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外れ値を楽しむ。ユニークなプロダクトを作る理由

まずはこの写真をご覧ください。
何が収納されているかわかりますでしょうか?

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実はこれ、コードレス掃除機のアタッチメント専用ケースなんです。

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コートを模したデザインにすることで、保管場所に困る掃除機のアタッチメント類をスマートに収納するプロダクトとして仕立てています。

objcts.ioではこういったプロダクトを定期的に製作しているのですが、今回は他の例にも触れつつ、その理由についてお話できればと思います。


奇抜さに隠された大きな意味

こちらはご覧になったことがある方もいるかもしれませんが、クリエイティブ・コンサルタントの市川渚さんと共同開発した、ドローン(Mavic Air)専用のバッグです(これをベースにした新作ウェイトリストの受付中です)。


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このようなプロダクトを見ると、多くの方が驚き、そして「どうして作ったの?」と尋ねてきます。

実は私自身、こう言ったプロダクトを作る企画には前職の土屋鞄時代から携わっており、それがobjcts.ioの生まれるきっかけになったと言っても過言ではありません(objcts.io代表の沼田が企画し、私もデザインと製作を手掛けていました)

作ったものは「カメラレンズのキャップケース」「レコードケース」「ケトルマット」など多数あります。



このようなプロダクトや作品の製作には大きく以下の3つの意味があると感じています。


1.ブランドの独自性の表現
2.作り手としての視野の拡大
3.定番プロダクトのクオリティ向上


1つずつ説明していきます。


1.ブランドの独自性の表現

例えば...
LOUIS VUITTONが製作したこちらのスニーカートランクは、ブランドコンセプトである"旅"を彷彿とさせ、彼らが創業当時から作り続けてきた旅行用トランクに対する情熱を感じる仕立てになっています。


また、今夏話題になっていたこちらの土屋鞄のスイカバッグには経年変化が楽しめる革が用いられ、ランドセル作りで培ってきた技術がプロダクトに落とし込まれています。

革製品として高いクオリティを持ちながらも、中に入れる物は日本の夏を感じさせるスイカという遊び心から、"土屋鞄らしい"モノづくりを楽しむ姿勢が感じられますね。


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このように振り切ったユニークな製品や作品は、各ブランドの個性をより強く主張する存在となり得ます。

objcts.ioは"デバイスの収納に適した機能性と、上品な革を用いたブランド独自の審美性を併せ持った美しい製品を作ることで新しい価値を生み出そうとしている"のですが、これを多くの方々に説明し、理解していただこうと思うとなかなか難しい。

私たちの製品を使ったことがない方々に伝えたいときはなおさらです。

そんなとき、ブランドの個性的な一面が垣間見えるプロダクトを見せることが有効なコミュニケーション手段になることがあります。


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先ほどのアタッチメントケースに興味を示す
Takram緒方さん(中央)、Takram渡邉さん(右)


一目見せるだけで、自分たちが何者であるかを直感的に伝えることができるのです。


2.作り手としての視野の拡大

個人的な経験から感じることですが、ユニークな製品・作品づくりに携わったデザイナー、職人は漏れなく作り手としての視野が拡がります。

なぜなら、特殊なプロダクトを作るときには特殊な設計と技術が必要になるからです。


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経験したことがないモノづくりに挑戦しなければならないので、失敗することももちろんありますが、成功したときには新たな経験値と選択肢を獲得することができるのです。

革製品と一括りに言っても、
・メンズバッグ
・レディースバッグ
・ハードな質感のバッグ
・ソフトな質感のバッグ
・小物製品
と、様々で、

それらを美しく仕上げるためには、作り手の同種の製品に対する経験値の高さと視野の広さが鍵を握ることは言うまでもありません。

これはファッション製品に限らず、あらゆるモノづくりに共通することかもしれませんね。


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私自身、革製品に携わり始めてから15年の間に様々な革製品を製作してきましたが、多様な経験を積むことで素材や製品に対する理解度が深まっていくことを実感しています。

視野が拡がる経験ができなくなってしまったら作り手としての成長は止まると考えているくらいなので、常に挑戦的なモノづくりに取り組むよう心がけています。

ユニークなプロダクトは、自分たちの成長に大変な影響を与えてくれるのです。


3.定番プロダクトのクオリティ向上

前述にあるように、奇抜なプロダクトを作ることで作り手は新たな経験値と選択肢を獲得することができます。

そして、そのスキルは日常で使う定番製品にも生かすことが可能です。

本記事の前半にドローンを入れるためのバッグをお見せしたかと思いますが、実はあの製品の構造を参考にすることで、昨年発売した"Smart Tote"を生み出すことができました。


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挑戦的な取り組みをするからこそ、新たな構造や製品シルエットの生み出し方を知ることができ、それを定番プロダクトに落とし込むことでクオリティが向上していきます。

ユニークなプロダクトと定番プロダクトは、お互いを高め合うことができる関係性なのです。

定番プロダクトのクオリティが向上するとユニークなプロダクトを作るときのクオリティも高まり、新たな気付きを得る確度が高まる。

そしてその新たな気付きが定番プロダクトに生かされいく。

このようなサイクルが上手く回るとブランドの中に知識と経験が着実に蓄積されていきます。


ユニークなプロダクト作りに対する
モチベーション

こういったプロダクト作りには関わるメンバー全員が真剣に取り組んでいます。

真剣に取り組んでいるからこそ、心からこの企画を楽しんでいます。

今まで作ったことの無いプロダクトを具現化させるために知恵を絞り、その結果新たな気付きを得てさらにレベルの高いモノづくりに挑戦していけるこの取り組みは、モノづくりの知的好奇心を高めてくれる最高の企画であると感じています。


次のアイディア

次に製作するユニークなプロダクトについては、社内でも色々と議論しています。

・PCモニターを移動させる際に使う専用バッグ
・審美性も備えたフードデリバリー用バッグ

などなど。

もし、この記事を読んでいただいた方の中で「こういうものを作って欲しい!」という意見があればいつでもご連絡ください。

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ドローン専用のバッグを元に開発したSquare Belt Bagのウェイトリストはこちら↓

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"たった一人のためのモノづくり" Head of Product & Designer at objcts.io

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