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セパタクロー熱中時代。vol.7

タイは急激な経済発展により欧米文化が流入して、生活様式が変化しつつあった。それでも郊外の住宅街にいけば至るところにタクローコートがあり、スコールがおさまる夕暮れ時になると何処からともなく人が集まり、セパタクローを楽しむ文化が残っている。

プロリーグも存在して、チーム数は年によって変わるけれど、10チーム程度が4、5ヶ月をかけて、ホーム&アウェー方式で戦う。「マイペンライ(何とかなるさ)」の文化が根付いているから運営は日本人からするとかなり適当にみえるけれど、その競技レベルは恐ろしく高い。

そんな選手たちの頂点とされる代表に選ばれることは最高のステータスだ。世界選手権やアジア大会で金メダルを獲得すれば、莫大なボーナスが約束されている。その代わり代表に相応しい品格が求められ、実力があったとしても素行が悪ければ二度と呼ばれなくなる。

そして、勝利を義務付けられている。これは日本の柔道が金メダル以外は負けと見なされる感覚に似ているけれど、その度合はより厳格だ。セパタクローの世界でタイが負けることはない。いや、絶対にあってはならないことなのだ。

2018年のアジア大会では新種目を加えて4種目が実施されたけれど、競技普及の観点から開催国以外は2種目しかエントリーできない決まりがあった。なぜならば、制限を設けないとタイがすべて勝ってしまうからだ。

それくらい圧倒的に強い。

(続く)

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※写真は仁川アジア大会でも圧倒的な強さを誇ったタイ代表(上)とバンコク郊外の日常の一コマ(下)。

SPOAL「セパタクロー熱中時代。」を一部加筆修正して転載>

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