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9 浅葉なつ『神と王 亡国の書』

後期も終わりましたのでさっそく本を読みました!
前回の投稿が図書館戦争だけど、実はそこから太宰治ばかり読んでました。感想というか、そういうのは別のところに書いたので、まあ、いいか…ということで、春休みの分から記録付けていこうかな…と。

浅葉なつと言ったらやっぱり『神様の御用人』なんだろうけれど、私はなんやかんやで通っていないので、今回の『神と王』が初浅葉なつ作品でした。

いったんあらすじ書いておきます。

四神を信仰する弓可留国に、突然訪れた滅亡の日。歴史学者の慈空は王太子から宝珠『弓の心臓』を託された。「神はなぜ、国を見殺しにしたのか」——片刃の剣を持つ風天、謎の生物を手首に飼う日樹らと交わる中で慈空は、もう一つの宝珠『羅の文書』奪還のため命を賭して敵国へと向かう。新たな神話ファンタジーが今ここに開幕!

文春文庫『神と王 亡国の書』

まず、先に一言、言わせてください。
めっっっっっっちゃくちゃ面白かった!
買ってからしばらくばたばたしてて積読になってたんだけど早く読めばよかった。

すごく真面目というか正統派なファンタジー。ファンタジーって世界観を飲み込むまでがやっぱり大変になってくるし、この作品は特に名詞が難しいので最初の登場人物紹介とか地図を参照しながらだったんだけど気が付いたら一気読みしてた。

宗教とは、神とは。王(為政者)のあるべき姿とは。人間同士の本質の理解ってなんだろう、とか。こういうことをめちゃくちゃ真摯にこちらにも問いかけてくる。
私は、何か特定の宗教を信じているわけではないです。お正月は家の近くの神社に初詣行って、京都行ったら寺で写経もするし、クリスマスはちょっといいもの食べて子供のころはプレゼントをもらった。
日本は国教もないし、政府が特定の宗教に肩入れするの禁止だから感覚的につかみにくいっちゃにくいんだけど、もし、私が信じる神が、本当に助けてほしいとき助けてくれなかったら、慈空と同じように悩むんだろうな~…。

私は、世界には何人も神様がいて、なんかあってもまあ誰かは助けてくれるやろ…と思っている人間なので、自分のなかの確固たる神が崩れたときの混乱なんて考えたこともなかったや。怖いな、それは。
ていうか慈空の周りに新しく現れた人がどいつもこいつもそんなに信心深くないのもデカいね。弓可留は四神教盛ん(?)だから、国教だし。


まだ一巻だけどその中で話が繋がってくるのも気持ちよかったし、戦闘シーンは風天が強すぎて面白かった。ゴールデンカムイの杉元見てるみたいな安心感。こいつ絶対死なね~!!という。
慈空の人との関わりを通した成長がなんだか少年漫画ぽくて好きだった。ワイ将は少年漫画好きでやんスから、、

めちゃくだらないことわざわざ書くけど、こういうファンタジーつくれる人本当にすごい。文化を一から考えるってとんでもないよ。長い歴史の中で、人の営みと国同士の交流でだんだん発展するものを、一つの脳みそで考えてるってすごすぎるでしょ、、マジで、、

帯に「『古事記』からインスピレーションを得て」と書いてありますが、私は大学で日本文学を専攻していて、今年授業で古事記読みました(っていっても頭だけど)。確かに作中の神話とか言い伝えの描写がすごく古事記っぽい。でも古事記読んでこれ書けるのかっこよすぎる。すごくインスピレーションとオリジナルのバランスが良くて楽しい。

『獣の奏者』好きな人絶対これも好き。
今映像化のことでもめてるご時世だけど、個人的にはアニメ化してほしいよこれ、、
だって風天の瞳見たいもんな!!!!

ホンマに面白かった。早く二巻読みたいからもうアマゾンで注文しちゃったもんね~!
慈空目線の、風天主人公と言う感じがするけど、私慈空大好きだから二巻で出番少なくなっちゃったらさみしいな~と思いつつ…

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