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ダウンタウンの2人は、最高のアーティスト批評家である。

昨日、フジテレビの特別番組「HEY!HEY!NEO」を観て、その原点である音楽番組「HEY!HEY!HEY!」(1994〜2012年)のことを思い出した。

言うまでもなく、ダウンタウンがMCを務めた音楽番組であるが、もしかしたら、今、10代の方々は、あまり馴染みがなかったかもしれない。

「HEY!HEY!HEY!」の何が凄かったかといえば、とにかく、ダウンタウンの2人が出演アーティストを、完膚なきまでに、徹底的にいじり倒すことだ。(その最初のターゲットにして、同番組を機に一気にブレイクを果たしたのが、T.M.Revolutionこと西川貴教であった。)

当たり前だが、それまで他の音楽番組では、「アーティストをいじる」なんてことあり得ようもなかった。(こう書いておきながら思い出したが、TBSには「うたばん」という最高の番組もあった。)だからこそ、視聴者である僕たちは、「HEY!HEY!HEY!」を通して、アーティストの素顔(時に天然な一面)に触れることができたのである。

アーティストが大切にしている価値観や信条に触れることで、その人が作り出す音楽の本質に迫ることができる。その前提に基づき、音楽雑誌「ROCKIN'ON JAPAN」は、現在に至るまでの生い立ちや変遷を解く「2万字インタビュー」という定番企画を生み出したが、そう、ダウンタウンが「HEY!HEY!HEY!」で行っていたことも、音楽批評というジャンルにおける一つの発明であったのだ。

大げさな言い方かもしれないけれど、ダウンタウンは、最高の音楽批評家、いや、(音楽そのものをいじるわけではないという意味で、)最高のアーティスト批評家なのだと思う。

J-POPシーンにおけるメインの音楽番組として「HEY!HEY!HEY!」が存在していた時代が懐かしいが、同番組のスタイルは、今でも「バズリズム」をはじめとする番組へと継承されている。

それでも昨日、「HEY!HEY!NEO」で、THE ORAL CIGARETTESやSUPER BEAVERのメンバーが、がっつりいじられ倒しているのを見て、やはりダウンタウンは凄いと思った。

「音楽」と「お笑い」が高次元で融合したイノベーティブな音楽番組「HEY!HEY!HEY!」が、いつかまたレギュラー番組として復活して欲しい。



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