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ちんこすこう開発者は見た!#23 沖縄県宜野湾市長選での“ディズニー”計画

夢と魔法の王国、ディズニーリゾートの誘致を実現します!――。

2016年1月。普天間基地を有する宜野湾市の市長選挙で、このダイナミックな構想が候補者からぶち上げられた。
あまりに荒唐無稽な計画に「デニーズ」かな?と何度も公約を読み返した筆者だったが、当の候補者は演説でもがっつり「ディズニー」を連呼しており、ちょっとした衝撃を受けた。しかし、もっと驚いたのは、その候補者が当選を果たしたことだった。

そして時は過ぎ、2021年現在。

ディズニーはもちろん、デニーズすら沖縄には進出していない。

普通に考えれば、人口が140万人しかいないこの島に、今や年間3,000万人の入場者数を誇るディズニーリゾートがわざわざ進出するメリットはない。また、観光客に人気の「沖縄美ら海水族館」の年間入場者数ですら300万人ほど。観光ニーズにも限界があるのは明らかだ。

実はこの選挙戦の際、筆者は、知人でこの候補者の熱心な支援者の方から「決起集会」に誘われた。通常であれば面倒なので断るところだが“普天間ディズニー”に興味があったことから、参加してみることにしたのだった。当然、候補者本人に事の真相を聞いてみるという企みも忍ばせつつ、足を運んでみた。

しかし、会場である市内の結婚式場は満員で中に入ることすらできない状況。「わざわざ来たのにこれかよ、帰るべ」と、立ち去ろうとしたその時、誘ってくれた知人が紅潮した顔で現れた。

「来てくれたの?すごい熱気でしょ!勝つはずよ」

そうだね!と話を合わせつつ、候補者に直撃するのは不可能と悟った筆者は「ところで、あのディズニーって本当なの?」と知人に尋ねてみた。すると「わからん、できるはずよ!」との返事。
その瞬間、筆者は確信した「ないな」と。

政治に関して筆者はノンポリのポジション取りをしている。なので、この候補者を今更責める気は毛頭ない。しかし、実は嘘だったのか、努力してダメだったのか、その経過報告くらいは有権者に対して丁寧に説明して欲しいところだ。

「当選したら公約は無視」という政治的風潮に対して「ひのきの棒」くらいの一撃を加えておきたいという思いもあり、“普天間ディズニー”の件をここに記させていただいた。ダメージはゼロだと思うが。

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