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【月刊ポップ・カルチャーの未来から/23年10月号】 毎年の年末に発表する年間ベストランキングについて。

毎月、雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』に記事を寄稿している中で、たまにふと思うことがあって、それは、雑誌の「〜月号」のナンバリングの仕方って少し不思議だなあということです。『JAPAN』の場合、10月末に発売する号が「12月号」で、実際にその号の制作に携わり始めるのは9月末頃からだったりするので、その時の暦とのギャップに毎回少し混乱したりします。10月末の現時点では、「2024年1月号」の制作に向けた動きが始まっていて、世の中的には、やっと長い夏が終わりハロウィンが来たばかりだというのに、その数字だけ見るとなんだかもう年始に向けた準備をしているかのような気になって、時の流れの速さにクラクラしてきます。

とはいえ、この投稿をした直後には11月を迎え、実際に、あっという間に年末年始がやってきます。年末年始と言えば、僕にとっては、年間ベストランキングの季節です。ライター活動を始めた2018年の年末から、「僕の心を震わせた〜ベスト10」と題した「邦楽」「映画」の年間ランキングを発表し始め、2019年の年末からは「洋楽」を含めた3つのランキングを継続的に発表し続けてきました。

また、2019年からは、その年の中間報告として、毎年6月末頃に上半期のベスト10をまとめてきました。今年からは、スケジュールなどの兼ね合いで、上半期のランキングをまとめるのをストップして年末の年間ランキングのみ発表する形にしようと考えていましたが、やはり「邦楽」のみ、どうにか時間を作って上半期のベスト10を書き記しておきました。


音楽&映画ライターとして活動する僕にとって、年間ベストランキングを公開することはライフワークのようなものになっています。「邦楽」「洋楽」は、それぞれ10曲ずつ、「映画」は洋邦合わせて計10本を選んで、各作品ごとに短評を添えるので、忙しい年末に行う作業としてはけっこうハードではあります。それでも、ポップ・カルチャーのシーンの最前線を日々追い続ける者として、その年の記録を自分なりに残しておきたいという気持ちが強くあります。よく、各メディアが年末にベストランキングを発表していますが、自分の中のノリやテンションとしてはまさにあれに近いです。ただ、それらのランキングが各編集部の総意として作られているのに対して、僕が公開しているものは個人の年間ベストなので、ある意味で自由に好き勝手やっています。僕の年間ベストはあくまでも主観的なものであり、決してその年のシーンの全容を凝縮したものではないということを強調するために、エクスキューズとして記事のタイトルに、「僕の心を震わせた〜」と付けています。

自由に好き勝手にとは書きましたが、絶対に後からランキングの中身は変えないという自分の中での決まりを課しているので、毎年セレクトする際は非常に真剣です。いつもこの時期になると、年間ベストを厳選する上での候補となる作品のリストの精査を始め、いろいろな記事やプレイリストなどを漁りながら、自分が見落としてしまっている作品がないか洗い出し始めます。音楽はいつでもサブスクで聴けるのでよいですが、劇場で公開される映画については、特に夏〜秋公開の作品の場合、配信やレンタル開始が年明けになるケースが多く、それ故に、上映タイミングを逃してしまうと年内に観る機会を失ってしまうので毎回ソワソワします。なので、この時期に公開される映画については、後から後悔しないようにしっかりチェックの目を張り巡らせるようにしています。(とはいえ、どうしても限界はありますが。)


たまに、過去の自分のランキングを振り返って、久々に聴き直したり、鑑賞し直したりします。「邦楽」も「洋楽」も「映画」も、特に上位5作品は、その年における非常に思い出深い作品で、今後の人生において何度も繰り返して聴いたり観たりすることになるであろう大切な作品だったりします。ポップ・カルチャーのシーンの流れは本当に激流のようで、次から次へと新しい作品が登場するからこそ、年末にしっかり自分の観点から記録を残し、たまに振り返ることが大事なのだと思っています。(過去数年間のランキングを振り返った時に何を感じるか、については、追ってこの連載の場で書きたいと思います。)

今年も、あっという間に、年間ベストランキングを選出する季節がやってきました。今回も後悔のないように、とびっきりのランキングを発表したいと思っています。年末や年始にぜひお読み頂けたら嬉しいですし、また、僕のランキングが、読者の皆さんが新しい作品と出会う、もしくは興味を深めるきっかけになったら、もっと嬉しく思います。



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