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文化鍋で炊くおいしい御飯


我が家のお米を自分でブレンド

我が家で使っているお米は、
大概いつも3〜5種類のお米を自分で混ぜ合わせています。
基本をジャスミン米にし、そこにライスベリー(黒米)、玄米、赤米、山岳米です。

左:ライスベリー 右:リス族のお米

先日、リス族の方が街まで自分の畑で採れた作物を売りにきたので、天然100パーセントのはちみつとお米を買いました。

それぞれのお米をジップロックに保存し、
ある程度まとまった量のお米を自分で好きな分量で混ぜ合わせます。

いわゆる”タイ米”は我が家では食べません。
タイ米は、タイ国内で一番低価格で買えるお米で、
大衆食堂や屋台で出てくるお米です。
炊き立て(または温かいうち)は美味しいのですが、
一度冷えてしまうと表面がベタつき、ボロボロな食感、そのため味がガクンと落ちてしまいます。

ジャスミン米は香りがとてもよく、日本のお米よりもさらっとした感じで、タイのカレーやお惣菜によく合います。

おかずに合うだけではなく、年間通して暑かったり、雨季の湿気の多いような環境下でとても食べやすい口触りと香りのお米なんだなぁと思います。
胃に重く溜まらないのも気に入っているところ。

そこに色々な山岳米を自分でブレンドすることで、香りと味がより良くなる(面白くなる)ので、我が家ではいつも自宅でブレンドして楽しんでいます。

文化鍋のすゝめ

日本の実家では今も昔もご飯を炊くときに使うのは文化鍋です。
夕方、ごはんを炊く音は
「カタカタカタカタ……!」
という、沸騰した湯が文化鍋の蓋を持ち上げ踊り出している音です。
木のまな板で何かを切っている音、ご飯を炊く音を聞くと
何かホッとする気持ちになります。

子供の頃から台所での祖母や母のお手伝いは、

  • 胡麻すり

  • 鰹節削り

  • お米研ぎ→ご飯炊き

でした。小さい頃からやり続けると、やはり自然と身についているものなのですね。

大学進学のために実家を出てからも、
私は電気炊飯器を買いませんでした。

スウェーデンに住んでいた頃は、
文化鍋ではないものの、手頃な大きさの鍋でご飯を炊いていました。
20年以上前からのスウェーデンも、タイも調理用コンロはほぼオール電化になっていましたので、その電気コンロ(IHではありません)で調理をするのはもう慣れっこです。

実は数年前に我が家では初めて”良い電気炊飯器”というものを購入してみたのです。”圧力釜炊飯器”というのに惹かれて購入した某有名日本の会社の電気炊飯器(その他の調理・予約機能付き)は、もちろん共働きの我が家で大活躍してくれました。
夫だってスイッチ一つでご飯を炊くことができますし、
一般的な簡易炊飯器よりも美味しく炊き上がっていました。

ただね、やっぱりちょっと物足りないんですよ。

我が家の3号炊き文化鍋

今回、ひょんなことから私は文化鍋を手に入れることになりました。
久しぶりに日本の台所に戻り、母が今も文化鍋や鰹節削りを使って料理をしているところを見て、何かが動いたのかもしれません。
この文化鍋を購入したのは夫でした。

このちょっと不思議な形をした文化鍋に興味を持ち、
私にご飯の炊き方を教えて欲しい!と言ってきたのです。

久しぶりに文化鍋で炊くご飯。
ちょっとドキドキしました。

昔実家で炊いていたのとは違う状況です。
日本米以外のお米を、
電気コンロで炊く。

「大体はわかるけれど、1回目は様子を見たいから、うまくたけないかもしれないよ。その後色々調節すれば大丈夫だと思う。」

と夫には言っておきました。

日本米よりサラッとしているお米を使うので、お水に浸す時間を長めに取っておきました。
手の甲で水の量を計り、
いつもと同じように炊いてみました。

なんだか様子が違います。
ぶくぶくと吹き出すはずの、沸騰したお湯の泡が少なく感じたのです。

仕上がりは結局、”失敗”とまではいきませんでしたが、
芯の残らない程度で、ちょっと硬めのご飯が炊けました。

「お水の量が少なかったんだと思う。今度はちょっと多めにしてみようかな..」と私は反省したのですが、

夫はというと、この文化鍋で炊いたご飯のおいしさにとても感動していました。味も、香りも全然違う!!!(笑)

