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【鎌倉とカレーと雨と】

こんばんは。
ひょんなことから離婚と再婚をコミカルタッチに書くことになったアラフォーの私。
ぜひ、隙間時間にエピソード1からお読みいただけたら嬉しいです。
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時間がなくて、本編から読んでいただける方へ:
[ざっくりあらすじ]
離婚を決意し、東京から大阪へ出戻ったアラフォーのバツイチ子持ちが10歳下の彼に出会って運命を感じ、数々の障壁を乗り越えて再婚するまでのありそうでなさそうな大冒険のお話です。

今日は、ひょんなことから同僚の彼とデートに行くことになった鎌倉遠足のお話を書こうと思う。
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3月のある日、
野暮用で私は鎌倉に行くことになった。

思えば、週末はほぼワンオペで家事育児をしていたので、東京に6年ほど住んでいたのにそれらしい観光地に行くことがまぁなかった。

その中でも、鎌倉は特に行きたい場所の一つだった。

どうしても緊急を要する用事で鎌倉に出向かねばならない話を、
同僚の親友(見た目は青年、中身はおばさん)に話した。

鎌倉が好きでよく訪れるという彼は、
鎌倉に行くならぜひ、と美味しいカレー屋をおすすめしてくれた。

よし、ランチはそこにしよう。

予報では雨。
雨にしとしと降られる大仏もそれはそれは風情があるじゃないか。知らんけど。

次の日は少し早く起きる予定なのに、彼との会話が楽しくて眠い目を擦りながらも話が尽きない。

彼も文章を書いたり、自費出版しているとのことで、記事を共有してもらう。自分よりお喋りで、笑いに貪欲で、文章を書く男性に会うのは初めてだ。どこを叩いても共通点しか見つからない。

話しているうちに、


「明日、俺も起きれたら鎌倉行こうかな」


とメッセージがきた。


キターーーーーーーーーー!!!!!!!


でもね、私は酸いも甘いも嚙み分けた立派なおばさん。
こういうノリで、実際に来たイケメンは未だかつていないのよ。
幻想なの。蜃気楼なの。


離婚で疲れた私は、人に「期待しない」という人間にとって最も必要であろう装備を手に入れた、もはや武装モード。
武装モード系おばさん。
ステラおばさんの武装系モード(うるさい)。


翌朝、10時。
雨がコンクリートを濡らす中、初めて鎌倉という地へ向かった。

彼からの「おはようメッセージ」は、まだない。


すると、
11時。


彼からメッセージ。

「さっき起きて、電車にとび乗りました。」


トゥクトゥンッ!!!


トレンディドラマばりにハートがビートを刻む。

私ね、こういう、ノリでいきなり遠出したり、自分はするタイプなんですが、されたことってあまりなくて。

このフットワークの軽さにドキドキとニヤニヤが止まらない。
どうしよう。
初めての遠足だ。いや、デートか?
いや彼は私ではなく、鎌倉という土地とあのカレー屋に行きたいだけ。
私は武装モードおばさん。期待はしない、しないのである。

「あたふた」と、
はっきりした口調で呟くくらい、吾輩はあたふたしていた。

駅のホームで、彼と落ち合い、はにかみながら彼が昔よく行っていたというカレー屋に向かった。

そのカレー屋は独特で、
メニューが1つしかなく、座ったら自動的に個性的な店主がうますぎるカレーを運んできてくれるスタイル。

外に貼られているポスターには、たくさんのスパイスと効果が記載されていた。

・アルツハイマー
・冷え性
・感染症
・白髪
・ボケ防止
・インポテンツ(!!)
・気管支炎
・喘息….

カレーが運ばれてくる間、そのポスターを眺めて、

私「へぇ〜いろんな効果あんねんなぁ〜」

彼「お!感染症にも効くみたいですね!」

私「え?そんなんどこに書いてる?」

彼「ほら、インポテンツから3つ上です。」

私「インポテンツをランドマークにすな!」

そんな超絶下品な会話でプークスクスと笑っていたらおいしすぎるカレーが運ばれてきた。(やめとけ)

美味しく食べてたくさん話して、大仏を見に行くことに。

そこでも、私たちは話すのが楽しすぎて、大仏は一瞥したくらいですぐにお互いの話をし続けた。
あんなにあっさり大仏を見る観光客、大仏側も驚いていたはず。

その後、長谷寺に向かい雨が降る中、彼の傘に入れてもらい相合傘で観光。彼のもこもこしたジャケットが私の腕に当たって無駄にドキドキする。

雨の予報にもかかわらず、あまり傘をささない私はキャップ1つで乗り切ろうとしたわんぱくマインドが功を奏したようだ。

歯がゆい距離の中、ずっと1つの傘で私が濡れないように守ってくれる彼。

あ〜も〜時間よ止まれ。(珠代ちゃん以来の)

そして、ひとしきり観光もしたのでカフェでコーヒーを飲むことに。


そこで、失恋ほやほやの私たちは、これまでの恋愛のことや、理想の恋愛、タイプなどを語り散らかした。


途中、「瀬菜さんって、誰かに似てるかっていうより、何かに似てますよね。

ほら、南米の鳥、とか?

ありえないくらいカラフルなやつ。あれに似てます。(どれ)」

とか言われた気がするけど都合のいい私の脳みそは、それを褒め言葉として処理していた(便利)。

恋愛観について話すと、すごく、すごく似ていると感じた。


「結局は愛が全て」


こう言い切る人はいそうでいない。

私は、結局、愛があるか否かが全てを左右する。愛が一番大事。
言葉にすると陳腐だけど、お互いの経験を知っているからこそ、それはすごく重みのある一言に思えた。

「お互いいい恋愛できるといいね〜。」

あくまで、気の合う友達としての立場をブラさず、いい距離感でずっとずっと雨の降る鎌倉の観光を楽しんだ。


こんなに帰りたくないと思った遠足は、初めてだった。
”デート”って名前をつけるのには、勇気がないから、 ”遠足”という至極都合のいい言葉で今回の遠出を描写した。


指一本も触れず、でも確実に心の距離が縮まった遠足。
切なくなりながらラインは続く。


そして、その翌週、またまたひょんなことから私は彼のお誕生日を一緒に過ごすことになる。

切なくて、胸疼くようなお話を次回もお届けします。

アラフォーの高校生のような恋愛、飽きずに読んでくださりありがとうございます。

 To be continued….

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