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【夏休み特別編】 読書感想文の書き方 〜本の読み方から親のサポート方法まで〜

夏休みといえば、花火、プール、旅行、、、と楽しいことが多く思い浮かびますが、子どもたちにとっては「夏休みの宿題」という厄介な課題もあります。私も小学生のころ、宿題を後回しにしすぎて親にいろいろ手伝ってもらったりしました。

なかでも「読書感想文」には苦手意識がありました。まずどんな本を選んだらよいかわからない。読み終わるのにとても時間がかかる。読んだところで何を書いたらよいかわからない。。。なんでこんな宿題が毎年出されるんだろう、と子どもながらにもやもやした気持ちにもなりました。

そこでこの『伝わるnote』では、私なりに読書感想文の書き方や構成の考え方、順序、例文、書き出し、タイトルなどについて解説したいと思います

読書感想文ってなに?

読書感想文とは、辞書的な定義をまず書くと、「本を読んでその感想や気持ち、学んだことが書かれたもの」です。また、メディアの編集長という立場である私なりの言葉で言うと、「本というコンテンツを読んで、自分がそれにどう向き合い、自分の心がどう動かされたかを、他人に伝えるために文章にしたもの」です。

なぜ夏休みの宿題に読書感想文があるの?

シンプルに考えれば、夏休みは本をじっくりと読む時間があるからです。普段は国語だけでなく算数や理科など様々な今日がありますし、放課後は習い事が多い子どももいます。そのため、たっぷりと時間をとれる夏休みに本を読んでその感想文を書かせるという宿題が出されやすいのです。

最後まで残りがちな夏休みの宿題、1位は「読書感想文」

2021年 株式会社イオレ調べ

株式会社イオレのアンケート調査によれば、最後まで残りがちな夏休みの宿題、第1位は「読書感想文」とのこと。2位の自由研究や3位の日記、4位の工作と比べると、圧倒的に残りやすいことがわかります。つまり、みんなとっつきづらい宿題であることがわかります。(アンケート元プレスリリース

読書感想文の4ステップ

「丸一冊本を読んで、800字もの文章を書く」というと子どもにとっては非常に億劫な宿題で、親にとっても教えることが難しいイメージがありがちです。しかし、いくつかに分けて考えて、1つ1つ片付けることを意識すると、少し気が楽になります。

読書感想文を完成させるには、大きく分けて4つのステップがあります。1つ1つにちょっとしたコツがありますので、順番に見ていきましょう!

1.本の選び方

1つ目のステップは本を選ぶことです。すでに課題図書として指定されている場合もありますが、その中から選ぶにしても、まず本のタイトルや表紙を見て、子どもが興味がありそうなもの、もしくは自分たちの生活の中で関係がありそうなものを選びましょう。

その理由は、読書感想文はその本の内容に対して、どう自分が感じたか、心が動いたかを文字にする作業だからです。ある程度共感できるものじゃないと書きにくいのです。大人ですと、ある程度見識があればどんな分野も新鮮に読むことができるかもしれませんが、子どものうちは興味が湧くものでないと、途中で「読むこと自体が億劫」になってしまいます。まずはそれを避けることだけを意識して、本を選んでみてください。

具体的に探すとなると図書館へ行ったり、本屋さんに行って探すことになると思いますが、とは言ってもたくさんある本の中から選べない!という方は少年読書感想文全国コンクールの課題図書の中から選んでみるのも手です。学年ごとに分かれており、たとえば小学校中学年向けだとこんな本が紹介されていました。

【小学校中学年向け図書】

Amazonのページにはかんたんにあらすじが読めるものもあります。それらを参考にしながら1つか2つまずは買ってみましょう。

2.本を「5ページ」だけ読む

2つ目のステップは本をちょっとだけ読むことです。本を借りたり買ってきたら、まずはその気持ちのまま、4-5ページでもいいので、読んでみてください。その本を選んで家に持ってきたという状態は、少し読書に対して前向きになっている状況です。できるならその前向きな気持ちのまま、数ページだけでも読んでみると、次に読むときのモチベーションを少しだけ上げることができるのです。

3.構成メモを取りながら読む

3つ目のステップは「メモ」をとりながら読むことです。読書感想文は「本というコンテンツを読んで、自分がそれにどう向き合い、自分の心がどう動かされたかを、他人に伝えるために文章にしたもの」です。つまりメモに自分の心の動きを書き留めておくのです。

