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田舎のスーパーの店員さんは、たくさんの仕事を抱えています。【L#1】

病院には様々な人が訪れます。脳神経外科の外来にも様々な方が通院してきます。いろいろな疾患を抱えている方が多いですが、なるべく笑顔になってもらおうと取り組んでいます。そんな中、逆にこちらを笑顔にしようとしてくる方がいます。脳神経外科外来では、無料のサービス を感じることができます。

突然の左手の動かしにくさを感じて、病院を受診したコニさんという方がいます。MRIを撮像すると右の脳にパラパラと小さな脳梗塞がありました。その日のうちに入院して治療するとともに、脳梗塞の原因を調べました。原因は頸動脈という血管が狭窄していて、そこから血栓がパラパラと飛んでいるとわかりました。そのため頸動脈をステントで広げる手術をしました。

頸動脈をステントで広げても、また狭窄する可能性があります。そのため定期的な画像の検査が必要です。

コニさんは、田舎の過疎地に住んでいる80代の女性です。
娘さんに運転させて、わたしの外来に通ってきます。1時間以上かかります。

そんなコニさんと娘さんとの外来診察室での会話です。

わたし「娘さんも大変でしょ、近くの病院に紹介状を書くから、そっちで薬出してもらったらいいんじゃない?」

コニさん「(ツーーーーーーン)」

娘さん「大丈夫です。時々地元からでて都会にくるのも認知症予防になると思いますし、ほかの科の受診もあります。すいません、ありがとうございます。」

わたし「そうですか。やさしい娘さんでよかったですね、コニさん。それで最近はちゃんと朝ご飯とか思い出すようにしてます? 認知症とか気を付けてます?」

コニさん「ふふふ、そうね、近くにスーパーがあるんだけどね。買いたい物忘れて2回とか行くこともあるのよ。そしたらね、スーパーの人がね、”コニさんコニさん、1日4回以上スーパーくるようなら認知症だって娘に電話するからね!!"っていうのよ。田舎だと見守られている感があって良いわよねぇ。」


「認知症に気を付けているか」の話なのに、田舎のスーパーの温かいサービスの話になってしまいました。

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