二日目。
夫婦ともども外出して、夕方戻る予定だったので、午前中の出かける前にお米を研ぎ、水に浸しておきました。その時点では前日と同じ分量の水にして、どれくらいお米が水を吸い上げるのか知りたかったのです。

夕方帰宅して、手の甲で水の分量を見てみると、
やはり大分お米が水分を吸っていました。

そこからまた改めて、少しだけ水を足し、
また、同じように炊いてみました。

すると、今度はいつものぶくぶくになったのです!

「あ!これこれ!この音だよ!!吹き出し加減もこんな感じ!」

絶対に蓋を開けちゃダメだよ!

夫はこれをみて、文化鍋がなぜこんな形なのかを理解し、とても感動していました。その機能を追求し、そしてシンプルに作り上げられた形。
まさに機能美ですね。

2日目に前回から反省点を調整して炊き上げたお米は、
ふっくら、もっちもち、香り高い、本当に美味しいご飯になりました。

うん、本当に美味しい。

電気炊飯器とはやっぱり違います。

結局、改めてこの文化鍋と電気炊飯器とのメリットと考えてみたところ、
文化鍋のメリットの方が完全に多いことに気がつきました。

  1. 電気炊飯器に比べて文化鍋の購入価格が安い

  2. 文化鍋は(取手以外)ほぼ壊れないので一生物

  3. 軽く、そして場所を取らない

  4. 鍋として他の調理もできる

  5. 米を研いで水に浸しておけば、帰宅して実際の炊く時間は10分ほど→電気代節約

  6. 野外でも、停電の時でもご飯が炊ける

  7. 断然美味しい

  8. うっすらお焦げが香ばしいおまけの美味しさ付き

デメリットといえば、、
やはり最初の頃はお米の種類との火加減の調節を覚えるということでしょうか。
でも、これはデメリットなのかな?
なんでも初めてのものはやってみて、
失敗しながら、上達していくのが楽しみの一つでもあると思うのです。

今回再び文化鍋を使ってご飯を炊くようになって、
目ももちろん使いますが、
結構耳を使って音の感覚を頼りにご飯を炊くものだな、
と面白く感じました。

炊き方がちょっと違うだけで、お米がこんなに美味しいって幸せです。

文化鍋でのご飯の炊き方(3合鍋:日本米)

1.文化鍋の中で米を研ぐ。
2.鍋に水を張る。手のひらを下に向けて米の上に置き、水が手の甲の指の根もとの関節まで届くほどの水分量が目安。
3.急ぎであれば、30分~1時間ほど浸漬する。朝、炊くのであれば前日の夜寝る前に浸漬しておく。夕方の帰宅時に炊くのであれば、出かける前に浸漬する。
4.ガスレンジの強火で加熱し、沸騰したら中火にする。
5.そこから5分ほどで弱火にし、さらに5分ほど加熱する。
6.パチパチ、チリチリ、という水分がなくなった状態でお米が加熱されている音が聞こえたら火を止める。
7.文化鍋ごとタオルに包み、保温しながら蒸らす。(←私が勝手にいつもしていること)

おまけの美味しいお焦げおにぎり

昔、祖母が毎日ご飯を炊いてくれていた頃。
いつも、文化鍋の底にできたほんのりお焦げで小さなおにぎりを作ってくれていました。
ちょっとだけカリッとして、
香ばしい香り。

今日は文化鍋で炊くご飯に付いてくるおまけの美味しいレシピのご紹介で終わります。

1.ボウルに文化鍋の底にできたほんのりお焦げを入れます。
2. お好みで、おかかまたはおにぎり昆布、胡麻を少々入れ、醤油をさっとまわしかけて軽く混ぜ合わせます。
3.最後にほんの少しだけごま油を、ちょんちょんと垂らし入れ、サクッと混ぜて、おにぎりを握ります。
4.海苔なしで十分美味しいです。

文化鍋おすすめです。
もしも機会があれば、ジャスミン米、玄米と好みの他のお米を混ぜて文化鍋で炊いてみてください。
電気代が節約できる上に、簡単で本当に美味しいんですよ。



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