しかし、本を読み進めるうちに、だんだん途中で感じていた気持ちが薄くなって、「あれ?最初のほうってどんな気持ちで読んでいたっけ?」と忘れてしまいます。それを防ぐために、メモをどんどん使ってください。

【用意するもの】
・どこにでもある付箋(ふせん)
・筆記用具

では、どんなことを書いたら良いでしょうか。まず最初は、読み始める前のイメージを書き留めるようにしましょう。すでに5ページほど読んだ段階でもよいです。そのあとは特に頻度は気にせず、自分の心が動いたら付箋をどんどん貼っていきましょう。「すごい!」「感動した!」「悲しい」「知らなかったー」「なんで?」などなど・・・

読み終わった後は、書いた人(筆者/著者)が何を伝えたかったか考えてメモするようにしてみましょう。

4.「4つの要素」で書く

読書感想文は「自分の心がどう動かされたかを、他人に伝えるために文章にしたもの」です。最後は人にその本当と自分の心の動きを伝えなくてはなりません。そう考えると、書くべきことは下記4つにまとめられます。


【書くべき4つの要素】
・どんな本を読んだか(10%)
・その本を読んでどんなことを感じたか(40%)
・本を読んでみて考えた自分の意見(40%)
・まとめ(10%)

理想とするだいたいの割合も書きました。コツはあらすじを少なくすることです。ありがちなのは半分以上あらすじを書いてしまい、書いた気になってしまうこと。それでは「どんな本か」は読み手に伝わりますが、「自分の心がどう動いたか」はなかなか伝わりません。ぜひバランスも考えながら書き進めてみましょう。

感想文は「カレー」といっしょ

最後に感想文は必ず書き終わったと思ったら1日おいてください。そうカレーと同じで、1日経つと美味しくなるのです。

1日置いたあと、じぶんでまずは感想文を読み直してみましょう!誤字脱字が見つかったり、もっと書き足せたりすることがあります。また自分の気持ちを再確認することにも役立ちます。さらにお父さん・お母さんにも一度読んでもらうと、より良い感想文になるかもしれません。

タイトルの付け方

タイトルは読む人の興味を惹かせる文章の「顔」のようなものです。そのため、感想文の内容の中で一番自分の心が動いた言葉や場面などについて書かれていると、読者にとってスムーズに読むことができます。また、シンプルにその本のタイトルを引用して、自分自身の体験と結びつけるというのも面白いです。

・「桃太郎」と私の夏やすみ
・「羅生門」に学ぶ友だちとの遊び方
・私は「宝島」を見つけることができるのか

親のサポート方法

Q.なかなか本を読み始めない

A.一緒に声に出して読んであげましょう。
最初は重い腰があがらないものです。「早く読みなさい!」と言いたい気持ちをこらえて、まずは一緒に読んでみることから始めてみましょう。「読む」より「聞く」のほうがハードルが低く、意外と自分の気持ちがストレートに出てきたりもするものです。

Q.本の感想が出てこない

A.親子でおしゃべりしよう。
読むことができてもなかなか気持ちや感想が言葉にできないことがあります。そんなときは読んだ内容を親子でおしゃべりしてみましょう。この登場人物はどんな気持ちで行動していたかな?この行動は良いと思った?悪いと思った?XXさんならこんなときどうする?私はすごいここでびっくりしたよ。。。という具合に。

Q.例文などを参考にしたい

A.下記のサイトで「青少年読書感想文全国コンクール」「その他のコンクール」過去に入賞(入選)したものを参考にしてみましょう。

〈2021年度〉第67回上位入賞者一覧

<小学校低学年の部>

大塩理奈 神奈川県 横浜市立瀬ケ崎小1年
「おねえちゃんって、いっつもがまん!?」(岩崎書店)

<小学校中学年の部>

西崎千青 岡山県 倉敷市立倉敷東小4年
「二平方メートルの世界で」(小学館)

<小学校高学年の部>

泉奏花 千葉県 国府台女子学院小学部5年
「15歳の日本語上達法」(講談社)

<中学校の部>

広瀬健伸 茨城県 洞峰学園つくば市立谷田部東中8年
「牧野富太郎 日本植物学の父」(汐文社)

<高等学校の部>

河西俊太朗 長野県 松本深志高1年
「水を縫う」(集英社)

青少年読書感想文全国コンクール

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