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なぜ今、原発事故処理水を捨てるのか

なぜ今、原発事故処理水を海に捨てるのか
震災から12年がすぎた。未だに福島は風評被害に中にいる。私が生きてるいる間も処理は終わらないだろう。10年20年いや100年以上はかかるだろう。
これが原発事故の現実だ。


メディアは下記の通りどこも同じ論調だ
 「福島第1原発では毎日約90トンの汚染水が発生。汚染水は多核種除去設備(ALPS)で浄化処理され、大半の放射性物質が取り除かれるが、トリチウム(三重水素)だけは除去できずに残る。
トリチウム水は、さらに海水で100倍以上希釈し、国が定めた排水基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満まで濃度を薄めた後、海に流す。これが「処理水」と呼ばれ、原発敷地内にある1千基余りのタンクに保管されている。
トリチウムは自然界に広く存在し、体内にも微量ながら取り込まれている。各国の原子力施設から海に放出されているが、これまで施設周辺で人体や環境に重大な影響は確認されていない。
中国、フランスは桁違いの排出量
経済産業省によると、海外では韓国の月城原発が71兆ベクレル(2021年)、中国の秦山第3原発は143兆ベクレル(20年)をそれぞれ排出。フランスのラ・アーグ核燃料再処理施設は、1京ベクレル(21年)と桁違いの排出量だ。
海洋放出に反対する中国とロシアは、海洋放出ではなく、大気への水蒸気放出に変更するよう日本側に迫った。福島第1原発でも10年に及んだ処分方法の議論の中でこれを選択肢の一つとして検討したことがある。だが、水蒸気放出は海洋放出に比べ費用が高く、処分完了までの期間も長くなるデメリットがある。海洋放出は世界各国で導入実績があり、放出後の監視や測定についても技術的信頼が高い。
タンク撤去し廃炉作業のスペース確保。
今年7月には国際原子力機関(IAEA)が「国際的な安全基準に合致する」と計画にお墨付きを与えたように、国際社会が認めた最も現実的な処分方法といえる。一方、処理水の保管量は約134万トンに上り、タンク容量の98%に達した。敷地内でこれ以上の増設は難しく、タンクを撤去して廃炉作業に必要なスペースを確保するためにも海洋放出は避けて通れないプロセスだ。」

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簡単に言うとロジックはこんな感じだ
汚染水をALPSで浄化、タンクの増設が難しいので海水で薄めて安全基準をクリアしたから放出します。すごく短絡的だ。安全基準をクリアしてIAEAのお墨付きを与えたからそれでOKならなんで30年もかけて海に放出するんだろう。それは単純に考えれば自然界どんな影響が出るかわからないからだ。
原発の仕組みが分からないと理解できない人がほとんどだと思うが、日本の原子力発電所には主に加圧水型炉(PWR)と沸騰水型炉(BWR)の2種類がありますが、加圧水型炉(PWR)は 原子炉で熱せられた水で、別の系統の水を沸騰させ蒸気を作り、発電します。

福島第1原発は原子炉の中の水を沸騰させて蒸気をつくり,その蒸気で直接タービンを回す方式です。

大きな違いはウランの核燃料で沸かした蒸気が直接タービンを回すか熱交換器の蒸気でタービンを回すかの違いだ。BWR型は圧力容器の外に蒸気を出し直接タービンを回す仕組みなので配管が壊れたら放射能漏れとなる。これはPWRと比べリスクが高いのである。この仕組み理解していること前提に話しをすると福島第1原発は電力を失って冷却装置が作動せず核分裂の制御を失って蒸気爆発。メルトダウンを起こして圧力容器を破壊した。外に漏れたデブリ(放射性物質)は地下水の侵入と冷却水で汚染水としてALPSで処理され処理水としてタンクに保存されて来た。トリチウムの半減期は12年だ。12年目の今年だから古い処理水から海洋放水されこれから30年掛けて放水して行く計画だ。原発の仕組みは理解が難しいので、せめて放射能と放射線の違いを理解してもらいたい「放射線」は、放射性物質から放出される粒子や電磁波のことです。 放射線を出す能力を「放射能」、放射線を出す物を「放射性物質」といいます。 懐中電灯にたとえると、放射線は光、放射能は光を出す能力、放射性物質は懐中電灯となります。


今回の処理水の中には放射性物質がトリチウムだけだではなく他にも210種類あるといわれています。その中でALPSで処理できる放射性物質は62種類です。ただ残りの放射性物質のベクレルが低いから問題ないというだけで今すぐ人体や生物に影響があるというわけではありません。しかし、それが自然界のサイクルにどんな影響があるかは未知数です。なぜならデブリに触れた処理水を海に放水することが初めてのことだからです。
チェルノブイリ原子力発電所事故は1986年4月26日に起きました。大量の放射線物質を放出しましたが最終的に石棺にして放射線を遮断しました。

スリーマイル島原子力発電所事故は1979年3月28日に起きました。蒸気発生器に冷却水を送り込む主給水ポンプの停止により、機器の故障や誤操作が重なり、原子炉内の冷却水が減少して、炉心の上部が蒸気中に露出し、燃料の損傷や一部の構造物の溶融に至りました。しかし、処理水は近くの川には放水されず蒸発気化されています。
よって福島第一原発の処理水は人類初の方法で行う事例です。
ではIAEAや東電は信用できるのだろうか
IAEAは原発の安全審査、福島第一原子力発電所事故の処理などで日本の原子力規制委員会と協力関係にある。.一方で日本は複数の核燃料サイクルを含めた原子力発電政策を進めているため、IAEAの監視・査察を受けている。IAEAの安全基準とは広島、長崎の原爆で被爆した人を調べて放射線が人体の影響を研究した結果をベースに作った安全基準だ。だから人体に影響なくても他の生物に与える影響は未知数だ。
日本原燃の核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)には、IAEAにより24時間体制の監視下にある。これは日本に核兵器を作らせないためでもある。米国主導の組織と言っていい。
ここで表題の何故今、原発処理水を海に放水するのだろうか?それはコストが安いからだ。東京電力の損失を低く抑えるための施策だ。日本の国益よりも一企業の利益を優先したと言っていい。

この記事にあるように日米韓首脳会議で決まった内容に日本政府が条件を付けたのだろう。そしてこの会談後にすぐ放水が始まった。この放水に賛成している国はアメリカ、韓国政府のみで中国、ロシアは反対、ほかのIAEA加盟国は静観の構えだ。そして気持ち悪いのはメディア横並びの論調だ。汚染水をALPSで浄化、安全基準をクリアしてIAEAのお墨付きがあるから大丈夫。タンクの増設が難しいので海水で薄めて放出します。本当に気持ち悪い。一番大切なのは日本の国益です。東電や政治家の利益ではありません。中国人や韓国人の嫌がらせは問題ですが日本製品の輸入をストップすることは安全保障上、貿易国が問題と判断すれば国際法では違法ではありません。それを日本政府は想定外などいったどこかで聞いた言葉で言い訳をしている。たとえそれが風評被害でもだ。
結論から言えば国際問題化した処理水放水を一旦中止するしかないだろう
日本国民の理解が進んでいない
日本製品の輸入禁止による経済損失(魚、食品だけではなく工業製品も含む)
日本に対しての経済制裁(石油、天然ガスの輸出禁止)

これら懸念がある中、次のウクライナ紛争を東シナ海で起こそうとしているか?バイデデン政権の次の狙いが日本VS中国だと思うのは私だけだろうか










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