「サードドア」

「サードドア」(アネックス・バナヤン)は読み応えがあった。

本題は、日本語に訳すと「第3の扉」だ。

著者によると、扉には3種類ありまして。

「第1の扉」が99%の人たちが並ぶ、入れるかどうかも分からない扉。「第2の扉」は、親から引き継いだ生まれながらの人、有名人などが入る、いわば、裏の扉だ。

そして本題になっている「サードドア」(「第3の扉」)は、工夫を重ね、何百回もノックし開ける、扉だ。

本書の扉は、著者の気になる著名人に会って、直接、話を聞くことである。取材と言って良い。

著者は、当時、10代後半の大学在学中の若者である。インタビューイーの目標は、レディ・ガガやビル・ゲイツといった、ふつうに生活していたら会えるはずのない人たちだ。ネタバレになるので、じっさいに会えたかどうかは、ここでは書かない。

本書を読んでいて気づかされたことは、取材は、なにもインタビューイーに合うだけでなく、その過程も、取材なのだということである。

その人物についての著作やウェブサイトを読みあさる。合うために、手当りしだいにコールメール(飛び込みメール)を出すこと。

ターゲットに近いひとへのアプローチ、「どうすれば目標を達成できるか」について、さまざまな人からアドバイスを求めること。

「すべてが取材なんだなぁ」という感想を得た。ターゲットに会うよりむしろ、この過程や体験の方が貴重だったとさえ、おもったわけ。

その過程で奇遇を得たラリー・キングの、取材のためのアドバイスなど金言なんだよねぇ。








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