「芋食健美」~カリウムって何だろう~
こんにちは。
干し芋の鶴田商店です。
芋食健美コーナーでは、前回は、食物繊維をご紹介しました。
今回は、干し芋にも豊富に含まれる「カリウム」についてご紹介します。
私も、そもそもカリウムって聞いたことあるけど、何?と言われるとなんとなくカラダにとって良い栄養分であることくらいの知識でしたので、簡単ですがまとめてみました。
1,カリウムとは
そもそも、カリウムはミネラルの一種です。生物界に広く分布しているミネラルで、生命維持する上で欠かすことのできない大切な栄養素です。そして、カリウムには、ナトリウムと密接な関係があります。カリウムとナトリウムは、細胞の内液と外液の浸透圧を均等に保つ役割があり、ナトリウムが過剰になると、浸透圧が上がり血圧が上昇しますが、この時、カリウムが充分にあると、余分なナトリウムを排出してくれるのです。
2,カリウムが必要な理由
日本人の食生活は、諸外国に比べてナトリウムの摂取量が多いため、カリウムの摂取は重要と考えられています。
・ナトリウムを摂取する食品
塩、しょうゆ、みそなどの食塩を含む調味料やハム、ウインナー、練り製品、即席めんなどの加工食品、漬け物などにも多く含まれています。また、食品添加物の多くには、グルタミン酸ナトリウムなどとしても含まれます。
・食塩摂取量の状況
食塩摂取量として1日6g未満が推奨されています。実際の調査による日本人の1日の食塩摂取量は平均9.7g。その内、6.5gを調味料(しょうゆ1.6g、みそ1.2g、塩1.2g、その他の調味料2.3g)で摂取しているのです。推奨の摂取量より3.7gも平均値として過剰に摂取しているのが現在の日本の食生活です。
・これまで以上に摂取すべき栄養素
「日本人の栄養摂取基準」が定められていますが、2005年度に新たに日本人がこれまで以上に摂取すべき栄養素が4つ追加されました。その4つは、先日ご紹介した「食物繊維」をはじめ、「カルシウム」、「不飽和脂肪酸(DHA・EPAなどの)」、そして「カリウム」です。
ナトリウムの過剰摂取により、高血圧や脳卒中の発症つながることがわかったため、これを改善するために「日本人はもっとカリウムを摂取すべき」となりました。
3,カリウムの効果
・高血圧予防
カリウムを必要量摂取することでナトリウムの排出を促進し、高血圧になるリスクを軽減する効果があります。先にご紹介したように、カリウムとナトリウムの関係性が大切で、ナトリウムも体に必要なミネラルですが、過剰摂取により高血圧を発症する原因となります。カリウムは腎臓の働きで汗や尿として排出されます。カリウムの排出時には、同量のナトリウムも排出されるため、バランスの良い食生活をすることで、ナトリウムの摂取量が多少増えても過剰摂取にはなりません。
・むくみ予防、改善
カリウムの摂取によりむくみの解消や予防効果があると言われています。ここでも、ナトリウムとのバランスが大切になってきます。細胞内では、ナトリウムとカリウムの濃度は一定のバランスを保つための「ナトリウム・カリウムポンプ」といわれるものが存在します。
ナトリウムの過剰摂取、またはカリウム不足で、カリウムとナトリウムのバランスが悪くなると、細胞内のナトリウム濃度を下げるために水分を取り入れます。これにより、血管壁が水分で膨れるため血圧が高くなり、むくみとなって現れます。やはり、カリウムとナトリウムをバランス良く摂取することが大切です。
・筋肉維持
カリウムとナトリウムをバランス良く摂取することが、筋肉を正常に収縮することにつながり、筋肉を維持する効果があると言われています。ナトリウムとカリウムの筋肉細胞への働きかけにより筋収縮が行われます。
4,カリウムの摂取
カリウムの摂取量は成人の場合、男子:2500mg、女子:2000mgが目安とされています。高血圧予防を目的とする場合、3500mgの摂取量が推奨されています。
・カリウムが豊富に含まれる食材(100gあたりの含有量mg)の例
海藻類:乾燥昆布 5300,干しわかめ5200,乾燥ひじき4400,焼き海苔2400
調味料:ベーキングパウダー3900, カレー粉1700,黒胡椒1300,ケチャップ470
野菜類:切り干し大根3200,唐辛子2800,かんぴょう1800,にんにく530,ほうれん草490,かぼちゃ480,たけのこ470,サラダ菜410,セロリ410,にら400
飲料:粉茶2700,ココア730,茶340,トマトジュース260
豆類:乾燥大豆1900,きな粉1900,えんどう豆970,納豆700,ゆで大豆570
魚介類:煮干し1200,かつおぶし940,干しえび740,鯛500
肉類:ビーフジャーキー760,生ハム470
果物:干しぶどう740,アボガド720,干し柿670,バナナ360,メロン350
含有量の多い食材は、正直、なかなか100g食べることは難しいものが多いように思いますので、色々な食材を組み合わせて摂取すること良いですね。
・カリウム摂取のポイント
ナトリウム(塩分)とのバランスが大切です。ナトリウムを過剰摂取すると腎臓で尿へカリウムも一緒に排泄されます。ナトリウムの過剰摂取によりカリウム不足になってしまうため、およそカリウム1に対してナトリウム2のバランスで摂取すると良いようです。
また、カリウムは調理による損失も多く、煮物料理では30%も流出してしまうのです。ただ、煮汁も食べるで流出したカリウムを摂取することができます。また果物や野菜などは、生のまま食べることで損失もありません。
5,干し芋でカリウム摂取
実は、干し芋には、なんとカリウムが100gあたり980mgも含まれています!これは、カリウムの1日の摂取目標量の約30~38%です。干し芋100gは、サイズにもよりますが、2~3枚程度とお召し上がりいただくイメージです。同じさつまいもの加工でも、焼き芋は280mgと大きな差があります。干し芋は乾燥させた分、効率よくカリウムを摂取できるのです。また、調理いらずでも持ち運びもできますし、いつでも気軽にお召し上がりいただけます。
6,まとめ
カリウムは、人体、そして現代の日本人にとっては、大切な栄養素であり、さらには、ナトリウムとのバランスがとても重要であるということがわかりました。日本人の塩分摂取量の多さを改めて感じましたし、意識しなければ、塩分を、知らず知らずに過剰摂取していることもあります。これからは、食生活においては、塩分の摂取をなるべく抑制しながら、カリウムを意識して摂取して健康を維持できるようにしていきたいと思います。
ぜひ、皆さまも干し芋で、美味しくカリウムを摂取してみてはいかがでしょうか。
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