものハルクらしさを取り戻していたので
(「いつものハルクらしさ」)
元気に暴れまわられると仕事にならないだろうと、有休を使って、
フォロー検診にいく予定だった。
それが功を奏した。
自転車でいく予定が、間一髪で夫も帰宅したのでつれてってもらうことに。
クリニックに到着すると、娘の熱はかなり高い。
そして、酸素飽和度が92%になり始めた。
「すぐに紹介状を書きます。
今から何処にも寄らず急いで大きな病院の
救急外来へ行ってください。
救急車も呼べますが、自家用車でいく方が
速いです。すぐ行きましょう。」
とクリニックで言われ、慌てて救急外来へ。
ちょうど、夫が帰ってきてくれたタイミングで車もあって本当に良かった。
病院についた時、すでに彼女の酸素飽和度は89~90%。
熱は40.3度をマーク。
いくらラテンの血が流れているにしても、この体温は高すぎる。
かなり危険な状態。
でも、娘は意識朦朧としながらも必死に、
「ママとおうちに帰りたい…もう痛いことしないで…」
と訴えている。
それもそのはず、つい3日前にPCRを受けたし、
過去2回の入院の経験からこれから点滴の針を打たれたり、呼吸器を付けられたり、また検査のために綿棒を鼻に突っ込まれることを知っているからだ。
あんなに小さい体に管を何本も通される恐怖、計り知れない。
「点滴をしますんで、一旦お母さんはお外でお待ちください。」
ご存知の方も多いと思いますが、病院で点滴や注射をするときに親が外に出されるのは訳がある。
大前提として、処置のスムーズな遂行、スペースの確保ということもある。
それに加えて、子どもの気持ちに配慮。
自分の腕に針を刺すという怖い行為を施されているのに、親がその場にいて守ってくれないと、子どもにとってはとても悲しい体験になってしまう。
だから、処置をするときは一旦退室させ、
「親が助けに来る」というスタンスをとるとのこと。
色んなことに、意味があるんだなと痛感。
親になって、学ぶことが本当に多い。
そして、娘から教えられることも多い。
2.娘の成長
私の娘は大部屋に入院しており、比較的低年齢(1~3歳)の子どもと同室。
中には、一日中、すごい勢いで泣いて叫んでママを求める子もいる。
娘は、言う。
「あの子、ママに会いたいんだよ。
気持ちわかる。」
(((当事者意識!!)))
感激して、親ながら嬉しかった。
30時間、点滴のみで空腹でもあり、親に会えない、見知らぬ場所、見知らぬ人たちに囲まれて過ごす、そんなストレス値の高い中、
そして病気と戦いながらも他者の気持ちになって接することができていて、
尊敬しかなかった。
子どもって本当にすごい。
グングングン!
音を立てて成長している。
20時。
もう、面会終了の時間。
「ママ、もう行かなあかん。」
そういうと、
泣きそうな顔をぐっとこらえ、
「寝てもいい?」
いきなり横になり、目を閉じた。
悲しい別れをしないように、寝たふりをしている。
泣かないように、必死で耐えていいる。
目には涙が浮かんで、
鍾乳洞のしずくのようなものが光ってる。
「愛してるよ。」
と小さい声で言うと、
「私も、ママのこといつも愛してるよ。」
目を開けないようにして、それでも言葉を返してくれる。
私にも熱いものがこみ上げる。
まだ一緒にいたくて、つい狸寝入りしている娘に話し続けてしまう。
私「明日、持って来て欲しいおもちゃある?」
(はよ帰れよ笑)
娘「.…工具セットを..」
(工具セット!)
3歳ボーイッシュ系ハルク女子の
(なにそのジャンル)
心をつかんで離さない工具セット。
それをどうしても持ってきて欲しいとのこと。
明日はトンカチやネジセットでベッドを解体して遊ぼうと思います。
(やめとけ)
病気になっても、
自身の美学、そしてハルクらしさ
(「ハルクらしさ」)
を忘れない芯の通った我が子を誇らしく思った。
入院は、「留学」に近いような感覚。
短期間ですごい勢いで成長して帰ってくる。
早く帰って来て欲しいな。
あの賑やかでハルクな日常を早く過ごそうね。
みんな、応援してくれよな!
追伸:
「ハルクな日常」てなに
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?