竹岡 常吉

役者。シナリオライター。

竹岡 常吉

役者。シナリオライター。

マガジン

  • とある男の新型コロナ病床録

    2020年7月。新型コロナウイルスにかかりました。 当時の症状やあたふたしたことの記録です。

最近の記事

とある男の新型コロナ病床録(後編超)

(後編超) この記事は順番で言うと五番目の「後編超」になります。(前編→中編→後編→後編Z→後編超)  そしてこの記事で完結になります。  本文はすべて無料で読めます。  前編からお読みいただけると幸いです。 前回↓ 7月19日  午前、スマホがけたたましく鳴り響いた。  表示されたのは見慣れない番号――ついに新型コロナ陽性判定にリーチである。今までの症状を鑑みるならば、34面待ちしている状態と言っていい。     「竹岡さん、陽性でした」  ですよね。  案の定、

¥500
    • とある男の新型コロナ病床録(後編Z)

      (後編Z) この記事は順番で言うと四番目の「後編Z」になります。(前編→中編→後編→後編Z) 前回↓ 7月17日(金)  ついにPCR検査の日がやってきた。憎き新型コロナウイルスがない世界線であったなら、本来この日はオリンピック開会式一週間前であり、街は狂騒に包まれていたはずだ。私もこのように苦しめられることはなく、来日した外国人たちとゴールデン街で乾杯していたのではなかっただろうか。  しかし現実の東京は、連日の雨もあいまって重苦しい雰囲気に包まれていた。  天気

      • とある男の新型コロナ病床録(後編)

        (後編)  ここでいったん私の状況を確認しておこう。 症状 ・全身の痛み(カテゴライズするなら筋肉痛とか関節痛というものかもしれない)特に足が痛かった。流れている血が足の内部でせき止められて、そのまま膨らんで今にも破裂しそうな、そんな痛み。 ・頭痛 ・倦怠感 ・軽い吐き気 ・発熱(37.8度) ・消化不良 ・味覚異常 喫煙歴なし 一人暮らし 男性 30代 基礎疾患なし  とまあこんな感じだ。この時点で呼吸器系の症状がほとんどなかったのだけが救いだった。軽い咳は出ていたが

        • とある男の新型コロナ病床録(中編)

          前編↓からお読みいただけると幸いです。 7月16日  朝。なんとか生存した私は、無宗教のくせに神的な何かに祈って感謝した。 生きててよかった。ありがとうございます――  こんなときだけ祈ったっていいだろう。  そう信じるものしか救わないせこい神様拝むよりもJポップの歌詞を私は信じているのだ。B’zのCDを持っていない者だけが私に石を投げる権利がある。  そんなこんなでこの日はPCRの紹介状を書いてくれる診療所を探した。 この過程で私は、世の民には「かかりつけ医」というもの

        とある男の新型コロナ病床録(後編超)

        ¥500

        マガジン

        • とある男の新型コロナ病床録
          5本

        記事

          とある男の新型コロナ病床録(前編)

           あえてお決まりのセリフからはじまるのだ。 「まさか自分が」  2020年7月28日――記憶がまだ新しいうちに、私の新型コロナ体験をここに記録しよう。  それは丁度二週間前、7月14日の夜から始まった……  日課の筋トレとランニングを終え、シャワーを浴び、ストレッチをしてさあ寝ようというとき、わずかな足の痛みがあった。  そのときはランニングや筋トレの疲れかな? などと思った。だがそれらはきついトレーニングではなかった。トレーニングと記すのもはばかられる軽いものだ。健

          とある男の新型コロナ病床録(前編)