モチベーションにサヨウナラ
こんにちは。
春らしい暖かい日が続いていますね。
コロナ禍とはいえ、春が来ればそれはそれで、たくさんの人たちにとって新たなスタートになる時期です。
今回は、そんなスタートの時期だからこそ話しておきたい
「仕事のモチベーション」
について考察していきたいと思います。
■モチベーションってなに?
モチベーション【motivation】
動機を与えること。動機づけ。誘因。ものごとを行なう意欲。やる気。(広辞苑より)
“モチベーション”というものを、あなたなら、どのようなものだと人に説明しますか。
仕事に対する関わり方、というテーマを考えるとき、必ずついてくる言葉があります。それが、「モチベーション」です。
「なんだか、いまいちモチベーションが上がらないなあ」。
「もっとモチベーションを高めないと、良い仕事ができないよ」。
「やる気スイッチが入らなくて」などなど。
モチベーションについて、よくこんな言葉を職場で聞くでしょう。
■それって、本当にコントロールできるの?
このように聞くと、まるで「モチベーションというものは、コントロールできる」と思われているようです。
モチベーションは、低ければ高くできるし、高くなったらキープできる、と。
そして、モチベーションさえ高くすれば、良い仕事ができる、と。
経営者をはじめ、多くの役職者の方々とお話をしていると、
「部下のモチベーションをなんとか高めてやりたいんだよ」と、よく相談を受けます。
どうやら、モチベーションというものの扱いについて、頭痛の種のひとつになっているようです。
しかし、仕事の良し悪しとモチベーションが関係しているというのは、はたして本当なのでしょうか。
さらに、それを他人がコントロールできる、というのも、本当でしょうか。
■モチベーションは、信仰に似ている...
じつは、このモチベーションという存在について私は、
「特に気にする必要ない」と私は思っています。
別にモチベーションがあろうとなかろうと、それは仕事の良し悪しに、
それほど大きく影響しないと、ほぼ確信しています。
例えば、私たちと同じく、プロフェッショナルという立場にいる、スポーツの世界を見てみましょう。
彼らプロスポーツ選手が「モチベーションが上がらないなあ。おかげでパフォーマンスを出せないや」なんて、つぶやいている姿を見たり、想像したりできるでしょうか。
彼らにとって、そういう言葉が出てきたときというのは、すなわちプロを辞めるときです。
彼らプロスポーツ選手にとって、モチベーションなどは、あってもなくてもたいして関係はないのです。
なぜなら、モチベーションに振り回されるよりもっと大事なこと、つまり、
明確にコミットした達成すべき“ゴール”、そして、それに向けてみずからを奮い立たせる“理由”があるからです。
ひるがえって、私たちが身を置いているエコノミー、つまりこのビジネスの世界では、なぜだかモチベーションというものが、やたらと慎重に扱われています。
もしもプロスポーツ選手が、なにかのはずみで私たちの会議に同席し、
そこで「もっとモチベーションを上げて仕事に取り組もう!」などと言いあっている場面に出くわしたら、はたしてどう思うでしょうか。
「結果を出すのがすべての世界にいて、そんなところから始めるの?」と、びっくりするのではないでしょうか。
私は、モチベーションとは、ある意味“信仰”のようなものではないかと思っています。
エコノミーの世界だけで用いられている、誰も見たことがないけれど、まことしやかにささやかれている“幻想”のようなものです。
■モチベーション低下のいちばんの要因はこれ
この際ですが、モチベーションという信仰は捨てませんか。
仕事がうまくいく原因や、うまくいかない原因を、モチベーションのせいにしてしまうと、そこで思考はストップしてしまいます。
本当は、うまくいっていることも、うまくいっていないことも、それぞれにちゃんと検証すれば、
その原因や要因が明らかになるものです。
もしかしたら、要因はモチベーションでなく、「仕事を回すしくみ」だったり、「上司の指示を勝手に解釈してしまっていた」だったりするかもしれません。
原因や要因がはっきりすれば、「次にどう手を打てるか」をしっかり考えられます。
ここで、「原因は、モチベーションが低かったせいです」で終わってしまったなら、「じゃあ次は、モチベーションを高くしてがんばろう」となってしまい、
これだと結局、“やる気論”に終始してしまうわけです。
今よりも良い結果を望めることはないでしょう。
一般的に、モチベーションが上がらない理由というのは、以下のようなことが原因だと考えます。
・やるべき目的や理由が、わからない
・やるべきことの、手順があいまい
・やるべきことが、多すぎる
・やるべきことが、難しすぎる
つまり、これらに共通しているのは、何もかもが「ボンヤリしている」ということです。
モチベーションが上がらない共通の原因として、理解しておきましょう。
仕事がはかどらないことをモチベーションのせいにしそうになったら、
「ボンヤリ」を「ハッキリ」とさせる
ということで解消するのです。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)
肉体の労苦は、精神の労苦を癒す。
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