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【かんたんまとめ】ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

ピアーズ・スティールさんの「ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか」を読んだので、簡単にまとめておきます。

この本は、ついつい大事なことを先延ばししてしまう人に、とってもおすすめです。

「よくある自己啓発本でしょ?」と思われるかもしれませんが、ビジネススクールの教授である著者が脳科学や心理学をもとに学術的に研究した結果が、この本になります。

僕自身読んでいいて、この本が良いなと思った点は独自の診断テストがあることです。1つは、自分の先延ばし癖があるかがわかるテスト。もう1つは、自分の先延ばしのタイプがわかるテストです。

診断結果をもとに、タイプ別の解決方法が紹介されているので効率的に読むことができました。
(とはいえ、全部の解決方法が参考になります。1周目は自分のタイプの解決方法を中心に読んで、2周目に全部読むと良さそうです)

なぜこの本を読んだのか?

少し前にTwitterでどなたかがKindleのおすすめ書籍でこの本を紹介されていて、心にとまり、ついポチりました。心にとまった理由は、僕自身に先延ばし癖があり、やりたいと思っていたことを実行できていないと思ったからです。

先延ばしを解決する方法

この本では、先延ばしの解決を方法が3つのカテゴリ、13個紹介されています。

3つのタイプと解決方法

  • どうせ失敗すると決めつけるタイプ

    • 成功の螺旋階段

    • 鼓舞される物語・仲間

    • 脳内コントラスティング法

    • 失敗を計算に入れる

    • 先延ばし癖を自覚する

  • 課題が退屈でたまらないタイプ

    • ゲーム感覚・目的意識

    • エネルギー戦略

    • 生産的な先延ばし

    • ご褒美効果

    • 情熱を燃やせる仕事

  • 目の前の誘惑に勝てないタイプ

    • プレコミット戦略

    • 注意コントロール戦略

    • ゴールを設定する

このnoteでは、僕が特に良いなと思った2つの方法を書き残しておきます。(ちなみに、僕は「目の前の誘惑に勝てないタイプ」の傾向が強いと診断されました)

脳内コントラスティング法

1つ目に紹介したいのが、どうせ失敗すると決めつけるタイプの「脳内コントラスティング法」です。

【脳内コントラティング法のやり方】

・まず、邪魔の入らない場所で腰を下ろし、心を落ち着けて頭の中を空っぽにする。そのうえで、自分が送りたいと考える人生の未来像を思い浮かべる。
・次に、恋愛や、仕事、健康、家庭生活など、思い浮かべた理想の未来を構成する個別の側面に目を向ける。
・その未来像を魅力的と感じる理由を具体的に思い描く。そのために、日記をつけてもいいし、写真を集めてもいい。あるいは、単に静かに思いを巡らせるだけでもいい。
・そのあと、理想の自分と現実の自分を対比させる。重要なのは、両者のギャップをくっきり際立たせること。理想の未来を思い浮かべたときと同じくらい明確に、理想と現実のズレを意識しよう。
・理想と現実のギャップをはっきり意識したうえで、それでも理想の未来を実現できる可能性に楽観的でいられれば、目標達成に向けたモチベーションがいっそう高まる。ギャップを埋めるために積極的に行動しはじめると、先延ばし癖は消し飛ぶ。やるべきことが明確になると、やる気がわいてくるのだ。

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

どうせ失敗すると決めてしまうタイプは自信を失っています。そのため、解決方法の特徴として、成功体験を少しずつ積んで自信を深めていく点があります。

ただ、脳内コントラスティング法は少し異色です。

著者曰く、楽観的が過ぎると「今やらなくても、なんとかなるでしょ!」といったように逆に先延ばしをしてしまう傾向があるようなんです。

じゃあ、どうやって先延ばしを防ぐか?それが少しばかりの悲観です。脳内コントラスティング法は楽観と悲観を組み合わせです。先延ばしをせずに実行した未来と何もしなかった未来を両方想像することで、目標を達成する気持ちが高まるそうです。

僕も実際にやってみましたが、モチベーションと危機感を感じて、自分の背中をグッと押されました。

ゴールを設定する

2つ目に紹介する解決方法は、目の前の誘惑に勝てないタイプの「ゴールを設定する」です。

【ゴールを設定するのやり方】

・ゴールを具体的に設定する。ゴールを達成したときに、自分ですぐわかるようにするのが狙いだ。「なにを成し遂げるべきなのか?」「いつまでに実行すべきなのか?」を明確にする必要がある。「経費を報告者を作成する」という漠然とした目標を掲げるのではなく、「レシートを全部集めて、項目別に分類して集計する。それを明日の昼休みまでに終わらせる」という目標を立てるほうが効果的だ。
・長期のゴールを短期のサブゴールに分割する。ことのほかやる気をくじかれる課題に関しては、超短期のミニゴールを設定して、モチベーションをいだく妨げになっている最初の壁を破るといい。たとえば、課題図書を読む必要があれば、最初の数ページを読み通すことをさしあたりのゴールにする。そのゴールを達成したときにはたいてい、最後まで読み続ける意欲がわいてくるはずだ。
・ゴールに向けた行動を習慣化し、ある一定の環境で--とくに、同じ場所と同じ時間に--その行動を取るものと決める。予測可能性を高めることが習慣化の後押しになるのだ。手帳を開いて、規則正しく課題に取り組むよう予定を記入してしまおう。鉛筆で書いてもいいが、消せないようにペンで書き込むと、もっと有効だ。

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

「ゴールを設定する」は、成功の螺旋階段と似た解決方法です(違いは、成功の螺旋階段は、小さい成功体験を早く得ることに主眼が置かれていて、こちらはゴールを設定することに主眼が置かれていることです)。

目標の大きさによりますが、多くの人にとって先延ばしをしてしまうほどの目標は行動を積み重ねることでやっと実現することだと思うんです。

目標が大きいほど、その大きさに圧倒されて、あと回しにしてしまいます。そんな時にゴールを設定するが役に立つと僕は解釈しました。

まずは具体的なゴールを設定する、そのゴールをサブゴールを気後れしないくらいの粒度に分けていく。その粒度にすることで、先延ばしを防ぐことができます。

最後に

巷で完璧主義が先延ばし癖の原因だと言われることがあります(僕も聞いたことがあります)が、著者曰く、完璧主義と先延ばし癖に統計的な関係性ないとのことでした。先延ばしと関係があったのは、人の衝動に対する反応だそうです。つまり、目の前の誘惑に負けやすいほど先延ばしをしてしまうんです。

この本には、目の前の誘惑に抵抗するtipsがたくさん紹介されているので、先延ばしで困っている人にはぜひ読んでほしいです。


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