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SixTONES、新章へ。更なる革新の旅は、『CITY』から始まる。

【SixTONES/『CITY』】

デビューから2年、これまでの6人の挑戦の日々が美しく結実した作品であり、今作は同時に、これから先の音楽活動における深く壮大なビジョンを堂々と示している。とても素晴らしい2ndアルバムだと思う。

ロック、ジャズ、ファンク、ヒップホップ、R&B、EDM、そしてボカロからゴスペルまで。それぞれの楽曲ごとに、いくつもの音楽ジャンルを軽やかに、無軌道に往来していくスタイルは、前作『1ST』よりも更に強調されている。それでいて、この6人で歌って踊ることの必然性、つまり、SixTONESというグループの信念が全編に貫かれている。

その信念とは、自由に、無邪気に、そして真摯に、果敢な音楽的挑戦に臨むグループとしてのスタンスと言い換えてもよいかもしれない。新しいジャニーズグループの在り方と、新しいアイドルの表現を懸命に追求し続けてきたこれまでの歩みが、今回の2ndアルバム『CITY』に、リアルなドキュメントとして克明に刻まれている。

数々の果敢な音楽的挑戦を通して、最先端のグローバル・ポップに急接近しながらも、同時に、J-POPシーンのド真ん中で響き得るポップネスも強化されている。そして、憂いのジャニーズ歌謡の最新型「マスカラ」(作詞作曲:常田大希)や、極めてクールなテイストが際立つアイドルポップス「フィギュア」(作詞作曲:くじら)が特に象徴的なように、新しいジャニーズ・アンセムとして長く広く愛され続けていくであろう楽曲がいくつも生まれている。

また、今作のコンセプトは、多様な人々が日常を過ごす「街」であり、アルバム全体を通した鮮やかなストーリーテリングの手腕も光っている。一つ一つの楽曲選定から、細かなサウンド・歌唱スタイルのチョイスに至るまで、それぞれのメンバーの意志が全編にわたって貫かれており、創作面においても一つのブレイクスルーを果たしていると言える。

このように、前作からの1年を通して、グループとして大きく成長したこと証明する作品であるが、しかし語弊を恐れずに言えば、今作、および、デビュー以降のこれまでの2年間は、SixTONESの長い旅路における序章に過ぎないのだと思う。

数々の先輩グループが、「アイドル」の、そして「ジャニーズ」の表現の可能性を果敢に押し広げ続けてきたように、これから6人は、6人だけのやり方で、革新的な道を切り開いていくのだと思う。いくつもの挑戦が重なり合った野心的な今作を聴いて、僕はそう感じた。

エンターテイナーとして、無数の人々の人生を彩り、照らし、勇気付けること。そして、エンターテイメントの未だ見ぬ可能性を追求し続けること。それこそが、ジャニーズグループの果てしない命題であり、だからこそ、SixTONESの旅はまだ始まったばかりなのだ。

全力で支持したい。



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