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【読書記録】乱と灰色の世界1〜7

2021年271〜277冊目(漫画等166〜172冊目)。

群青学舎につづいて友人に勧めてもらった本です。

なりたい自分になるための魔法というのは王道ですね。

何かになりたいという願望とは多分に憧れを含んだ感情だと思います。テレビのヒーローや童話のお姫様のような。その意味で乱の大人になる魔法というのは周囲の大人に恵まれ、愛情を注がれている証左でしょう。

他方で憧れは現在の否定でもあります。

周囲に子ども扱いされることへの反発や何かうまくいかないことがあった時の悔しさを魔法で解決しようとして失敗するのは、現在の環境をそのままに憧れの存在になろうとする矛盾した願いのせいでしょう。ドラえもんののび太くんがひみつ道具で失敗するのと同じパターンですね。

さてストーリーですが、1巻を読んだ時点ではドタバタラブコメを想像していたのですが思いのほかシリアスな展開に。

大人になるための通過儀礼としては重すぎる試練となってしまいましたが、それだけに最後の乱の台詞には寂しさとともに確固たる思いが感じられました。

余談ですが、私の好きなラノベに『ルナティック・ムーン』という作品があるのですが、1巻の敵が同様に寄生虫で、主人公のルナは故郷も家族も無くすことになります。それでもルナは、そこで出会った少女シオンとともに生きていくために旅立ちます。

電撃の黒い太陽の異名を持っていた頃の藤原祐のダークな作品ですがぜひおすすめしたい作品です。

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